加勢牧場の牧場ブログ

新潟県長岡市でガンジー種という牛を飼育し、日々日本一美味しい牛乳を生産しようと頑張っている酪農家のブログです。

2月28日 『もうすぐ3月・・・ 今後の抱負』

2011-02-28 15:08:27 | 加勢牧場物語
25日に放送された「ミッションV6」という番組・・・





深夜放送ですが加勢牧場が運営する「ジェラートショップ みちる」を取り上げて頂き、大変恐縮ながらV6のメンバー全員に僕の作ったジェラートを食べて頂きました。


そして本当にありがたいことに、その番組を見たという多くのお客様が「みちる」に来店してくれました。


驚いたことに夏と同じくらいくらいの売り上げがあり、「V6」というアイドルグループが持つ大きな影響力と宣伝効果を感じずにはいられません・・・


本当にありがとうございました。


・・・


思い返せば2008年8月・・・


まだ僕がサラリーマンをさせて頂いたころ、知人から「両親が搾ったガンジー牛乳を使ってチーズを作ったらどうですか?」と言われたことが全ての発端でした・・・


その知人は何の気なしに言っただけだったのかもしれませんが、僕には大きな衝撃を与えたのです・・・


中身の詰まっていない頭で色々と考え、2009年6月に脱サラをし、


その後約10ヶ月、全国のチーズ工房や有名な牧場、数々の研修会や講演会に参加をさせて頂き、チーズの作り方や牧場経営の運営方法、牛の飼い方などを勉強してきました。


そんな中、行く先々の牧場で言われたことが「あなたの実家の牧場の規模であれば、チーズより先にジェラートを作るべきです」というアドバイスでした。


チーズの製造は10リットルの牛乳を使っても、1キロのチーズしか出来ません。


しかしジェラートは10リットルの牛乳を使用すると、お砂糖や生クリームを加えるため10リットル以上の商品ができるのです。


採算ベースで考えるとリスクが小さいのです。


そんなアドバイスを頂き、チーズと並行してジェラートの勉強をさせて頂きました。


そして、2010年6月・・・


ジェラートとチーズの製造が出来る工房を完成させ、





翌7月に「ジェラートショップ みちる」をオープンさせて頂きました。





このお店のコンセプトは、


「ワンランク上のジェラートショップ」


ジェラートのお値段は少し高めだけれども、ゆったりした空間とサービスを重視した、今までにないジェラート屋さん・・・


・・・


・・・


ここまでは素晴らしいサクセスストーリーだと思われるかもしれませんが、とてつもない覚悟と勇気が必要なことばかりでした・・・


サラリーマンを辞める際、「牛飼いとして人生をかけられるか?」と自問自答を繰り返し、


工房を建てるときも「まだ20代の僕が数千万円の借金をしてちゃんと返していけるのか?」と考え込み・・・


お店も「高級感がありすぎて、お客様が入りにくいのではないだろうか?」と自分で決めたコンセプトを疑ったりもしました・・・


本当に不安は尽きることがなく、眠れなくなってしまう夜が何日もありました・・・


・・・


・・・


・・・


2010年7月1日に「みちる」のオープンを迎え、夏の間は需要のピークということもあり、当初の計画通りの売上を上げさせて頂きましたが、


冬・・・


当たり前ですが、気温が下がり始めた10月くらいから売り上げが伸びず、毎月毎月赤字を出し続けました。


「初年度の冬を乗り切れば大丈夫」とスタッフだけではなく、自分自身にも言い聞かせながら毎日お腹が痛くなるような思いで耐え忍んできました・・・


そしてようやく、やっと暖かくなりはじめ、少しずつですが売り上げの方も回復しつつあります・・・


それと比例して僕の仕事量も増えてきていますが、なんて言ったらいいのか分かりませんが、少しずつですが不安が解消されてきています。


