新しい接近を通した自分だけの意味
「博士、今年の経営モットーを何にしたらいいですか。」
年頭ごとに企業のGEOが訪ねてきて聞く。その時ごとに私は「新しい接近」と答える。組織の目標は成果を出すことだ。成果を出すためには新しい出会いが必要だ。新しい接近をしようとすると、危機意識を持って緊張感と不安を持たなければならない。現在を変えなければマンネリズムに陥る。マンネリズムに陥ると足踏みを繰り返し成長がない。新鮮な目で状況を認識して解析しなければならない。新しい接近をしようとしたら4つの変化が必要だ。
一つ目として「フレーム」を変えなければならない。新しい接近でのフレームとは一言で「新しい種をまけ」だ。新しい種をまいてこそ、新しい芽が出て新しい果実を期待することができる。やってきたことだけ繰り返しては、大きな成果を得ることはできない。新しい種は、新しい顧客、新しい市場、新製品などだ。新しい顧客を確保するため、新しい市場を開拓するため、新製品をつくるため、総力を打ち出さなければならない。個人も同じで、毎日リスが回転車を回すように同じ生活をしていでは、大きな成果を出すことはできない。苗床を変えるように新しい苗床を準備し新しい接近をしなければならない。
コンピューターの会社であったアップルが「アイパット」と言う新しい種をまいた。そして成功した。アップルとサムソン電子がスマートフォンと言う新しい種をまいた。そして成功した。パクチャンホが野球解説委員として新しい種をまいた。こうやって苗床を新しく組むことを、フレームを新しく組むという。私は職場生活を基盤として企業の理事、大学の教授、小さな企業のCEO、そして青年のための相談者として新しいフレームを組んでいる。
2つ目として「ロードマップをもう一度描きなさい」である。企業のすべてのことはプロセスで動く。プロセスをどのように設定するかによって成果が違ってくる。成果を出そうとするならば、プロセスを設定するロードマップをもう一度描かなければならない。成果が出ない理由は、やってきた方式どおりで既存のプロセスだけに固執するからだ。一日だけでも新しい技術が無尽蔵に出てくる現代に、新しい技術と方式でロードマップを再構築しなければならない。
ある日、若い職場人があたふたと研究室へ諮問を求めてやってきた。一生懸命やっているけれど、どうしても成果が出ないと言った。この間、会社で学んだとおりに、先輩達が教えてくれた通りに、やったけれど、成果が出ない理由を知りたいと言うことだ。彼に言った。
「成果が出なかったらプロセスを変えなさい。」
プロセスを省いて、増やして、なくして、追加することが、革新であり成果の創出の近道である。ただ勉強だけを一生懸命したと成績が上がるものではない。1日に12時間以上机に向かって一生懸命本を読んでも成績が上がらなかったら、プロセスに問題があるのだ。既存の本ばかり見ていた方式を変えたらどうだろうか。本を読むのに大半の時間を使ったならば残りの半分は問題を解くなり、同僚と勉強内容を確認する時間を持つなり、プロセスを変えなければならない。
3つ目は「関係を新しくしなさい」だ。成果は疎通を通して創出される。IBMがコンピューターのハードウェアを開発して作ったが、最もお金を稼いだ会社は、これに連結してくれたマイクロソフト社だった。マイクロソフトはIBMと接触するようになったので国際的企業に生まれ変わった。関係は時には思った以上に成功を持ってきてくれる鍵になると言う。勿論、疎通されシナジーを出す関係である場合の話だ。私はこれを「運接しなさい」と力説する。運がいい人と会って接触しなさいと言うことだ。もう一度言うならば自分と相性の一番いいパートナーと仕事をしてこそ成果がついてくると言う意味だ。いい関係がいい運に連結される。「類類相従」と言って、同じ分類の人たち同士、親しくなる。不平を言う人とずっといると不平が多くなり、肯定のエナジーを発散する人と一緒にいると肯定のエナジーをもらうことになる。運がいいと言うことは何か。期待したことより、努力したことよりもっと多い成就をもらうと言うことだ。しかし、妙なことに新しい人に会って互いに力を合わせた時、運が近づいてくる場合が多い。隣人を肯定的に理解して信じてやり信頼する時、周辺の人たちと共に運も作用する。隣人を理解しようとすると自分が少し損害を受けなければならず、当然つらい時間もあるだろう。しかし、そのようにつらい事は、むしろよくやっていると言うことだ。
最後には「根本的な変化をしようとしなさい」だ。すなわち価値を探すと言うことだ。今は、製品を売らず価値を売らなければならない。個人も同じだ。仕事をしないで自分に唯一の価値が付加された召命を遂行しなければならない。バラという花に「愛」と言う意味が無かったならば、人はバラに高い価値を与えることは無かっただろう。ブランドはそれが持っている「価値」のせいで高い価格でもすごいスピードで売れる。価値があれば、人は、もっと多くの対価を払ってもそれを所有しようとする。ルィビトンやシャネルは皮のバッグ以上の意味を投げかける。パクジゾンは私たちにサッカーの選手以上の、勤勉さ、最高の献身、熱情的プロと言う意味を投げてくれる。
組織は私たちに最高の専門家になることを期待する。組織生活をする時、戦略の核心は新しい接近で自分だけの才能を育てるところにある。あなただけの意味を作りなさい。仕事にもあなただけの意味を付加し、人生にもあなただけの意味を付加しなさい。どんなことでも価値を見つけた後、仕事をしてこそマンネリズムに陥ることを防ぐことができ、効率的に成果をあげることができる。あなたが今つらいならば何のせいでつらいのか。ただ、一日、一日与えられた仕事のためにつらいならば、意味を作るところに力を使うように努力しなければならない。意味のあること、価値のあることだと思う時、私達の脳と霊魂は全力を投球する。努力したとおりに自分が描かれ、作られるからだ。
多くの人が自分自身は新しい接近をしないでいながら、よい成果だけを期待する。そんな確立はとても低い。前に述べた、4つの中でどんなことでも一つだけは新たに接近してこそ、良い結果を手に入れることができる。同じようにがんばったとしても新しい接近をしようとがんばらなければならない。過去を固守しようとがんばっているならば、それは愚かなことだ。世の中を変える偉大なものは新しい接近、発展的な苦しみから起こった。新しい接近は自分が得意なことではじめることが重要だ。
私は講演を通して、自分が一番得意なことにオールインして、それを唯一の価値にしなさいと強調する。掃除が得意な人は掃除をする仕事に、歌の得意な人は歌う仕事で、本人が持っている最高の長点を生かして全力をつくせばいい。どんなにちっぽけなタレントでもいい戦略があれば成功することができる。自分のすることが最高だと信じて出て行かなければならない。皆さんは何が一番得意ですか。固有の才能を探して一番適合する戦略を立てなさい。最後まで信じて出ていったならば成功できる。この時も「新しい接近」を力として努力してこそ、良くやっているということだ。