染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

空師~そらし

2007年01月06日 | 店主の一日
昨日、テレビを見ていたら「空師」なる仕事に就く人を紹介していました。
大木の伐採などを生業としていました。
樹齢数百年とか、直径3mを越えるような欅を切っていました。
きはだやの裏にも大きな欅があり結構自慢ですが、とても及びません。
秋の落ち葉掃きがとにかく大変で、今年久しぶりに枝下しをしました。すっかり丸坊主になりました。
秋の大仕事が減って少し物足りない感じさえある程でした。でも二三年でまた、青々と茂るのだそうです。

僕は木を伐るのが好きではありません。木は環境の象徴の様に思え、木を切る事によって景色も環境も大きく変わってしまいます。特に大きな木を伐るのはとてもしのびなく、気の毒に思うのです。

空師は言いました。「木は、先祖が自分の子や孫がいつか使うために植えたものがたくさんあります。僕は木を一番いい状態で伐るのです。」「木にとって長く生きるのが幸せではないと思います。元々は広い原だったかもしれませんが、アパートができ道路ができ、木の周囲をコンクリートで固められてしまい、根がいじめられてしまっている木を見ます。外から見ると普通の木なのですが、根からばい菌が入ってしまい、幹が僅かな厚みを残して空洞になっている木もあります。そんな木を見るとこんな皮一枚で立っていて辛かっただろうって気の毒になるのです。」「何年かおきに植えていったらいいですよ。そうしたら、伐ってもまた次の木が育ちます。」

私の祖母は木を植えるのが好きな人でした。たんすに、家に、柱に、果実にといろんな木を植えました。
実用の木を愛する人でした。
日本は「木の国」であるとも言われます。
今は国内の木はコストが高く、手をかけてもなかなか仕事にならないようです。
一世代の間に文化は大きく変わりつつあります。
コメント
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