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しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

Mixto Lobo

2010-05-09 23:34:34 | ポップ ロック
ヘレスのフェスティバルでこのアルバムの発表記念コンサートをした ミスト・ロボ、
http://noticiaflamenca.blogspot.com/2010/03/blog-post_7732.html

ヘレスのギタリスト、フアン・ディエゴ(ソニケテのアルバムにも参加)
ドイツ生まれで今はエレキギター専門風のホルヘ・ゴメス(彼もソニケテのアルバムに参加)
ベースのイグナシオ・シンタード、
パーカッションのチスパ
という面々がおくるのはフラメンコ風味のロックというか
ロック風味のフラメンコというか
トマシートの歌抜き、的感じでございます。
かつてのトリアーナやカイ、アラメーダ、グアダルキビルなんていう
アンダルシア・ロック風おもむきもあり、
面白いといえば面白い。

カンテホンドとハードロックってなぜかにあうんだよね。。。

第80回 ホセ・エル・フランセス「ラス・カジェス・デ・サン・ブラス」

2006-06-14 20:30:33 | ポップ ロック
つーわけでついでに同じく
ホセ・エル・フランセスのデビュー盤もご紹介。
サン・ブラスとはマドリードの一地区で
ヒターノさんをはじめとする低所得者層がたくさん住んでるとこで
麻薬やら窃盗やらのメッカともいわれ、セビージャのトレスミル地区同様
かなりあぶないとこらしい。
っていってもふつーの人もいっぱい住んでいるんだけどね。
でも良い子のみなさんはここに行ったりしないよーに。
当時、ここらに住んでたらしーです。ホセ君も。
生まれはおフランス、モンペリエ。
録音前は街頭でレモン売ってたとゆー説もある。
(うわさだけどね。ちなみにフアン・ラミレスは靴うってたとゆー話もある。これも噂よ)
こっちは93年の発表で
プロデュースは当時ばりばりになりかけケタマのフアン・カルモナ
なんで、ギターは従兄弟ホセミとフアン。
パーカッションはフアンの弟アントニオ。
3曲目のブレリアとかギターかっこいいです。

でもメイン?はやっぱ流行歌。
1曲目レゲエ風マラムヘールもそーだし
フランス語でうたってる4曲目オ・モナムールもそー。
なおこのスペイン語版が10曲目にあるけどフランス語の方がかっこいーわい。
6曲目サングレ・デ・ミ・コラソンも、9曲目エリダ・デ・アモルも
歌い方もそーだしなー。
しかし僕の心の血だの愛の傷だの、ってよくもまーそーゆータイトルがでてくるもんだ。

ちなみに一時スペインで大ヒットした2曲目
Ya no quiero tu quererもう君の愛なんかほしくない
(ヒットしたのは、レアリティショーの中でつかわれたのがきっかけでしたな)
のさびは
僕からでていってくれ/もう君の愛なんかほしくない
僕の頭から消した/君にくちづけしたくない
でありまする。。。
浮気された男が許してとゆー女を拒絶する歌だし
1曲目も手玉にとられた男の嘆き歌?

マッチョなラテンラバーの甘いささやき?のよーでそー
実は。。。だったりするつーことでしょーか。
そうけっこうスペイン人、まっちょぶっても実はオセンチ。。。
なんてしょーもないこと考えたり。





第79回 ホセ・エル・フランセス「ソモス・ペルフェクトス」

2006-06-12 21:51:34 | ポップ ロック
えーなつかしの1枚でございます。
フラメンコ・ポップ。
発表95年ってそーかもう10年。
早いもんですねえ。

これはホセ・エル・フランセス、2枚目のアルバム。
エル・フランセス、フランス人とゆー芸名の通り
フランス生まれのヒターノでございます。
内容はつーとフラメンコ・ポップ
つまりフラメンコ・テイストのポップ。
このアルバムではモラオ伴奏でブレリア,
ビセンテ・アミーゴ伴奏でカンテ・デ・レバンテときめてますが
でもアルバム全体のテイストはフラメンコとゆーよりもポップな感じ。
ときこえるのはフラメンコばかりきいているわたしだからで、
ふつーのポップ好きがきけばフラメンコにきこえるのかも。

