南アの学校で子どもたちと話していると、
よく家族の話になります。
「私の家には、お母さんと弟と妹が二人とおばあちゃんがいます」とか
「私のお母さんは、○○で働いています」とか、
「私のお兄ちゃんは、○○高校で勉強しています。」とか。
そこで、よく聞くと、登場しない人物が一人。
それは、お父さん。
たしかに日本で学級担任をしていたときも、
子どもからお父さんの話を聞くことはあまりありませんでしたが、
南アの場合は、少し理由が違うようです。
というのは、
私の個人的な感覚ではありますが、
私の任地内の子どもの半分弱がお父さんと同居していません。
(もしかするともっといるかも‥)
どうしてか。
まず、子どもができてから
諸事情により結婚できず未婚の母である方(いわゆるシングルマザー)が
かなりいます。
これは、経済力のない未成年者の妊娠率が高い、
南アの問題とも言えますが。
(この問題は、後日特集します。おそらく‥忘れたら、リマインドください。)
それに負けないくらい多いのが、次のような人です。
それが今日のタイトルにも書いた
「父がジョバーグにいる」ケース。
私の任地は、田舎であるため、充分な仕事がありません。
(もちろん国境沿いで移民が多いのも一因ですが。)
そこで、多くの父親が、
私の任地から約400km離れた大都市のジョバーグ(ヨハネスブルグ)に
出稼ぎに出ています。
先日、とある家族から家に招待されまして、
そこで、いろいろと話を聞いていたら、
仕事がない地方の現実からジョバーグに出てくる若者が後を絶たないため、
ジョバーグにもそれほど仕事がない状態になっているとのことでした。
かつての日本も都会(東京)に行けば、仕事があるという風潮があったように、
(いまでも残っている気もしますが‥)
南アでも同じような現象が起こっているようです。
低賃金であっても、仕事があるだけましという
失業率22.9%(2008年)という南アの労働社会の厳しい現実を見た気がしました。
子どもたちから「父がジョバーグにいます」と聞くたびに、
「お父さんは、一生懸命働いているんだね、感謝しなきゃね」
と言い聞かせたくなる毎日です。