しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第29回 映画「イベリア」サントラ

2005-11-19 02:20:10 | そのほか
現在スペインで公開中の映画「イベリア」のサントラ盤でございます。2枚組。
ジャケット写真はダンサーですが、ダンスと音楽、どちらも主役な映画でありまして
フラメンコではエンリケとエストレージャのモレンテ親娘、
マノロ・サンルーカル、ヘラルド・ヌニェス、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、
といった面々が音楽で
アントニオ・カナーレス,サラ・バラス、アイーダ・ゴメス
などが舞踊で参加しておりまする。

いや、サラがでてくると画面が明るくなりますね~。
カナーレスのすっごく気持ちの入った踊りっぷりもよいですが
やっぱ2曲踊るサラがいいかな~。
ギターも三者三様でそれぞれによろしゅうございました。
モレンテ(伴奏はアルフレド・ラゴス)もよかったな~

って、なんかすごくなんでもいい!っていってるみたいだけど
フラメンコ以外の、バスク舞踊やホタ、現代舞踊なんつーものもそれぞれに“みせて”くれます。
あとフラメンコ/スペイン舞踊風の中にでてくる美貌の女の子マリア・フェルナンデスも!
音楽も、クラシック、フラメンコ、ジャズとあちこちいくし。

スペインの舞踊と音楽の現在をかいまみせてくれる映画ですね。
サントラ盤ではやっぱモレンテかなあ。。。
来年日本でも公開されるそうなのでそれを観る前の予習、観た後の復習用にも
よろしゅうございますね。

第28回 映画「カマロン」サントラ

2005-11-17 04:05:21 | カンテ
この11月に公開になった映画「カマロン」。
フラメンコファンにはおなじみの、伝説の天才歌手の生涯を描いた映画であります。
これはそのサントラ盤。DVDで映画の予告とビデオクリップがついてます。
映画、けっこうお客さんはいってるのかな、
スペイン映画には珍しくあちことの映画館にかかっているし、感心も高いみたい。
少なくともホアキン・コルテスの「ヒターノ」やアントニオ・カナーレスの「ベンゴ」よりは
少なくともスペインではヒットしていますね。

映画、試写でみました。
けっこう史実はゆがめているけど,全体としてはそれほど悪くない、って感じかな。
ま、ドキュメンタリーじゃない、“映画”なんで、いろんな史実をまとめてぱっと描いてたり
(マイレーナとカラコールが一緒にベンタ・デ・バルガスにいたり、パコもそこにきたり、とか
パコがカマロンの伴奏をタブラオ,トーレス・ベルメハスでやってたり、とか)
ま、いろいろ知ってる人にはなにこれ~って思うようなとこもあるんだけど
そーゆーのに目をつぶるとま、悪くないかな、と。
映画としても前半はちょっと。。。って感じだけど、
後半、チスパと出会うとこやドラッグの問題なんかはけっこう“映画”として、ドラマとして
面白かったという感じ。

とにかく主役のオスカルという俳優が、とくに後半のひげ面とか、もうカマロンそっくりで
また“口ぱく”がめちゃうまい(ビデオみてすっごく研究したと記者会見でいってたよ)んで
あーゆーとことか、ドラッグの問題のとことか、やっぱちょっとぐっとくるかも。
トマテは泣いたそうだ。。。

トマテ、パコ、パコ・セペーロにの役の俳優さんたちはあまりにてないけど
それなりに雰囲気はだそうとしてるし
フィエスタの場面にチチャロやボーといったヘレスの面々や
トニ・マジャなんかがでていたり、
ラモン・デ・アルへシラス?の役でボラ(マドリードのね)がでてたり。

フラメンコおたくでもそれほど怒りを感じずに楽しめると思います。

そのそっくりぶりは
http://camaronunmito.com
でごらんくださいまし。

なお予告版とかはここでもちょこっとみれるけど笑えるよ~
Gメンみたいに(古い!)並んでソイ・ヒターノを歌いながら歩くのよ~
私は爆笑でした。。。お持ち帰りしたい人はこのCD買いましょね。