(それでもまだまだ不安は山積みですけどね・・・


そして、今回「ミッションV6」という全国放送される番組に出させて頂き、今までお世話になった多くの方からお電話やメールを頂きました。


実感しています・・・


この事業を行うことに際して多くの方たちからの手助けをしていただき、今に至っているんだなと・・・。


お客様をはじめとして


普及員の方々・・・


長岡市の職員の方々・・・


銀行の方々・・・


先輩農家さんや、チーズの先生、ジェラートの先生、お世話になった牧場の方々、わしま道の駅のスタッフさん、業者の方々・・・


チーズ・ジェラート作りや経営の勉強をする際に知り合ったたくさんの友達と同士たち・・・


高校時代の先輩でもあり、僕の『夢』に一緒になって歩いてくれている「みちる」のtama店長・・・


tama店長のもとで働く「みちる」のスタッフさんたち・・・


そして、僕のわがままを聞いてくれている両親に感謝をして、これからくるアイスクリームのシーズンに立ち向かっていきたいと思います。





たくさんジェラートとソフトクリームを売り、利益を上げ、牛さんたちの使用環境を良くしてより一層美味しい製品を提供していきたい・・・


それがお世話になった方々への恩返しだと思い込み、より一層努力していきます



ななちゃん

『がんばります








2月27日 『オーリングのかけら』

2011-02-27 10:40:35 | 個人的なことですが…
『オーリングのかけら』・・・


テレビゲームのサブタイトルのようなタイトルでシャレこんでみました。


ドラゴンクエスト 『オーリングのかけら』


とか


ファイナルファンタジー 『オーリングのかけら』


みたいな感じで・・・


・・・


・・・


タイトルだけはすごくカッコイイのですが、現実はそうではないのです・・・


まず、オーリングとはなにか・・・





パステラーザーという牛乳を殺菌する機械・・・


この機械の部品と部品のつなぎ目に丸いゴムをはめ込み、つなぎ目から液体(牛乳)が漏れないようにするための丸いゴム・・・


ようはパッキンです・・・


このパッキンの名前が『オーリング』です・・・





昨晩、ソフトクリームの原液を作るためパステライザーの中に牛乳を入れ、殺菌をしようとしてスイッチを入れました・・・


数分後・・・


牛乳が漏れてるんですよ・・・


機械を止めて、牛乳を取り出し、機械を分解したら、このオーリングが欠けてるんです・・・


・・・


・・・


心の奥底から叫びました・・・


「ふざけるな」と・・・


・・・


むかし飼っていたボストンテリアの「もも」ちゃん・・・(22年2月に永眠)





この犬が、僕のベットの上で小型犬とは思えぬほどのそれは立派なそれをして、それで僕がそれを発見してしまったときのような心からの叫びでした・・・


(汚い話ですみません しかし実話です


・・・


この世に神が様いるのだったら、僕は神様を恨みます・・・


ただでさえ眠いのに・・・ 朝からずっと仕事しているのに・・・ しかもこんなに忙しいときに限ってトラブル・・・


100歩譲ってオーリングが欠けるのはしょうがない! 


消耗品だもん! そりゃ使い込んでたら切れちゃうよね・・・


だけど神様・・・


・・・


欠けた『オーリングのかけら』が無いんですよ・・・


万が一ソフトクリームの中に入っちゃたら、異物混入で訴えられちゃいます・・・


探さなきゃ・・・


時刻は23時・・・


体力もすでに限界突破していて、集中力も散漫している中、牛乳を濾して探し出そうとしました・・・


・・・


・・・


無い・・・


神様、なんで無いんですか???????


