しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第94回 ミゲル・ポベーダ「ティエラ・デ・カルマ」

2006-10-26 12:45:43 | カンテ
この夏にでたミゲル・ポベーダの新譜でございます。
先のビエナルでもこのアルバムの発表コンサートで最高の舞台をみせてくれた彼、
イサベル・バジョンの「プエルタ・アビエルタ」にもゲスト出演して、観客をうならせたし、
ほんとそのキャリアとか功績とかそーゆーものを全部とっぱらって、単に“現時点”つーだけでいえば
一番いい歌い手であります。(ちなみにギターはヘラルド、踊りはイスラね)
で、このアルバム。なかなかよいのであります。正面からカンテに取り組んでいるとゆー感じ。
前にあったよーなテミータ風のコーラスないだけでもまるだし、
フアン・カルロス・ロメロのギターもよいです(たま~にあんま意味ねーだろ、って音いれるの気にしだすととまらなくなるかもだけどさ。そーいや、前のアルバム伴奏のチクエロも彼もビセンテ派ですわな。ま、どーでもいーけど)
そう、真摯なアルバム。今までのぽべちゃんのアルバムで一番いいのではないでしょーか。
ま、彼自身がうまい(音程、リズム、センス…パーフェクトじゃ)つーのもあるけど
いくらうまくったって録音はよくないつーのもいっぱいあるわけで。。。ま、その点これはまるであります。
選曲もなかなかでタンゴ、ブレリア,ソレア、シギリージャ…。スタンダードなものにファルーカ、アバンドラオ付きのマラゲーニャなんてのもいれたり、セビジャーナス(パ・エスクチャーですな)もありまする。
最後のトナはカルメン・リナーレスが最新盤(といってももう2年も前)ウン・ラミート・デ・ロクーラ」でうたっているものといっしょ。これはちょっとなーの選曲のよーにも思うけど(うまいからいーけど、最近ほかの人が録音したばっかの曲をまたいれるってどーよ)。
で私のお気に入りはやっぱディエゴ・カラスコと共演のブレリアかな。舞台での共演もよろしゅうございました。
あとファルーカかなあ。

はい、ぜひ買って聴いてあなたのおきにいりをさがしてくださいまし。