現代、最も著名なジャズミュージシャンたちの一人といわれるウィントン・マルサリス率いる
ジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラによる、
純粋正統、端正なジャズのアルバムでございます。
それがなぜ、このフラメンコのアルバム紹介ブログに登場するかというと
ここになんと、パコ・デ・ルシア様が登場しているからなのでありますね~
CD2枚組で12章もあるこの組曲でパコ様が演奏しているのはわずか2曲の、
ほーんのちょっぴり、なのでありまする。
じゃ、いらない、って言いたくなるかもしれませんが、
これが一聴の価値あり。ではないかと。
緑に囲まれた、ヨーロピアンな静かな町、
ビトリアはバスクの首都でありまして
ここで毎夏、大規模なジャズ・フェスティバルが開催されるのであります。
で、それに捧げたのがこの曲。
で、スペイン風な仕掛けがいくつもありまして
そのひとつがパコなわけですね。
でもほかの仕掛けもハンドクラッピング、つまりパルマだったり
フラメンコ風な、というか、ブレリア風のリズムだったりするのがご愛嬌。
そういえば、今年のお正月のウィーンフィルのコンサートで演奏された“スペイン”とつく曲は
みなカスタネットの音がでてくる、と、スペインのテレビの解説者があきれてたけど、
今やスペイン風といえば、フラメンコ風、ブレリア風、パコ・デ・ルシア風なのかも?
それはともあれ、パコ・デ・ルシアも常連なこのフェスティバル、
終演後、主催者のご招待ででかける町一番のレストランの名前がタイトルになったブレリア、
ま、ブレリアっていってますが、オケとやってるとこはあんまブレリアぽくはないけれど、っていうか、
ブレリアって、リズムがあえばいい、ってだけのもんじゃない、ってことだよな、って感じさせられちゃったりしたんだけど、それはまあ、おいといて、ブレリア風のリズムの中に、チャノ・ドミンゲスのピアノのソロに引き続き登場するパコはやっぱすごい。
いやいや。
他の誰でもないパコの音だし、パコの音程。パコのリズム。パコの呼吸。
最初のとことか、ちょっと「アントニア」ぽい音使いからはいってるんだけど
それがぜんぜんちがうとこいっちゃうわけなのね。
うわお。
ジャズの自由さをしっかり謳歌!で、ぎりぎりのとこでふみとどまってる。
いやいや、すごいです。
これだけで価値ある。。。と思ったことでありました。はい。
いや、ジャズもよいです。でもやっぱ私は見事なオケよりもパコの一発に酔いしれるのでありました。