傍線Cの直前に、
文化というのは、すでにそこにあるモノと人の関係が、それをとりあえず結びつけていた機能以上に成熟し、今度はその関係から新たな機能をさぐる段階のことではないか
と、「青木氏」による「文化」の定義が示され、
「そのかぎりで」
傍線Cが成り立つのであるから、傍線Cの「『文化』」は、「青木氏」の定義に沿ったものである。
したがって、「青木氏」の「文化」についての考えを整理すると、
・モノと人との関係がある → 成熟した関係になる → 新たな機能を探る
||
・文化
となる。
ここで、傍線Cの「高齢者たちが住みつこうとしているこの空間」とは、選択肢の内容からも明らかなように「木造家屋を再利用したグループホーム」であるので、「……グループホーム」に関する記述を整理すると、
・空間の使用規則や行動基準がキャンセルされていない
・自由が限定されているように見える
・別の暮らしが開始されようとしている
・別のひととの別の暮らしへと空間が編み直されようとしている
となるので、「新たな機能」とは、「別の暮らし」のことであると分かる。
以上より、解は、
・モノと人との成熟した関係(=「身に付いたふるまいを残しつつ、他者との出会いに触発されて」)
↓
・新たな機能(=新たな暮らし)
という関係を写し取った④。
ちなみに、
①は、「伝統的な暮らしを取り戻す」が、「別のひととの別の暮らし」(形式段落⑭)に反する。
②は、「……設備が整えられている」が、「ほとんど改修もせずに……」(形式段落②)に反する。
④は、「空間としての自由度がきわめて高く」が、「空間の『使用規則』やそこでの『行動基準』がキャンセルされていない」(形式段落⑭)に反する。
⑤は、「個々の趣味にあった生活」が「別のひととの……暮らし」(形式段落⑭)に反する。
※ 選択肢①、②、④、⑤は、いづれも部分的に正しい要素を含ませて作った選択肢である。
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ここ③です。
解説分かりやすいですね:)