今回で、重要な人物が物語から消える------そういう必然があった・・・とういう新聞記事もあり、
単行本 1600円+税 高いな・・と思いつつ、買ってしまいました。
新宿の街とやくざと不良外人だけでは、さすがに物語の幅が広がらない。
得意の「麻薬」なら「欧亜純白」の方がスケールも大きく、面白いだろう。
「義経になった男」の次に 司馬遼太郎の「空海の風景」、 ボーンコレクター・シリーズの「ウオッチメーカー」と読んで、「新宿鮫」を読みました。
鮫島のイメージは、昔NHKでドラマ化した時の、舘 ひろし の 印象が残っているのだが、
最近の舘といえば、禁煙(病院--健康保険で禁煙する・・・)のCM「・・・かつては、煙草を吸う男がかっこいい時代もありました・・・」、 損保(安心を担保)のCMもコメディータッチで。いまや舘自身は、やくざや不良中国人達と孤独な戦いをする男のイメージではない
--- それはいいのだが・・。
本を読んでいると、どうも舘のイメージが被ってきて・・・
鮫島まで自分の健康に気をつけるようになった・・・、鮫も歳とった・・・なんて、 しかし、さすがに小説の中では、禁煙はしていなかった。
だが、今回の物語の全体を覆うのは、少し以前の鮫島とは違う物の考え方や行動様式に(いわば経年変化です・・・) 鮫島自身が戸惑う・・・・、その心理描写が今までとは違う。
矢沢永吉と同じように、ファン・読者とともに大沢在昌も鮫島も歳をとりながら、
一方で時代・経年とは関係なく、そのままには変わらない・変わってほしくない、
そんな両面が同居するような感じかな。
のびたやしんちゃんは歳をとらないが、鮫島は歳をとる。そういえば、刑事定年というテレビドラマがあった。 あれは柴田恭平か。