京都・㐂むら(きむら)呉服店公式blog〜受け継ぐ着物

創業87年。2013年に家業を継ぐため異業種から転身。2021年に主人も加わりました。お得な商品の紹介や日常を綴ります。

小さなお店が新聞広告を続けるワケ

2017-04-04 14:23:41 | ちょっといい話し
最近話題のてるみくらぶ
旅行中に旅行代理店が倒産してしまうと
自力で帰国しないといけないという事態になってしまう事に
衝撃を受けました

海外旅行好きな父はとても経験豊富ですが
さすがにそれは想定したことがなかったようです

言葉の通じない地域でのトラブルは
本当に怖いですよねー

さて、そのてるみくらぶですが
倒産理由として新聞広告掲載による経費圧迫を挙げていました

当店も地方紙ですが新聞広告を掲載しています
それを28年間途絶えることなく続けています

なぜこんな小さな店が新聞広告を出し続けることができるのか?

これは新聞広告をはじめた頃1989年の記事です

当時は結納品がよく売れていて
全5段で大きい広告を載せていました

しかし今はその1/6のスペース
内容も初着や帯、寸法直しなど季節に合わせて様々です

これは父の持論ですが、

大きい会社が新聞広告を出しているのに
小さい会社がそれをせずにどうして勝てようか

広報費などお客様へ貢献する費用は節約してはいけない
それを節約する方法を考えるなら
それを稼ぐ方法を考える


高度経済成長期を支えてきた世代特有でしょうか?
バブル崩壊後の低迷期に大人になった私の世代は
節約節約だったので目からウロコでした

その考えを元に、決して無理をせず身の丈に合った形で続けていく
たとえ形が変わろうとも「続ける」という事にこだわってきました

昨今SNSやインスタなど無料で宣伝できる媒体はたくさんあります
経費をかけてまで宣伝する必要なんてあるのか?
なんていう方もいるでしょう

しかし、偽サイトや嘘ニュースなど
ネット社会では信用ならない情報が平気で流れてきます
誰だか知らない人の口コミが評価基準になっていたりします

本当に信じていいの?

無料で手に入る情報に対して懐疑的な方も多いのではないでしょうか

だからといって有料の広告がすべて信用できるかと言えば
そうではありません

現に前述したてるみくらぶのように
倒産寸前の会社も掲載したりしています

問題は有料、無料ではなく
積み重ね
なのです

こんな小さなお店が何かを継続する事は
たやすい事ではありません

しかしネームバリューも莫大な資金もないお店が
信用を得るためにできる唯一の手段が
積み重ねることなのです

そしてそれを
色々な媒体で発信していく

おかげさまで毎月新しいお客様が来てくださいます
新聞広告を見たり
インターネットを見たり
お友達からご紹介いただいたり
年齢層も様々です

何が実売につながっているかは
直近の数字だけで判断するのは難しいですが
続けることができた結果がそうだと思っています

そしてお客様も複数の媒体で確認することで
安心してご来店いただいているのだと思います

広報の手段は何でもよいと思います
ただ続けることが信用を得るための確実で無駄のない方法だと思います

何やら偉そうなことをツラツラと書いてしまいましたが
つまり、
喜むら呉服店では新聞広告が経費を圧迫するような事態にはなっていませんし、
見ている人はわずかだとは知りつつぼちぼちブログも継続していきながら、
今後も積み重ねて参りますので何卒よろしくお願いいたします

喜むら呉服店

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