あまったるい歌詞。
なきのはいった歌い方。
いやー。王道ですわ。ってなんの?
「みえんてめ・こも・シエンプレ」(いつものよーに嘘ついて)とか
ちょっとアレハンドロ・サンス的でもあり、(あれちゃん、影響うけてねーか?)
大ヒットしそーな感じ、てゆーか。
からおけで歌いたくなる感じとゆ-か。

パーカッションやドラがやけにえーのはプロデューサーがティノ・ディ・ジェラルドで
彼が演奏してるから、ですね。

去年だったかにでた新譜はまったくのポップにいっちゃいましたね。
でつまんなかった。
やっぱフラメンコ風味きかせるのが正解のようですわ。


第76回 エル・ビチョ

2006-06-03 20:54:30 | ポップ ロック
これ去年でたアルバムなんですけどね。
なのにすごくなつかしー感じがするの。
なぜでしょう。

その昔。ロックアンダルースなんつーものがございまして
それによくにてるんですよ。
トリアーナ、アラメーダ、グアダルキビル、イマン、カイ…
などなどとゆーグループありました。はい。
けっこー今のスペイン・ポップもこーゆーのをひきずってて
現在人気のエル・バリオやエンリケ・オロスコなんかも
カバーしたりしてるんですね。
簡単にいえば、リズムなどでフラメンコ風味をプラスしたロック、ってゆーかんじかな。
ま、それだけじゃないのかも、だけど。
でこのアルバムをきくと、
アンダルシアロック全盛の70年代後半から80年代はじめにかけて、
その当時にひきもどされちゃうかんじ。

メンバーはマドリとアリカンテ出身でアンダルシアじゃないんだけど
ま、それはも-関係ないですな。
チャノ・ドミンゲスのドラマーであるギジェルモ・マッギルの教室でしりあったそーで
当初は街角で演奏してたらしいっす。
それがティノ・ディ・ジェラルドがプロデュースしてデビュー。2003年。
個人的にはこっちの方が好き、なんだけど、なぜかみつかんないのでしょーがなくIIの方をかいているわけです。

音のつくりもなんか素朴。んでもってロック・アンダルーだけでなく、パコ系フラメンコにもすごく影響うけてる。
ベナベンやホルヘのはいりかたとか~やっぱひとつのエスクエラ(派)成立させてるわな。
ってあらためておもったのでありました。

ある意味この20年間はなんだったんだろーつーか
新しいものをうむのは難しい、と考えさせられる。
それにしてもこーゆー先祖帰り、はやりですかね。

第66回 パタ・ネグラ「ブルース・デ・ラ・フロンテーラ」

2006-04-27 04:34:30 | ポップ ロック
お待たせしました。
あ、待ってない?
ま、いーか。
いやね、聖週間やフェリアに気とられてさぼってました。
すんまへん。

でその間に届いた訃報みっつ。
その1 ライムンド、ラファエル。ディエゴのアマドール兄弟のおとうさん
その2 カルロス・レンセーロ
その3 ホセ・カラ“エル・ポエタ”

いっちゃんショックだったのはその2です。レンセーロは私も大好きなフラメンコ詩人。
そ、フラメンコのレトラをいっぱいつくってる人です。
カマロン、ディエゴ・カラスコ、ディエゴ・アマドール、ニーニャ・パストーリ…
彼の詩を歌ったひとはたくさんいるけど、まずはこの1枚。

パタ・ネグラといえばライムンドとラファエルのアマドール兄弟。
(初期はこれに従兄弟のフアン・ホセ・アマドールやらも加わってましたな
 で最後はラファエル一人になった、と)
1987年(あたしがスペインにたどりついた年やん)に発表されたこのアルバムは
ロック雑誌ロックデルックスによって80年代最高のアルバムに選ばれたもの。
うん、たしかに80年代のスペインの雰囲気、よくでてるよね。
めちゃフラメンコなアルバムですが、カンテ・フラメンコとかの、ホンド系ではありません。
ロック雑誌に評価されてることからもわかるようにもっとロックでポップ。
でもフラメンコ、としかいえないアルバムなんですよ。
うーん。歌詞とかもそーだし、あと感覚。
ラファエルの声もライムンドのギターもなにもかも。
めっちゃフラメンコ。