・・・


きっと神隠しにあったんだね


神様のいじわる


・・・


なんて、現実逃避したものの・・・


とりあえず必死になって探しました・・・


牛乳を全部捨ててしまい、機械も全て洗浄して新品のオーリングに付け替えればそれでOKなんですが、ガンジー牛乳に余裕が無いため絶対に探し出さないといけません・・・


日付変わって0時30分・・・


・・・


・・・ありました・・・・


牛乳が機械から漏れ出したときに、バケツを置いて機械から漏れた牛乳を受け取ってたんですが、そのバケツの底にいました・・・


普通に考えたら、そこにあるよね・・・


牛乳を濾したり、流し台のゴミがたまるところを入念に調べたり、床に這いつくばって探してみたり・・・


まったく意味が無かった・・・





小さいかけらっぽいのがそれです・・・


見つけた瞬間、僕の中で突っ張っていた緊張の糸が音もなく切れていったのです・・・


・・・


全部翌日に先送りして寝ることにしました・・・


結果、今日はやることがありすぎてパニック状態になってしまい、ソフトクリームに関しては「みちる」のスタッフ及び、「わしま道の駅」の皆様に不安な思いをさせてしまい大変申し訳なく思っている次第です・・・。




加勢牧場の4匹の子牛たち


ちなみに子牛は「モ~」と鳴かずに「べ~」と鳴きます











2月26日 『もし宝くじで3億円が当たったら・・・』

2011-02-26 11:04:37 | 個人的なことですが…
『もし宝くじで3億円が当たったら・・・』


という妄想を牛さんの世話をしながら考えていました・・・


サマーでも年末でもありませんが、牛さんたちのフンを一輪車で運びながら無性に妄想したい気分に駆られたのです・・・





ちなみに僕は宝くじを買ったことがないのです・・・


「買わないくせに妄想して楽しんでいるおめでたいやつだ」と思わないでくださいね・・・


あくまでも妄想ですから・・・


・・・


3億円当たったら・・・


まず、この一輪車で牛さんのフンを運ぶ仕事をを機械化したいですね・・・


2年前まで、加勢牧場も「バンクリーナー」と呼ばれるスイッチ一つで自動的にフンを外に運び出す機械を常備していたのですが、壊れてしまい、現在すべてスコップ&一輪車で運び出しています・・・


朝と晩の一日2回、30分~1時間程度このスコップワークを毎日やります・・・


「バンクリーナー」を買って楽をしたい・・・


約300万円・・・


残り2億9700万円・・・


まだまだたっぷり・・・


次は車かな・・・


加勢牧場の軽トラ・・・ そろそろ限界が近いのです・・・


冷暖房完備で、ちゃんとラジオが聞けるオプションが欲しいな・・・


AMだけじゃなくてFMも聞けるやつ希望・・・


約150万円・・・


残り2億9550万円・・・


お金持ち最高


腕時計はいらないし・・・


服は欲しいですね・・・


ユニクロのヒートテックは個人的には大好きです。


安くて薄くて暖かい・・・


もうすぐ春ですが、まだまだ使用頻度は高いです。


靴も、長靴が一足欲しいかな・・・


贅沢をして3000円以上の立派な高級長靴希望・・・


水漏れのしなくて暖かいのが欲しい


・・・


といった感じで妄想は膨らみ続けました・・・


まあ、実際に3億円が当たったら「バンクリーナーが欲しい」なんてケチなこと言わずに、きっと牧場を立て直すんでしょうね・・・


車だって「軽トラなんか乗れるcar(笑)」なんて言いながらベンツとかに乗っちゃって、服なんかも「ユニクロなんて着れるcar(笑)」なんて言いながら、アルマーニのスーツで身をかためるんでしょうね・・・


