しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

オルケスタ・チェカラ・デ・テトゥアン『ラ・チェカラ/イ・フラメンコ」

2009-06-05 02:13:17 | そのほか
ムシカ・アンダルシとよばれる、イスラム支配時代のスペイン南部、アンダルシアに端を発する音楽がございまして
ラウー、バイオリン、ダルブカ、カヌンなんかの楽器とボーカル(この人もたいてい楽器あやつりますです)の楽団で
演奏するんでございますが、フラメンコとの共演も多々あるんでございますね。

有名なのはレブリハーノとの「エル・アニージョ」でございましょうか。
もしくは「マカマホンダ」。舞台作品としてグラナダのアーティスト総出演で上演されレコードにもなったもの。
レコードではポラコだったかな、でも、もともとはモレンテがうたっていたそーです。
なんて余談はともかく。
わりと最近のだとたセグンド・ファルコンもビエナルでやってましたね、たしか。

ってことで、このアルバム。セグンドと共演した、オルケスタ・デ・チェカラが、
セグンドをはじめ、モレンテ(最新盤「パブロ・デ・マラガ」のね)のほか、
彼らが最近、コンサートで共演している若手ギタリスト、ラウル・カンティサノや若手歌手アリシア・アクニャ、ビセンテ・ヘロなどといっしょにやってる1枚でございます。
フラメンコ曲でゆーとタンゴ・デ・エストレマドゥーラ(つーか、タンゴ・デ・ビルヘンだな、ファミリア・モントージャの)
ソレア・ポル・ブレリア、ソレア・アポラ、ファルーカ、タンギージョ、タンゴなどでございまして、ま、面白いといえば面白い。でも、これまでにあったものとの違いはアルティスタだけ? いや、ちがう曲とかやってますけど、なんつーか、お、これは! とゆー驚きや楽しさがにゃいのが残念な限り。んでもって、ひょっとしてこの楽団、そんなにお上手ではないんじゃないではないでしょーか。それともこーゆーものなのでしょーか。そっちの専門家じゃないんであんまわかんないけど。。。




アントニオ・カンポス「エン・ディレクト・コラル・デル・カルボン」

2009-06-04 01:55:23 | カンテ
フラメンコのアルティスタがCDだすっていうと、あちこちから新曲あつめてきて、ってのが普通。
なんで、ライブではめちゃいい歌い手なのに、CDできくとそうでもない、ってことがよくおきる。
いつも歌い慣れた歌詞歌っているわけでなく、いわばお仕着せなわけだから、仕方ない。
ジャズのミュージシャンとか、スタンダードナンバーをいろんなバージョンで録音してるじゃん、
フラメンコだって同じ曲をいろんなバージョンで録音したっていいじゃん。
とか思うんだけど、ライブ盤って少ないんだよね。
カンテだとカマロン。あと最近スペイン国営放送からでているフェスティバルの録音くらい?
あ、フェルナンダとベルナルダやアグヘータのパリ録音ってのもあったか。
でもさっと思い浮かぶのはそのくらい。。。ってさびしくないかい?

いやさ、新しい歌詞も大歓迎、なのではあるけど、いつもの歌詞だって別にいーじゃんねー。
ま、いつも同じ歌詞を同じ順番で歌うアルティスタとかは、あきないでもないが、
同じ歌詞だって、そのときそのときの心がこもった歌い方だと、まったく同じってわけではないわけで。
カンテは歌詞よりも、そこにこめられたせんティミエント、心の叫びをきくものだぜ、なーんて,
歌詞がぜんぜんわからないとゆーところからはじめた我々外人ならではの?聴き方を講釈するわけではないけれど
フラメンコ録音には前からちょっと疑問もってたわけさ。

んでこのアルバム。(前置き長過ぎましたね、ごめんちょ)
グラナダのコラル・デル・カルボンでのライブ録音。毎年夏、若手中心のフラメンコやってるところです。
1972年タラゴナ生まれのグラナダ育ちのこの人、舞踊伴唱でおなじみ。でもこうしてソロできいてみるとまたなかなか。
ギターはダニ・メンデス。パルマにカルロス・グリロとカンタローテ。
昔ながらのレトラを中心に。パワフルにまっすぐにしっかりと歌っていて好感もてます。
ソレア、シギリージャ、マラゲーニャ、ティエント、ブレリア、カンティーニャとレパートリーも幅広いし。
一聴の価値ありです。

