愛の前で我儘になっていくのは女なのだろうか
それとも愛というものに怠惰になっていくのは男なのだろうか
やがて二人の関係も変化していった。
ノブトは店との契約が終わり次の店へと移った
毎日一緒に帰っていた蜜月時間がなくなると
そこから徐々に不協和音が鳴り始めていた
「どうして会えないの?」
「時間がない」
「私と会う時間はつくってくれないのね」
「ごめん・・・」
時にノブトの言葉が不快になると
「私を愛しているならどうしてそういうことを言うの?」
「そういう意味で言ってるのではないよ」
お互いに相手への不満を言い合うようになっていった
二人の会話も少しづつ不協和音が出てきた
夢と理想を持って生きるノブトは上昇志向も強く
プロのギタリストに師事のもと練習を重ねていた
夕方から演奏の仕事と練習と私との交際に徐々にノブトは疲れていった
私は未来の二人の景色が見えなくなっていることに失望していた
私の不満は日ごとに増し不満の言動が激しくなっていく
「こんなに辛い思いをするなら死んでしまいたいわ」
軽口のつもりだった
しかし彼が口にした言葉は
「死ぬなんて簡単じゃないよ。僕は15歳で自殺をしようとした。未遂だったけど」
私は彼がアーティストであったことを忘れていた
彼が繊細であることを忘れていた
彼の瞳が笑っていないことにきづいた
引き返すには二人とも愛の沼にはまり過ぎていた
暗い沼の中に
続く・・・
それとも愛というものに怠惰になっていくのは男なのだろうか
やがて二人の関係も変化していった。
ノブトは店との契約が終わり次の店へと移った
毎日一緒に帰っていた蜜月時間がなくなると
そこから徐々に不協和音が鳴り始めていた
「どうして会えないの?」
「時間がない」
「私と会う時間はつくってくれないのね」
「ごめん・・・」
時にノブトの言葉が不快になると
「私を愛しているならどうしてそういうことを言うの?」
「そういう意味で言ってるのではないよ」
お互いに相手への不満を言い合うようになっていった
二人の会話も少しづつ不協和音が出てきた
夢と理想を持って生きるノブトは上昇志向も強く
プロのギタリストに師事のもと練習を重ねていた
夕方から演奏の仕事と練習と私との交際に徐々にノブトは疲れていった
私は未来の二人の景色が見えなくなっていることに失望していた
私の不満は日ごとに増し不満の言動が激しくなっていく
「こんなに辛い思いをするなら死んでしまいたいわ」
軽口のつもりだった
しかし彼が口にした言葉は
「死ぬなんて簡単じゃないよ。僕は15歳で自殺をしようとした。未遂だったけど」
私は彼がアーティストであったことを忘れていた
彼が繊細であることを忘れていた
彼の瞳が笑っていないことにきづいた
引き返すには二人とも愛の沼にはまり過ぎていた
暗い沼の中に
続く・・・