そして新しい事業に手を出して失敗・・・


見事な転落人生を歩むんでしょうなあ・・・


お金持ちって・・・おっかねえ・・・  (調子に乗ってすみませんでした





まあ、宝くじを買わずして妄想で楽しんでいる男には、毎日スコップと一輪車でフンを運んでいればいいんですよね・・・

2月25日 『馬はきっと僕のこと・・・』

2011-02-25 10:15:18 | 加勢牧場の愉快な仲間たち

加勢牧場の草むしりペットのポニーの小梅ちゃん・・・


冬季の期間は草むしりが出来ないため、牛さんが食べる牧草をもらって食べています。





馬ってすごく頭がいいのです・・・


そして人を選んでなつきます・・・


・・・


・・・


・・・


僕にはなついてくれません・・・


仕事中にサボってでも遊んであげようとしているのに・・・


・・・


エサをくれそうなときだけ僕になつきますけど嬉しくない・・・





後ろに回っても完全無視ですよ・・・


・・・


でーんとしたヒップですね・・・


・・・


馬のシッポ・・・


正真正銘のポニーテールだね・・・


ポニーテールをみつ編みしてあげようとして近づくと、蹴ってきます・・・


ちなみにみつ編みなんて芸当、僕には出来ないですけどね・・・





やっぱり僕は牛の方がいいな・・・



2月24日 『父との議論』

2011-02-24 07:11:20 | これからの農業を考えて・・・

ここ数日、本当にありがたいことに各種イベント・催事に参加させていただきました。


そのため、先週末あたりから「倒れるんじゃないか」と思ってしまうほどの忙しさで、この1週間の一日の平均睡眠時間は3~4時間くらいだったと思います。


「3~4時間も寝れれば十分だ」と思われる方もいるかもしれませんが、僕は見た目以上に赤ちゃん体質なので1日8時間寝ないとカラダの調子が悪くなってしまうのと、どうしても牧場で働いていると力仕事が多いため、カラダにかかる負担が大きいのです・・・






父が言いました・・・


父 「そんなん毎日徹夜してジェラート作らんばなんねーんなら『CoCoLo』に出んたっていいっや。カラダ壊すれ。」
  (毎日徹夜をしてまでジェラートを作らないといけないのなら、「CoCoLo長岡」への催事出店はしなくてもいいんじゃないですか?カラダを壊してしまいますよ・・・)


僕 「大丈夫だよ・・・。心配してくれてありがとう」


父 「いつまでやるつもりなん?」
  (いつまで『CoCoLo長岡』で催事出店をする予定なんですが?)


僕 「来月の4~6日と、18~21日に入る予定になってるよ。その後はまだ未定・・・」


父 「それを最後にしばらくやめれっや」
  (それを最後にしばらくやめた方がいいのではないでしょうか?)


僕 「なんで?」


父 「2月でこれられ。そりゃ向こうからしてみれば夏に入ってもらいたいのは分かっけど、こんなことしったらホンキ倒れるれ」
  (2月でこの忙しさです。『CoCoLo長岡』からしてみれば夏に入ってもらいたいってのは分かるけど、夏になってもこんなことしてたら本当に倒れますよ)


僕 「でも売上が・・・ 夏の時期に頑張らないと利益が上がらないよ?」


父 「俺らん仕事は休みが無いんらっけ、少し余裕があるくらいの仕事をしんばダメなんだて」
  (我々の仕事は休日が無いのだから、その分少し余裕が持てる仕事をしなくてはいけませんよ・・・)


僕 「・・・」


父 「15年もかけて作りあげてきたガンジーらっけ、そんな慌てんたって今までと同じでいいもんさえ作ってれば必ず成功するて」
  (15年かけてコツコツ作り上げたガンジーブランドです。慌てなくても今までと同じで良いものさえ作っていれば必ず成功します」


僕 「・・・」


父 「余裕がねーなって、中途半端なもんを客に出すのが一番ダメなんだすけんな」
  (余裕がなくなってしまい、中途半端な商品をお客様に提供することが一番怖いのです)


・・・


・・・


というようなやり取りを昨晩しておりました・・・。


確かに、ここ最近無理をして余裕がなくなっていたのかもしれません。


余裕のある仕事というものを少し目指していきたいと思います




左・・・ガン吉 中・・・ごうちゃん 右・・・あかりちゃん

写真では分かりにくのですが、すり寄ってくるんですごく可愛いのです