ブックオフで上下で896円
シブミで語られた、暗殺者ヘル誕生の第一章だ、戦後GHQ時代-巣鴨の刑務所から出獄したところから物語は始まった。中華人民共和国誕生の頃の混迷のアジア。
シブミを読んでからでも、最初にこれを読んでも、どちらでも楽しめる。シブミとは別の作家が、そこを意識して書いたからこその仕上がりだ。
シブミで駆け足で語られた時間と出来事と、関係者がパズルのピースのようにつながり〰、30年後に書かれた作品だが良くできた物語だ。
テンポ良く一気読みだ。翻訳者は学生時代にシブミのファンだったようだ、若い時の感動は仕事以上の情熱を与えただろう、かなり意識したな〰て言うレベルではない。
京劇の観賞の歳に暗殺をする〰、ミッションインポッシブルのウイーンオペラ座のシーンを思い出した。
下巻は、サイゴンが舞台だ。2年前の1月にマジェスティクホテルに泊まった。あのほのぼのとした気候を思い出しながら、ニッコと街を散歩する〰、僕もカフェでタイガービールをずいぶん飲んだな。いい気持ちで読めました。
しかし、最後の30ページは、テンポが変わり、ドタバタこれってどうなんだろ、と感じた。
今度は、デックフランシュスの大穴の主人公が再び続活躍する、「利腕」を読もうかな。