なおCDはカマロンのヒット曲集(オリジナル録音)なんで、
カマロン入門者にもおすすめかも、です。


第27回 ホアキン・グリロ

2005-11-11 19:00:41 | バイレ
みてきました~。
前日はホルヘ・パルドたちだったし、連日パコつながりだなあ。。。
いや、ようござんしたよ。
内容的には数年前の作品「デ・ノーチェ」のシギリージャやソレアとかが
部分、部分、リフレッシュされている、っていうことになるんだろうけど、
でも、いや、ま、この人の、あの熱のある踊りの前にはそんなごたくはどーでもいーとなるわけですね。
ほんとパワフル、エネルギッシュ。でも力だけで押していくわけではけっしてなくて
細部がいいのよね。
とくにサパテアードの音!
あんなに音の色彩が豊富な感じってないですよ。強弱はもちろんだけど、ニュアンスとか。
超コンパス、あってのこと、なわけですが。
いやーほんと楽しゅうございました。

グリロ君の踊りはカルロス・サウラの映画「フラメンコ」でもちょこっとみれますね。
コンパスでいえば、チャノ・ドミンゲス「チャノ」とか、
あちこちにちょこちょこいれてますよね。

いや、フラメンコって“聴く”踊りでもあるわけでその点でも百店満点あげたいけど
“観る”方でもよいですよね。かたちがきれい。これも重要。
それに舞台をコントロールする力もついてきたように思うし。

なんできょうはハッピーなしかぜなのでした。

第26回 タッチストーン

2005-11-10 20:38:36 | そのほか
11月9日、セビージャのマエストランサ劇場で観て参りましたよ、タッチストーン。
チック・コリア+ホルヘ・パルド、カルロス・ベナベン、ルベン・ダンタスつーグループ。
いや、よろしゅうございました。
2時間余のコンサートがあっという間でございましたね。

タッチストーンは1982年に発表したチックのアルバムタイトルで、
パコ・デ・ルシアやカルロスが参加しているので
今回のグループにその名をつけた、ということのようです。

ひさしぶりにフラメンコじゃない音楽をたっぷり楽しませてもらいました。
フラメンコじゃない、っていってもフラメンコのリズムやフレーズもちょこちょこっとでてくるし
(ブレリアとかおもしろかったよ~)
ホルヘたちはパルマたたくし。でも微妙にフラメンコ・フラメンコじゃないとこが面白い。
ってこれ、悪くいってるんじゃなくて、
なんかのりが微妙に、ほんと微妙に違うのね。
でもそれはそれで面白いの。

しかしま、ルベンとかもたくさんの楽器をあちゃこちゃつかっていきいきしてたし
カルロスの技にはやっぱオレ!がでちゃうし
ホルヘもホルヘらしいリラックスした感じでやってるし。
ちなみにホルヘはチックとは大昔、まだ十代の頃にやったことがあったそうです。
パコとやる前ね。
そんでもってパコとチックがはじめていっしょにやったのは日本だったんだよね。
あー遠い昔のこと。。。

