私は地球で楽しく遊ぶために生きている

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女達の恋愛事情キリカの場合~6~

2015-12-05 20:07:12 | オムニバス恋愛小説
美花は間を入れずに言った。
「もちろん愛されるタイプの女よ」
「たとえばどういうところ?」
「キリカって男が何とかしてあげたいと思うのよ。
癖がないし可愛いし、オーラもふわふわした感じだし。
そういうとこ男は弱いんだな」
「意識したことないわ。じゃ美花は自分で、どっちのタイプだと思うの?」
「私は愛したいタイプよ。自分から愛さないと恋愛には発展しない。
多分、慶も愛されたいタイプなのだと思う。そして真世は愛したいタイプ。
2人はメンタルで求めること求められることが一致したのね。
キリカが振られたんじゃなくて同質の愛を求めている同士は相いれないのよ」
「私が愛されたいタイプだから?」
「そう多分キリカは愛する男が現れても自分発信はしないでしょう?」
「そう言えば相手からのアクションを待っていることが多かった」
「そういうこと、愛される女は愛することが苦手なのね」
美花の理性的な分析に関心しながらキリカは言った。
「美花冷静すぎるわ。それじゃいつになっても恋愛できないよ」
「いいの。恋愛に人生の重きを置いてないから」
クールな表情を崩さずに言う。美花のぶれない生き方に畏怖を感じる。
美花の笑顔を背に別れて自宅に着くと、
リビングからせつなメロディー音楽が聞こえてきた。
ママが空色の壁を見ながらウィスキーを飲んでいる。
「ただいま」振り向いた瞳が潤んでいる。
「どうしたの?ママ今日色っぽいんじゃない」
「そう?」
「それにセンチメタルな平井堅の音楽聞くなんて珍しい。
今日のママ{おんな}みたい」
「うん、ママおんなになったのかもしれない」
「どういう意味?」
「ママね、恋したみたい」
「誰に、パパ以外の人?」
ママは大きく頷いた。


続く・・・