しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第45回 ドン・アントニオ・チャコン

2006-01-28 04:59:20 | カンテ
フラメンコってほんと
バラエティにとんだ音楽ですよね。
リズムそして曲種の多様さはもちろん
アルティスタによって同じ曲、同じ詞でもまったく違う。
古いものから新しいものまで聴いても聴いても聴ききれない、
ってくらいたくさんの録音があって
それぞれに魅力があって。。。

皆さんはiPodとかってもってます
わたしは旧モデルの60GBをもってて
うちのMacにパストーラの全集やらパコとカマロン全録音やら
マイレーナ全集やらマグナ・アントロヒアやらの
全集ものをはじめ、単発CDにいたるまでしこしこいれております。
まだ半分もうまってないけど。20GBくらいかな。
あ、インタビューなんかの録音もはいっているのでCDだけではもちょっと少ないです。

でこれにシャッフルっていう機能があってでかけるときとかこれできくんですが
いやいや面白いっす
トマス・パボンSP復刻版のあとにトマシートとか
ハードロック(もちょっと好きなのだよ、ギターもんとか)やブラジルもんやキューバもん、
クラシック(スペインものが多かったり)がきたりとか。ジャズとか。セビジャーナスとか。
ほんとなにがでるかわかんない、ロシアンルーレット状態。
これやってるとついいつも同じものばかり聴いてしまいがちな日常が変わる!
って、ま、まずは自分がパソコンに覚えさせなければだめなんですけどね。
(うちにあるアルバムのうちまだ20%もはいってないと思う。。。)

でそんなんででてくると思わずシャッフルを解除して
アルバム全部聴いちゃうアルティスタってのがいます。
このドン・アントニオ・チャコンもそう。
ドンという敬称がついているからではないけれど、
思わずいずまいをただして聞き惚れてしまう、
って感じ。
フラメンコ好きならみんなそーじゃないですか?
お手本、っていってもだから冷たいとかじゃなく、
しみじみいいです。
あーこの節回しはさすが御本家って感じ?
細やかな、音の上げ下げ。呼吸。
なんともいえないニュアンスでほんと感嘆。
グラナイーナもマラゲーニャも涙でるほどよいです。
あ、こーゆー声ってフラメンコぽくないとか
ゆー人もいるかもだけど、しわがれ声ならいいってもんでもないでっせ。
カラコーレスでの声のはりかたと、マラゲーニャの声のつかいかたじゃぜんぜん違う。
そう、曲種ごとの雰囲気って大切なんだけど
なかなかこれを的確にだすひとっていないんだよね~
今の若手だとアルカンヘルがそーゆーのうまいけど。

こーゆーのをききこんじゃうとそんじゅそこらの歌い手じゃがまんできなくなるかもだけど。
まずはだまされたと思ってきいてくださいまし。

このアルバムだしてるソニフォーク社っていうのは
フラメンコSPの復刻をたくさんやってるんですが、
どれもおすすめ、はずしませんのでみかけたら買っておきましょう。