加勢牧場のお話
加勢牧場は新潟県長岡市(旧和島村)の山の中にある小さな牧場です・・・。
現在、牛乳を出す牛を30頭を飼育しています。
この牧場を創設したのが現社長の加勢勉。僕の父です。
父が高校3年生のとき、農業研修で訪れた北海道での牧場生活に強い感銘を受け、
1972年、父がまだ高校に在学中のころから牛を飼い始めました。
初めは一頭から・・・
高校を卒業後、山を切り開き、今の加勢牧場を創設。
少しずつ少しずつ規模を広げて、1995年には、最大60頭の牛を飼育するまでに至りました。
そのころからでしょうか・・・ 父は「日本で一番おいしい牛乳を生産する牧場にしたい・・・。」
と思うようになっていったのです。
「日本で一番おいしい牛乳を生産するためには、おいしい牛乳を出す牛を飼わないといけない。」
父は知り合いや、取引先の業者から情報を集め、そして「世界で一番おいしい牛乳を出す
品種の牛が日本にいる」という情報を手に入れました。
それが『ガンジー牛』・・・。
インドの牛とよく間違えられますが、原産国はイギリスのガンジー島。
世界的にも頭数が少なく、日本では約200~300頭しか飼われていない大変貴重な品種の牛。
ガンジー牛から搾った牛乳は、その希少性とクオリティーの高い味わいから「貴族の牛乳」
や「ゴールデンミルク」と賞賛され、欧米の上流階級の人たちから愛されてきました。
また、栄養バランスと消化吸収にも大変優れており「病人に飲ませるための牛乳」
「胃腸の弱い人でも飲める牛乳」と、薬としての役割を果たしていたという話もあります。
「そんな牛乳であれば飲んでみたい」
父は、日本に数少ないガンジー牛を飼育する牧場に連絡し、牛乳を送ってもらいました。
そして、その牛乳を飲んだ父は「『ガンジー牛』を飼って、日本で一番おいしい牛乳を生産したい・・・」
と強く思うようになっていったのです。
しかし、ガンジー牛を飼うためには多くの問題がありました。
①牛自体手に入らないこと・・・。
②繁殖能力が弱く子供をたくさん産めないこと・・・。
③搾れる牛乳の量が極めて少なく、経営として採算が合わないこと・・・。
ただ、父は迷わず行動に移しました。
数軒しかないガンジー牛を飼育している牧場に端から電話をし、毎日のように「譲ってくれないか」
とお願いをしました。
さらに時間を見つけては、その牧場に顔を出し、お願いにお願いを重ね、ようやく一頭の子牛を手に入れました。
それが「みちる」です。
それから14年の年月が過ぎました。
今では「みちる」の子供たちや、孫が全部で19頭。みちるも含めると20頭。
この14年という歳月の中には本当に本当にたくさんの苦労がありました。
しかし、今では多くの方々の協力もあり、地元長岡市の旧和島村地域の特産品として扱われるようになってきました。
このガンジー牛の牛乳をさらに多くの人に知ってもらいたい。
味わってもらいたい。
そんな思いで、加勢牧場で日々起きる出来事をブログに書いていきたいと思っています。
社長の加勢勉 『乳搾り中』