そのうち日本行くかな。。。。このグループ。


第25回 モラオ・モラオ

2005-11-09 04:31:54 | ギター
ヘレスに行って参りました。
やっぱヘレスってめちゃいいとこ。
バルでバックにかかるのはフラメンコだったし
オンダヘレスという地元のテレビ、ラジオでもいっぱいフラメンコやってるし
フラメンコ・センターでは貴重なビデオがいくらでもみることができるし
もちろん本や録音もたくさん。
センターでは地元のフラメンコ研究家さん二人、若手研究者二人にもあったし。
いや、住みたくなっちゃうなあ。といいつつなじみのバルによれば
じゃじゃ~ん。
ヘレスのオールスターキャスト勢揃い。
ディエゴ・カラスコ、ディエゴ・デ・モラオ、フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、ニーニョ・ヘロ、ゴメス・デ・ヘレス、黄金のパルメーロ三人衆、チチャロ,ボー、グレゴリオ・フェルナンデス、ルイス・デ・ペリキン…。そのほかにも旧知の仲間がいっぱいいっぱい。
(数年振りで会った人も何人もいたよん)
やっぱうれしいですね、知ってる人に久しぶりで会うのは。ミーハー気分でベシートいっぱい。
でもやっぱモラオで決まりでしょ。愛するモラオ。
いや、もう、昔から好きなの~。
演奏も。人柄も。
シギリージャの伴奏とか、もーほんといいですよね。
いやいや、昔、まだメルセがビセンテ・アミーゴ制作のアルバムでブレイクする前に
マドリードのサルスエラ劇場でひいたときなんて、ギターの前奏だけで泣けましたもん。
ほんといったいなんなんでしょう。あれは。
もう鳥肌なんてもんじゃなく、涙が落ちちゃうの。う~む。
ちなみに終演後それをパルメロのラファにいったらオレも泣いたといったので
私だけではないわけで。いや、音がね、すごいのね。
一個一個(でいいのか、音の勘定は)の音にすごーく感情がつまっているというのか。

でもってモラオ・モラオ。
2枚目のソロ・アルバムでございます。
たしか他社から再発売されてたと思うんだけど、このアルバムはオリジナル版。
メルクリオという会社から、ほかの、サンボ、モネオ、モレーナの一家アルバムシリーズとともに
発売されたんですね。ええっと、99年だ。あ、もう6年。。早いなあ。
たぶん、いわゆるギターのソロ・アルバムをほしいっていうなら1枚目の方がいいと思うんだけど
でもこっちもモラオらしくてよいです。

しょっぱなのタンゴはヘレスのラジオのフラメンコ番組のテーマ曲にもなってますね。
歌っているのはラ・ベンタ。昔ポップ系フラメンコ歌ってた人です。
「メ・ドゥエレ・コラソン・デ・ケレル・タント」ってたしか彼女の曲。
10曲中半分がブレリアですが、ギターソロでもノリやコンセプトがちがったりで
あきません。
歌もベンタだけじゃなく、マリア・バラとか、ルイス・エル・サンボとか、
ナバヒータとか、セビジャーナスのグループのマリスメーニョスとか
いろいろあるし。
とくにナバヒータとやってるブレリアとかのりがいいんで、つい口ずさんじゃったり。

でもやっぱシギリージャですね。。。。
ここではハバナでのライブが収録されてますが、これもよいです。
なお、このジャケットの写真、ちょっとこわいですね。
本物はもっとかっこいい?っす。





第24回 フェルナンダ・デ・ウトレーラ

2005-11-06 20:38:37 | カンテ
フェルナンダを聴かずしてフラメンコを語るなかれ
であると私は思うのであります。

ガデスでフラメンコと出会って、いったいこれはなんなんだ!?状態で
かたっぱしからレコード(CDじゃなかったのよ、まだ)買ってはきいていたのですが、
フェルナンダとベルナルダのレコード(日本ではウトレーラ姉妹っていってましたね。
こまどり姉妹みたい。。。)をきいたときは いや、ほんと震えがきましたね。
これっていったい!

もちろん歌詞なんかぜんぜんわかんない。
それどころかソレアとブレリアスの違いもわかんない、っていうくらいの初心者だったんですが
でも、なにかが伝わってくる。
言葉も知識もすべてを超えてつたわってくるなにかが、彼女の声に、歌にあった、
ということは今でも覚えています。
それだけの力が、フェルナンダにはあるんですね。
だから初心者にこそ、きいてもらいたい、かも。

これをきいてなにかを感じるか、感じないか、で
フラメンコに対する生まれながらの感覚がわかるかも。
生理的感覚?

