DrKの株日記

現役医師が仕事の合間をぬって株と格闘するブログ

どうして放射能汚染の指標はヨウ素とセシウムなんだ?

2011年09月16日 | Weblog
今回の原発事故を振り返って不思議に思ってることがある。
まだちょっとまとめきれてないので
さわりだけ書いておく。

核兵器自爆!やはり大量のプルトニウム等が大気中に放出か? - 反原発専門家の見解と整合 (先住民族末裔の反乱) 
「つまりセシウムやヨウ素汚染はこれら有害物質の大量放出を隠蔽するためのダミー報道にすぎないのではないかと推理を以前にも述べたが、これを裏付ける報道が週刊SPAよりなされた。その内容とは、匿名で飯舘村の青年と思しき人物からメールがありその中で次のように述べており、
「放射線測定を専門とする大学研究者に直接聞いたのですが、プルトニウムが核変する前のネプツニウムという核種が、少なくとも飯舘村や伊達市まで大量に飛んでいたそうです。今のγ線メインの測定方法ではどんなに頑張ってもセシウムしか検出できないため、本来の危険性が見逃されてしまう。α線核種を無視した今のやり方を続けていたら、飯舘村はまた“見殺し”にされかねない……」
実はそれ以前に同誌に、環境解析化学を専攻する学者が地元での講演で、
「ネプツニウム239とは、2~3日でプルトニウム239にβ崩壊(核変)する核種のことで、つまり、これが大量に見つかったということは、かなりの確率で飯舘村において取り返しのつかないほど深刻な汚染が進んでいるという意味にほかならない。しかも、このネプツニウムは飯舘村に何千ベクレル/Kgという量で存在するという……。」
旨の意見を主張したという。」

プルトニウム 「大量放出」の事実

「水素爆発を起こした3号機の燃料のうち 3分の1程がMOX燃料だったということでしたので、これが上空高くまで舞い上がり、遠くハワイやアメリカ西海岸でもプルトニウム放射性粒子(ホットパーティクル)が観測されたわけです。
ガンダーセン氏は、4月にシアトルの人達は1日当たり5個のホットパーティクルを吸い込んでいたと言い、
その時期に東京の人達は1日当たり10個のホットパーティクルを吸い込んでいたと言っています。
これは、東京を走っていた車のフィルターを分析した結果から導き出した数値です。」


そもそもどうしてヨウ素とセシウムなんだろう?
プルトニウムは隠蔽されてるの?
このあまりにも素朴な疑問が今回のレポートの出発点。

今回のレポートの大まかな出典は
2006年IAEAの資料
原文
日本語訳抜粋→放射性核種放出と沈降
そのまたまとめ→チェルノブイリ事故による環境の放射性汚染 原子力システム研究懇話会

1.放射性核種の放出と沈着

1986年4月26日(20年前)にチェルノブイリ原子力発電所で放射性物質を大量に放出するという深刻な事故が起きた。この事故では10日間に亘り破損燃料の高温状態が続き、このために大量の放射性物質が放出された。そして放射性希ガス、エアロゾル、燃料粒子の形状で放出された。放出放射能の総量は14EBqであった(注:1EBq=1018Bq(ベクレル))。主な放出放射能の内訳を第1表に示す。
放出された放射性物質の浮遊距離は粒子サイズによって異なる。粒子サイズとしては大別して
   ①粉砕された燃料粒子
   ②蒸発後凝縮したサブミクロンサイズの微粒子
   ③放射性希ガス
に分けられる。
 ①の粉砕された燃料粒子は10μ以上のサイズで密度は8~10g cm-3と高いので、距離と共に落下量は著しく減少する。そして90Srの90%および熔解しがたいPu、Amなどはこの燃料粒子中にある。このような粒子は最大数10kmまで到達するが、大部分は敷地内に落下しており、敷地外に放出された量はわずか1.5%の程度である。

 ②、③のサブミクロンサイズの微粒子(凝縮粒子)の放射性物質および放射性希ガスは風によって北欧などの遠方にまで流され、雨とともに地上にフォールアウトとして落下した。その結果137Csの汚染で37kBq m-2(1Ci km-2)以上の汚染区域は200,000km2を越えている。第1図にチェルノブイリ原子力発電所より約300kmの137Csの汚染分布を示す。

 放射性汚染による被ばくの経路は次の通りに分けられる。
 (1)放射性雲の通過による外部ばく
    (特に風下の発電所近傍の住民)
 (2)フォールアウトによる外部被ばく
 (3)放射性雲の吸入による内部被ばく
 (4)フォールアウトによる内部被ばく
    (汚染食品、汚染水の消費による)

フォールアウトによる被ばくは、事故後2ヶ月程度は放射性ヨウ素の影響が大きかった。しかしその後は134Csおよび137Csが重要核種であった。この数十年は137Cs、ついで90Srが重要な核種となる。100年~1,000年後はPu同位体および241Amのみが重要な核種になると考えられている。このような推移は物理的半減期によるものである。
(引用終わり)

よくプルトニウムは重いから遠くまで飛ばないとかは
大体、原子量とか普通に考えて関係ないっしょw
最初に間違っていることがわかる。
IAEAのレポートなので少し過小評価されていることを頭の片隅に置きつつも
過去の事象の復習としては確認しておく必要があるだろう。

単純に書くと(本当に単純だなw)
①プルトニウム、ストロンチウムは燃料粒子として、大きくて高密度の粒子として放出されるので原子炉の近くに落下する。
②ヨウ素。セシウムは微粒子(凝縮粒子)として遠くまで飛ばされて雨とともに地上にフォールアウトとして落下する。

つまり、
①避難区域である20km圏内というのは、より毒性の高いプルトニウムやストロンチウムが降り注ぎますが住民は当然避難しちゃってるから問題ないよね?
②それより遠くの住民(首都圏)は雨と一緒に降り注ぐヨウ素やセシウムが被害をもたらすから気を付けようね!

そういう意味なのだ。
だから、飯舘村でプルトニウムが降り注いでたって当然といえば当然なのだ。
原子炉からの距離によって降下する放射性物質の核種が異なるんだ。

避難区域の人は空気中の放射性物質を(モチロン雨も)
首都圏の人は雨中の放射性物質を注意しなければいけなかったんだ。

そして、プルトニウムが今回の事故でどこまで飛ばされるかはわからないので
プルトニウムをモニタリングし燃料粒子が実際にどこまで飛ばされているかを確かめる必要があったのだ。
もしかしたら首都圏まで飛んでるかもしれないし飛んでないかもしれない…
(これを測定しないということは隠蔽なのかもしれない)

昨日の記事にも書いたが3月21日の雨こそ首都圏にセシウムを降り注いだ犯人だ。
この日に外出して雨に打たれた人いませんか?
大丈夫ですか?

ああ、なんかいっぱい書いちゃった。
明日に続く…のかなぁ?