ジョ・メ・ケド・エン・セビージャ、というカルロスの詞をうたっています
「遠いとこから来たと人はいう/歌いながら日々をすごし/印度からトリアーナへ/トリアーナからセビージャへ/
チャピナ広場のユーカリ/トリアーナの小路/ドーニャ・エルビラ広場/サンタ・アナ広場/
君が行ってしまったら/僕はセビージャに残る/最後まで」
ぐっときません?
ちなみに地名は70年代後半から80年代にかけてのヒッピーのたまり場ばかり。
あたしのスペイン人の友達連中はみんなこれ歌いますね。フラメンコ好きも、そーでない人も。
誰か歌うとみんなでコーラスになっちゃう。
そのくらいポピュラーなんです。
あたしら世代のなつかしのメロディなのかも。

この曲ももちろんカルロスの代表作だけど
ディエゴ・カラスコのアルバムにもたくさんあるので次回はそれにしようかな。

第8回 トリアーナ

2005-10-10 20:31:17 | ポップ ロック
トリアーナといっても、セビージャの川向こう、じゃない、グループの方。
その昔、ロック・アンダルースというもんがありまして、これはその代表的なグループ。
デビューが1975年というから、フランコ死去により、スペインが大変動していた時期ですね。
発売とともに爆発的なヒット! ということにはならなかったのですが、
30年たった今でも売れ続けている定番。

アンダルシアのロックときいて君は何を連想する?フラメンコ+ロック?
そーなんです。フラメンコテイストがたっぷりつまたロックなんですね、これ。
だもんで、ハビエル・ラトーレは去年のビエナルで
このトリアーナがロック化したフラメンコを再びフラメンコ化し、舞踊作品としたんですね。
いや~、フラメンコ好きならきっとはまると思うのですよ。

メランコリックで、なんか歌詞とかもすごくいいのよ。
セビージャの70年代がいっぱいつまっている。ってわたしはその時代は知らないんだけど
トリアーナとローレ・イ・マヌエル、そしてカマロンは70年代から80年代前半の
セビージャのサウンドトラックだったんだと思う。。。
ソレアとブレリアの区別がつかんくらいにフラメンコしらんでも、
カマロン口ずさむおやじとかいるしね。

この「セ・デ・ウン・ルガル」はそのトリアーナのベスト盤で、2枚のCDにDVDという構成。
入門盤にはちょうどよいのではないでしょうか。。。
なおアンダルシア・ロックにはほかにも
グラナダとかカイ(チャノ・ドミンゲスがいたとこね)、イマン、グアダルキビルなどなど
いろんなグループがあって、
そのなかのアラメーダのメンバーとかが
カマロンの「レジェンダ・デル・ティエンポ」に参加してるんですね。
だからある意味、フラメンコの歴史を学ぶ上では書かせない一枚なんですよ~。






第6回 ホルヘ・パルドのビエントス・フラメンコス

2005-10-06 03:32:18 | ポップ ロック
これは最近でた新譜、ではないのですが、一応、今年の作品なので、とりあげてみようかな、と。
ホルヘ・パルドはご存知の通り、パコ・デ・ルシアのグループで活躍したジャズ系のサックス・フルート奏者。
この秋はパコとも旧知のチック・コリアといっしょにスペイン各地のジャズ祭をまわります。
ちなみにルベン・ダンタス、カルラス・ベナベンのパコ・セクステットでの仲間も一緒。
余談ですが、パコとチックがはじめて共演したのは日本だったんですよ~。知ってました?
あの雨の田園コロシアム。っていったってもう誰も知らないか、田園コロシアムなんて。(にこたまにあったんですよ~)
そのときもちろんもうホルヘはパコと共演していたわけで、だからま、30年近い知り合いなんですよね、たしか。
あ~、時がたつのは早いものであります。いやだいやだ。

なんつー雑談はともかく、アルバム。
これ、出している会社が、古巣のヌエボス・メディオスからではないんですね。
manantial de musicas社という新しい会社。
ここのHPを開くと、あ~ら、録音スタジオじゃあありませんか。
それもホルヘの大好きなアルメリアの海岸の村、モハカルにある。
でもってコレクション・デジタル・wwwww.jorgepardo.comとなっている。

