10年続いてきた100ウォンの力
毎日100ウォンを貯めて“隣人の愛”を実践している人々がいます。520余名の会員で構成される100ウォン会の会員達。100ウォン会は、公務員出身のキムヒマン氏が結成した奉仕団体です。金融危機寒波で崩れていく家庭の主が日に日に増えていった10年前。彼は胸がひりひりする新聞記事に接しました。休暇で帰って来た軍人の息子に食べさせようと、牛肉を万引きした母親の話でした。そのように崖っぷちに追い込まれた隣人たちのために、何か力になりたいと思いました。それで、助ける方法を考えていた時、引き出しの中に眠っていた小銭から奇抜な考えを得ました。
「どんなに苦しくても、誰でも100ウォンはあるだろう。1日に100ウォンだけ集めても苦しい隣人には大きな力になるはずだ。」
彼は、そんな自分の考えを生活情報紙に載せました。反応は早く現れました。地域も性別も年も違うけれど、多くの人々が熱く答えました。会員10名ではじめた100ウォン会は参加者が2倍3倍に増えて、翌年には光洲で創立式も行いました。100ウォン会の声のない寄付はチャリンチャリン、愛の小銭の音として世の中に広がり始めました。初めから貯金箱のまま差し出す人、毎日一定の額を通帳から自動的に引き落とす人まで、、、。必ずいくら出さなければならないと言う原則はありません。小さな真心だけあれば希望の灯火を点すことができると信じているからです。そんな心が集まって集めた10年後からは、年間寄付額が1000万ウォンを超えました。この10年間100ウォン会で奨学金を受けた学生は700名です。暮らしが苦しい隣人に生活費を支援して、疎外されたお年寄りには記念の写真を作ってやりました。100ウォン会の会員も相当数が助けの必要な力のない庶民達です。排紙を売ってやっと生活しているおばあさん、暮らし向きが苦しい両親からやっとお小遣いをもらっている学生、亡くなったおじいさんの意志を引き継いで一生懸命活動している障害者の少女、、、。会長キムヒマン氏は退職した後、トラックの運転手に変身しました。捨てられた缶を集めて100ウォン会の足しにするためです。
明らかに100ウォンは誰かを助けるには小さなお金です。ですが、100ウォン会が盛んになっていくことができる理由は、一人では弱いけれども2人は強いという信念が醸し出した結実です。1,2回の大きな寄付よりも、絶える事ない誠意がより大きな力だという100ウォン会の人たち、、、、。ポケットから転がる100ウォンが、机の引き出しに置かれたままの100ウォンが、それぞれの手から回って回って干からびた世の中を変えて、人々の心まで動かすのです。
幸福な世界 9はこれで終了です
これから製本しなきゃ