ネッカー川沿いのハイルブロンからほぼ真西に、直線距離で15㎞離れた所にナイッペルク城塞はあります。
葡萄畑
このお城は牧歌的なワイン用の葡萄畑が広がる地域を通る古城街道にあるお城のひとつで、12世紀に建造された山城なのです。
城塞の遠景 1 & 2
城塞の全景
遠くから見ると堅牢な2本の城塔が印象的です。ロマネスク様式で建てられた古い方の塔は8x9メートルの太さで、高さ20メートル。壁の厚さは2,5メートルです。13世紀の前半に造られた方は、太さ10x10メートル、高さ26メートル、壁の厚さ2メートルです。この2本の城塔が共通の環状囲壁に囲まれていることから、異なる時代に建てられた二つの城塞がひとつに統一されたのでは、、、、と推測されているそうです。
このブドウ園を含む城塞施設は何度もその所有者を替えた後、19世紀の前半には誰も住まなくなり、老朽化し荒廃していきました。その数十年後にこの地方の某伯爵が城塞施設を農場に改造すべく、農作業用の建物とテナントが住むアパートが建てられ、現在でも大農園として賃貸しされています。
私たちは山の麓に駐車して、ワイン農園の中の道を城塞まで歩いて行きました。
城塞への裏道 1 & 2
城塞への表道 1 & 2
乗用車が数台停まっていますが、ひと気はまったくありません。たぶん何人かブドウ畑に仕事に来ているのでしょう。実は城塞でワインを販売していれば購入しようと思っていましたが、販売や飲食の場所が見当たりません。かつての城塞は遺跡であり、ただ農舎として使われているだけのようです。ただ、ひとつの建物の扉に張り紙があり、ここで出来たワインの販売店が近くの町にあることが分かりましたが、わざわざ行くだけの情熱はありませんでした。
城塞の内部 1 & 2
城塞の内部 3 & 4
ワイン販売を示す張り紙
ところで、現在のヴュルテムべルク地方の谷間でブドウ栽培が始まったのは8世紀の中頃ですが、12世紀から13世紀にかけてその栽培場所が谷間を離れ、山の南斜面の開墾地に移って来ました。その開墾地のひとつがナイッペルク城塞周辺の土地なのです。
ナイッペルク町の入り口の看板
ブドウ栽培地が谷間から太陽熱の強い山の南斜面に移ってきた理由は、気候変動による春の谷間の寒気です。余談ですが、17世紀前半の30年戦争の後、栽培方法と収穫作業において赤ワインと白ワインの区別をしっかりとするようになったそうです。
さて、ナイッペルク城塞とは全く関係のない、自宅で作った料理の紹介です。
鶏胸肉のハム 1 & 2
鶏胸肉のハムを作るには、まず鶏の胸肉にフォークで穴をあけて砂糖、塩を少しずつもみ込みます。その後チャック付きフリーザーバッグの中でオリーブ油、塩麹、黒コショウ、およびニンニクと混ぜて一日置きます。それをそのまま低温料理で、すなわち70℃で30分オーブンで熱を加えてハムに仕立てるのです。わさび、柚子胡椒、または西洋辛子をつけて食べます。
マグロステーキのわさびソースかけ 1 & 2
<マグロステーキのわさびソースかけ› ですが、タイム、ローズマリー、ニンニク、オリーブ油でマリネしておいたマグロを焼きます。そのマグロを、素揚げした茄子、ウイキョウ、ピーマン、ズッキーニを1㎝ぐらいに切って炒め、干しブドウ、黒オリーブ、松の実を加えて少し煮た料理の上に置き、オリーブ油、わさび、醤油を混ぜたソースをかけます。さらに、オーブンで半乾きにした、家でとれたトマト添えます。
〔2022年1月〕