二人の差
同じ学校を卒業し、成績も同じ二人の青年が、同じ会社の面接を受けました。どこを見ても優劣をつけがたい二人の青年。ですが、一人は合格し一人は落ちてしまいました。その夜、不合格の青年が酒によって合格した青年を訪ねていきました。不合格の青年は憤った心を鎮めることができず、自分の悔しい胸のうちを吐き出しました。
「君と僕の違う点がどこにあるというのだ。一体、なぜ君が合格で僕が落ちたんだ。僕が君よりも不足している点が、いったい何だというんだ。」
合格した青年が、憤慨している青年に、面接官がした質問をもう一度、訊きました。
「君は、同僚が無能力で他の同僚の嘲笑を買ったとしたら、君も嘲笑しますか。」
彼は自信を持って答えました。
「みんなが、そう思っているのだから、、、。」
「私は『みんなが、そうだとしても』と答えたよ。」
続いて、合格した青年が、もう一度、訊きました。
「君は会社が困難に面した時、会社のために仕事をしますか、それとも出て行きますか。」
彼は、面接官の前で答えたように答えました。
「私一人ぐらい、、、、。」
合格した青年が答えました。
「私は『私、一人だけは』と答えたよ、、、。」
そして、青年はもう一度、訊きました。
「君は会社が危機に陥って、誰かが犠牲にならなければならないとしたら、どのような決定を出しますか。」
彼の声が気後れして段々小さくなりました。
「その、、、みなさんが、するとおりに、、、」
「私は『他の人がやらなくても、私は、、、』と答えたよ。どうかな。君が落ちて僕が受かった理由がやっとわかったかい。」
不合格の青年は、それ以上言葉が出ず、静かに家に帰りました。
『みんなが、そうだから』という惰性のにじんだ行動を振り捨てて、一人粘り強く進取的に仕事にしがみつく努力、『私、一人ぐらい』という安易な考えの代わりに、率先して行う覇気、『みなさんが、するとおりに』という消極的な態度を捨てて、能動的に仕事を主導する姿勢、会社が望む有能な職場人は、そんな挑戦精神と創意力を持って考える若者だったのでした。