つーことはたぶん、ホルヘ自身がリードしてつくった自主制作盤に毛がはえたようなものではないかと思うわけです。
ま、いままでも全部自分でプロデュースして、好きなようにつくってきたんでその意味では同じかもだけど、
それをまた一歩おしすすめたんではないかと。
ま、そのうちCDはなくなって全部ネットから、なんていう未来を考えている人もいるようだし、
ホルヘ的に産地直送をめざしているのかも。
そーいや、ヘラルドとかもその傾向ありますしね。
今やみんな自宅録音やってるし。たしかホルヘ、カルラス、ティノのトリオのアルバムは、ベースだけマドリで録音して
各自家に持ち帰ってつくっていく、と聞いたし。(そーいやどーなったんでしょーね、そのアルバム)
そーゆー時代なのかもしれません。
音楽の産地直送。
でよくアルバムをよんでみると、ほーんとあちこちで録音してるんですな、収録曲。
セビージャのヘスース・ボラのスタジオやキューバのホテルつーのもありだけど、
家、つーのが非常に多い。
自分んちだったり、アントニオ・セラーノんちだったり、ティノんちだったりほんといろいろ。
いやー自家製なんですね~
みんなスタジオもってるんだよね。昔じゃ考えられないことだけど。

でアルバム。
フラメンコの風たち、なんてしゃれたタイトル!
いや、この風、ビエントには管楽器の意味もあるので二重の意味になってシャレになってるわけですね。
カマロンの曲を二曲やっていますが、うん、やっぱ、これが今のフラメンコの基本なのかな~って改めて思ったり。
でも私的に面白いと思ったのはやっぱディエゴ・アマドールとのシギリージャ。
あとパコの新しいグループのメンバーである、ニーニョ・ホセーレ、アントニオ・セラーノ,ピラーニャとやってるパソドブレも、アントニオのハーモニカがすごくいいのでまる。

パルマが効果的につかわれているのがやっぱいいかな。ソロとかいいよね。
パルマってすごく重要。面白いよー。いろいろききこんでいくと、よけいに。深いっす。
最後のジャズも面白いし。
ひとつの色だけじゃなく、いろんな色に染まっても、やっぱホルヘ。というのがやっぱいいなーと思ったことでした。
ウォーホールの版画みたい。いろんな色の毛沢東。でもやっぱり毛沢東。
なんて感想をホルヘにあったらいってやろう。

フラメンコ好きにはフアン・ディエゴのギターも魅力ではないかな?






第5回 キコ・ベネノ「エル・オンブレ・インビシブレ」

2005-10-03 20:53:43 | ポップ ロック
キコ・ベネノはフラメンコではありません。
でもフラメンコとは決して無縁ではありません。うん、微妙。
この久々の新譜でも、歌っているのはフラメンコではない。ポップ。
スペインでいうところのポップロックつーもんでありましょう。
でもアコースティックギターやフラメンコ・ギターがはいっていて、まんざら無関係ではないな、と思わせられることでありまする。
ちなみにフラメンコギターを弾いているのは、主にラウル・ロドリゲス。
グループ、ソン・デ・フロンテーラのリーダー格。ずいぶん前にサングラスと突飛なペイネタで一世風靡したマルティリオの息子であります。
んでもって最後の曲ではキコの長年のコレガでありますライムンドが弾いている。
ライムンドも今じゃソロでばりばりだけど、弟ラファエルとのパタ・ネグラなどとのほかに
このキコ・ベネノと組んだベネノっていうグループもその昔にあったじゃありませんか。
ほら真紅の薔薇が全面にあったジャケット。覚えてません? って無理か。

なおエレキ及びアコースティックギターほかで参加しているチャーリー・セペーダはスペイン屈指のギタリストの一人でありまして、ローレ・イ・マヌエルの一人娘で元モデル、現在は女性3人組のラス・ニーニャスでちょこちょこヒットしたりしてるアルバ・モリーナの旦那です。
ってあまりにも女性誌的情報かしらん。でも人間関係は音楽とも微妙に関係してまっせ。

ちなみにわたしのお気に入りは12曲目、no cuesta dineroという曲。一番わたしの考えるキコっぽい。。ルンバ風です。