もちろんフラメンコはフェルナンダがすべてではないし
フェルナンダでぞくっとこない人はフラメンコじゃないとはいいはしないけどね。
ある意味、フェルナンダってすごくわかりやすいかも、だし。
だって悲劇的な感じの声で、嘆き節のようにきこえるじゃん。
フェルナンダでフラメンコにはまって、
それ以外のフラメンコを受け付けないって人もいるかもだし
(こーゆーのはま、好きずきだけど、もったいない、って思うよ。
フラメンコっていっぱいあるからそれを沢山楽しんだ方がいいのにってね)

でもやっぱフェルナンダはきいてください。
究極のソレア。身を切られるような思いが声になったようなソレアはもちろん
血筋だね~のカンティーニャ・デ・ピニーニ、
ファンダンゴ。
ブレリア。
全て素晴らしいですから。

今は闘病中でもう舞台にはたっていないのが本当に残念。
せめてアルバムを聴いて、彼女のフラメンコにひたりませう。

あ、そうだ。イスパボックスからはこの写真にあげたのともう1枚ベスト盤でてるのですが、
もう1枚の方が収録曲が微妙に多かったような記憶が。
でもほとんど同じです。
マヌエラ・バルガス舞踊団での踊り伴唱もあったはずだよ。




第23回 マリア・ソレア

2005-11-05 05:18:44 | カンテ
「マリア・ソレアが亡くなったんだって」
昨日、ヘレスのともだちにかけた電話で知らされた。
…絶句

大好きな歌い手の一人。
87年12月、スペインに渡って間もない私がヘレスで行われたフェスティバルではじめて出会った
それまで名前もまったく聴いたことがなかった歌い手。
でも彼女の歌は私を感動させるにじゅうぶんだった。
ブレリアを歌い踊るそのグラシア。
いかにもヒターナといった雰囲気の、でっぷり太った
小山のようなおばちゃんなんだが、そのちょっとした仕草の愛らしさといったらない。
そしてそのシギリージャの深さ。
弟テレモート・デ・ヘレス(フェルナンド・テレモートの父)と同じあのビブラートが
心をふるわせる。

彼女の録音はそれほど多くない。
92年だったかな、セナドールというセビージャのレコード会社がソロ・アルバムを
録音してくれたのだが、残念ながらCDにはなっていない。
ニンバスというたしかイギリスの会社が録音したアルバムと、
モライートたちサンティアゴの仲間達の「カジョス・レアレス」くらいだ。
(ほかにヘレスの銀行のクリスマスアルバムがあったと思うが)

録音は少なかろうとも、一度でも彼女の歌を聴いた人ならば
その歌はいつまでも心に残っていくことだろう。



第22回 ケタマ「ケタマ」

2005-11-04 20:08:29 | そのほか
ケタマって解散しちゃったんですよね、去年だっけか?
なんかすごーいヒットもとばして一挙に知名度あがったのは
アルバム「デ・アキ・ア・ケタマ」(1995年)からですね。
ローラ・フローレスが亡くなってすぐに息子で歌手のアントニオ・フローレスが亡くなって
ちょうどそのアントニオが参加してたんで話題になったんじゃなかったかな。
でもそのまえの90年の「。。。イ・エス・ケ・メ・アン・カンビアド・ロス・ティエンポス」の「ロコ」とか、
ホセ・ソトが脱退した1枚目「エル・アルテ・デ・ロ・インビシブレ」(93年)の
「ベンゴ・デ・ボラチェーラ」とか、
その前の「ソンガイ」にはいってたんだっけかな、の「ベンテ・パ・マドリ」とか
それなりに流行ってはいたわけだけど、やっぱ、ブレイクは95年だろーなー。
そのあとのころのコンサートにいったんだけど
いや歌っている曲はそんなにかわんないのに客は多くてもりあがるし
なんだかな~、と思ったことをおもいだします。。。