ホルヘ・パルド「ビエントス・フラメンコス2」

2009-06-04 01:01:41 | そのほか
なんか最近立て続けにCDでてます?
いや、枚数は相変わらず少ないんですが。。。
けっこういいのがきてるよーな。。。。

フラメンコフルートの先駆者、ホルヘ・パルドのこの1枚、なかなかようございましたよ。

なんかこの人、最近前にもましてよりフラメンコなよーな気がする。
ライブでも昔はうたなかったパルマとかも打ってたりするし。
このアルバムでは最近のライブでもよく演奏している、フルートソロの火祭りの踊り(ファリャ)なんかも入っているし、
映画「イベリア」できかせてくれたトリオでの「カディス」も収録。
でもいっちゃん興味をひかれたのは突如、ボリーコじいさんが登場するソレアかもしれん。
カマロンのをフルートで歌うのは、これまたライブでよくやってるけど、フルートって口つかうだけに声にちかいかも、とか思っちゃう出来。ビエホ・ムンドといい、この人カマロネロ? って、実際、彼、カマロンとも録音してるもんね。そんだけ近いし、思いもあるのだろーな。
ピアノとのデュオできかせる端麗なグアヒーラもいいよん。





あらもう6月

2009-06-04 00:31:40 | 公演
うわ、気がついたら6月です。
さぼってばかりですね。まずい。。。

記憶をたどっていくことにします

5月にみたもの

5月6日に日本からマドリードに戻り、7日にセビージャ着

5月7日 マリア・フンカル カハソル文化センター
カナリア出身。コルドバのコンクールでも賞とってる実力者なんだが。。。。
ひさびさにフルートのフアン・パリージャに会えた。

5月12日 チャンタラムイ セントラル劇場
アルコス出身のマルコ・フローレス、コルドバのオルガ・ペリセ、マドリーのダニ・ドーニャの3人の作品。音楽は録音でコンテンポラリーぽいのとかごちゃまぜ、とゆーのは今の潮流っすね。なかなかよくまとまっていてよい作品だと思うけど(だからまたみにきた、去年アルコスでみてたのに)、結局一番印象的だったのはマルコのファルーカとマルティネーテだったとゆー。。。この人もオルガも先のコルドバのコンクールの受賞者でマドリード在住。
マルコ、みるたびにどんどんよくなっているのでみるのが楽しい。

5月13日 ホセ・メルセ ロペ・デ・ベガ劇場
愛しのモラオ伴奏ですから、いつもと同じレパートリーだろうがなんだろうがでかけていくわけであります。
前日と二日間の公演だったんだけど、前日はシギリージャがよかったそうです。私がみた日はブレリアがよかったぞ。
新譜発表コンサートと、告知にはあったけど、新譜はまだまだ先、らしい。でもイシドロ・サンルーカルがプロデュースだそーなんで期待。モラオの、シギリージャの伴奏は世界一です。。。フアン・パリーじゃもいた。会わないとおもってると続けて会ったりする。。。彼はフラメンコの音楽の本書いたんだって。早く読みたい。。。

5月14日 カディス・ラ・ビーニャ カハソル文化センター
なんかよくわからん前座歌手のアレグリアスはうーむ。真ん中がベテラン、フアニート・ビジャール。この人の伴奏をしていたのがペリキンことニーニョ・ヘロでありまして、これがよろしゅうございました。最後のLの踊りはあまりのことに途中退場。一曲みて外にでたら、評論家諸氏も外にでてきたので、ご同輩~。コンクールじゃないんだから、ある程度のレベルはクリアしていてほしいもんです。

5月21日 ドランテス カハソル文化センター
なかなかようございました。まだ未発表の新譜からの曲中心。。。未発表なのはどこのレコード会社にするか迷っているせいだという。。。ドランテス、ディエゴ・アマドール、ペドロ・リカルド・ミーニョと、三人三様。ピアノフラメンコ界も落ち着いてきましたね

今月はぽべちゃんのスペイン歌謡のコンサートと国立バレエ、近郊の村のフェスティバルなどみる予定。
最近、公演多くてうれしいんだけど、身体がもたん。。。
んでちょっと気抜くと見逃しちゃう。大好きなトマシート見逃したのがくやしい。パンツ一丁だったそーだ。
いやトマシートのパンツみたいわけではなくて、彼のライブってのりのりでめちゃ楽しいからみたかったってだけよ。