ああすれば病に気をつけなさい
戦争と呼ばれるほどに熾烈な就職競争。私は、その狭い門を抜けて来いという会社に、合格しました。就職し何ヶ月かは、ただ仕事ができるという事実に感謝しました。ですが、ただいいと思っていた職場生活に危機が訪れました。私の青春が息苦しい事務室に閉じ込められてきる気分というか。それこそ取るに足らなく退屈でした。
「元々の私の夢は乗務員だったのに、あーぁ。」
空を飛ぶ航空会社乗務員が夢でしたが、机にしがみついて釘付けの会社員として生きている自分が、限りなくみすぼらし感じる時、ふと思い浮かぶのは、高3の卒業式の日、担任の先生が言った訓辞でした。
「私は、皆さんが生きていきながら、ああすれば病にかからないことを願います。」
その時、学生たちは聞きなれない病名にざわつきました。
「ああすれば病というのは聞いたことがないでしょ。この病気がどんな病気かというと「あの時、あれをすれば、、、」と後悔する病気です。私の生徒たちは、この病気に絶対にかからないで、いつもさっぱりとしていることを願います。現在、最善を尽くしてしたいことがあったら、熱意を持って挑戦してみろということです。皆さん、そうできるでしょ。」
やりもしないで、後になって後悔することがないように、夢のために挑戦しろと言った先生、、、」
「そうだわ、一度やってみないと。ああすれば病にかからないと先生に約束したじゃないの。」
まだ遅くはないという思いで応募した航空会社の試験。その果敢な挑戦は失敗で終わったけれど、代わりに私は自信感をもらいました。どんなことがあってもああすれば病にかからないという固い意思と確信も生まれました。前よりも、もっと多くのことに冒険して、挑戦を繰り返して私の人生はだんだん道を見つけて行きました。
時々、地方の放送局のラジオレポーターとして出演もして、大学院に通って学識も広め、、、、。最近は、新しい夢のために勉強に没頭しています。将来、童話作家になるための意味深い一歩ということでしょう。
誰も、夢見るすべてのことを持つことはできません。ですが、重要なのは切実に望む何かのために、一度でも最善を尽くしたかということです。生きながら後悔しないために、、、
ああすれば病に勝って挑戦の熱病に罹り始めたこの頃、私自身との戦いで築かれる本当の人生の勝利を味わっています。