で、そのデビュー盤が「ケタマ」であります。
もともとタブラオ、カナステーロスで踊りの伴奏ギターを弾いていた3人、
マヌエル・ソルデーラの4男ホセ・ソト、フアン・アビチュエラの長男フアン・カルモナ、
そして踊り手ホセーレの息子で、姉はそれぞれエンリケ・メルチョール、エンリケ・パントーハ、
ビセンテ・ソトと結婚しているという(職場結婚ですね)
フラメンコ一家出身の3人にフアンの弟アントニオが加わってできたんですね。
タブラオでの待ち時間とかにあーでもない、こーでもないといろいろ
自分たちの音楽をつくっていったのがこのアルバムになるんですね。

でたのは1985年。
大ヒット以降のケタマしか、つまりアントニオ・カルモナがボーカルをつとめていたケタマしか
知らない人だと、あれって思うかも。
ボーカルは主にホセ・ソト。たまにホセ・エレディア。
あ、このホセ・エレディア、父同様にホセーレとよばれたりもしますが、
後にライ・エレディアの名でソロ・アルバムをだし、その直後に急死しました。
(このライについてもまた書かねばだわね)
またヒットの原動力のひとつであろうと思われるサルサ/ラテン風味もほとんどなく
後期のものに比べるとめちゃフラメンコであるんですね。
でも、めちゃフラメンコ、とは今だからそうきこえるわけで
当時は、これはフラメンコなんかじゃない、っていうふうに思った人が多かったんですね。
音も後期のものにくらべるとめちゃ手作り風。
フアンの叔父ペペ・アビチュエラやヘレスの御大マヌエル・モラオ(モライートの伯父ね)が
参加してたりするし。
後にコンプリセスでヒットしたテオ・カルダルダがキーボードとかいれてる。

基本的にポップスの感覚が入ったフラメンコ、って感じでしょうか。
ホセ・ソトはフラメンコの歌い手としての声がなかったので
こういうフラメンコができたのかもしれませぬな。
カンシオン風、でもフラメンコ。

「メ・ジャマ」はフラメンコたちのあいだで大ヒットとなり、
今でも踊り伴唱等でよく歌われていますよね。
今ではスタンダードなかんじだけど、あの頃はすごく新鮮だったんです。
「ドーモ・アリガト」は日本から帰ってきたばかりのライがつくった曲だったそーだ。
ライはまもなく抜け、ペペ・アビチュエラの息子ホセミ・カルモナが入り、
やがてホセ・ソトが抜け、アビチュエラ家3人になったわけ。

彼らのヒット曲もきらいじゃないけど、
やっぱこのアルバムが一番好きでしっくりくる感じがします。
実は彼らと同世代なんで、そーゆーのもあるかもしれない。。。

あ、もう20年もたつんだものなあ。。。



第21回 サルマリーナ

2005-11-02 03:14:24 | カンテ
セビジャーナス好きですか?
いや、フラメンコ好きはあんまりセビジャーナスとかはききませんよね。
っていうか、セビジャーナスとフラメンコは別ものって感じがあるというか。
もちろん、カマロンなんかが歌っためちゃフラメンコなセビジャーナスだってあるんだけど
基本的にセビジャーナスは踊る歌、お祭りの歌で
専門の歌手やグループもいるし、フラメンコとは別物、っていうのが
ふつーのアフィシオナードの感覚ではなかろうかと。

そーなんだけど、でも、セビジャーナスでもすっごくいいのがありますよ。
ま、セビージャっこのともだちによると
セビジャーナスはパ・バイラーとパ・エスクチャー、つまり踊るためのときくためのがある、
ということで、これは、きく、方のなんだけど、もちろん踊れます。

サルマリーナ

この名前にぴんときたあなたはけっこうフラメンコおたくかも。
いや、彼らのアルバムには
ビセンテ・アミーゴ(バリオ・アルト)、
カニサーレス(カジェ本・デ・トラポ)
とか、凄腕ギタリストが参加してるし、
曲もマノロ・サンルーカルの弟でフラメンコ系ヒットメーカーの
イシドロ・ムニョスとホセ・ミゲル・エボラのものが多いんですね

ついでにいえばエル・ペレのアレグリアスの「ウエジャ・デ・ガビオタ」とか歌うやつ
あれももともとセビジャーナス(ん?どっちが早いかは未確認)

2004年のビエナルにも出演してたし、92年のビエナルにもでてたよ。
サンルーカル出身の3人組(今は一人抜けたらしい)ですが、

ま、やっぱ曲がよいしねえ。きかせてくれます。

第20回 エン・ウン・ラティート!

2005-11-01 01:54:54 | カンテ
フラメンコたちのフィエスタ!というと多くの日本のファンにとっては見果てぬ夢なのかも。
その夢をちょこっと味あわさせてくれるのがこのアルバム。
発表が98年。
ちょっと前ですが、うん、この録音行われたときのこと、なんとなく覚えてるよ。
私もマドリにいたのですが、カルダモモかなんか、そのへんにいて
そこでサラから電話がかかってきて、今日やってるらしいんだけど、行く?ってきかれた。
わたしは招待されてもいないし、行かないと断ったんですが、
惜しいことしたかな?
考えてみればいる連中はみんな知ってる子たちだったし、でも、ま、
よばれてないとこにいって嫌な顔されるのもなあ、と思ったので。
フィエスタは居心地の良さあってこそだし。
うーん、でもサラは結局行ったようだし(クレジットにあるし)
一緒に行けばよかったのかなあ。

そう、このアルバムって、マドリードのフラメンコたちのたまりば、
カンデーラで録音されたんですね。
最近ずいぶんいってないけど、今はどーなんだろう。
あたしがさかんに顔だしてた頃は
グリロやボリータが近所に住んでて毎日のようにきてたし、
アンダルシアの連中はほかの場所知らないから公演後はたいていみなここにきてたし
ふらりと行けばいつも誰かしら知り合いがいて、
飲んだりしゃべったりでそれなりに楽しく過ごしたのでした。

私が知っているのは90年代だけど、その前、80年代はそれこそ
ヘラルドやリケーニなど今をときめくギタリストたちが腕を競いあったりとか
いろいろあったそーです。
カマロンやモレンテもよくきたそーだ。
(90年代でもモレンテには何度か会ったが。パコやビセンテとのんだこともあるよん)
ふだんはおしゃべりだけなんだけど、たま~に、フィエスタがあったり、フィエスタになったり
(このふたつは微妙に違う。。。)
いろいろいい目みさせていただきました。
今は、もうほんとずーっといってないけど、
セビージャのカルボネリアもそーだけど、
フラメンコというよりもフラメンコぶりのにーちゃんたちとツーリストとかでいっぱいという噂。
ほんとかな?

このアルバムはそのフィエスタの雰囲気をそのまま、っていうコンセプトみたいで
だから歌も、きっちりつくられた一曲を歌う、それぞれのソロ・アルバムとは違って
もっと“生”です。きのままつーか。
レトラも好き勝手に好きなの歌うから、自分が録音してる新しいものも歌うかもだけど
古い,昔ながらのポピュラーなのをみんな自然に歌っていますね。

自分たちで楽しんでいる、という感じがあってそれがこっちにも楽しい、
歌だけでなく、まわりのオレ!などの声がまたよいですね。
レメディオスとか。
ちなみに彼女のタンゴよいですね~。初期のアルバムでももう一曲好きなのあるけど
ほんと彼女のタンゴは深くてよいわ。

ちなみにこれハビエル・リモンのプロデューサーとしての初期のものですね。
そーいや彼と最初に会ったのもカンデーラだったなあ。
ペペ・デ・ルシアとつるんでいたよーな。。。