私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

サザンビーチで

2022-02-03 13:04:00 | ミステリー恋愛小説
私は海が好き
川が好き
水のある場所に行くと
心が穏やかになり
頭はクリアになる
砂浜を歩きながら
すれ違う熟年カップルの
なんともいえぬ満ちたりた
表情に心癒される
サザンビーチで
湘南ゴールドを飲みながら
海を眺めていた
ある日あるひと時
小さな幸せを
重ねて、重ねて
溢れたしあわせを
感じながら生きていこう

善人の背中 ~最終章~

2020-02-20 18:22:34 | ミステリー恋愛小説
菅田れん子の指定された喫茶店に入るとれん子が片手を振っています。
私はれん子の座る席に向かい歩いていきます。
合図をされて席に座りました。
ウェイターにアイスコーヒーを注文して運ばれてくるまでらん子は無言です。
ウェイターが去って行くと、一口コーヒーを飲み呟きました。
「私、今週末アメリカに行くの」
「えっ!」
「しばらくアメリカで生活するつもり」
「・・・」
「驚いてるようね。無理ないわ。私も容疑者としてマークされているのに」
「私に何故そのことを言ったのですか?私が警察にあなたのことを言ったらどうなると思いますか?」
「アメリカには行けなくなるでしょうね。これはね賭けなの」
「賭けってどういうことですか?」
「あなたが黙って私を行かせてくれるか?、警察に密告するかっていう賭け」
「そんな、無実だったら賭けなんてこと」
「無実じゃないから言ったのよ」
「どういう意味ですか?」
「そう、あなたの推察通り、キオは私が殺したの」
「えっ!」
「妹をとことん惚れさせて、身も心も空っぽにして捨てた佐川キオを殺したのよ私が」
れん子の表情に罪悪感がないことに驚きました。
むしろ清々しささえ感じたのです。
「これからの私の人生はあなたの手中ってことね」
そう言い残しれん子は先に喫茶店を出ていきました。

一週間後
私は既にれんこがアメリカへ旅立った空を見上げていました。
れん子は私が警察に密告しないことを知っていたのです。
何故なららん子は  ・・・私なのですから・・・
れん子が殺していなかったら私がキオを殺めていたでしょう。
れん子と私は共犯者なのです。
ねえ、私達再生の、それぞれの旅立ちだね、私は空に向かって呟きました。


終わり


善人の背中〜11〜

2018-02-01 18:21:31 | ミステリー恋愛小説
眼光鋭い目で私を睨みます。
「◯月◯日の退勤後、6時から9時頃までどこにいましたか?」
その時間はキオを追いかけて、喫茶店にいた時間です。
菅田らん子を見たのもその時間です。
「えっと」私は上目づかいで思い出すように言いました。
「その日は、多分近くのスーパーに夕飯の惣菜を買って自宅に帰ったと思います」
「ほんとですか?」刑事は覗き込むように私を見ながら言いました。
「実はね、事件のあった日に近くのマンションの喫茶店で
あなたを見たという証言を得ているんです」
どうやら既に、私がキオを追って喫茶店にいたことは聞き込み済みのようです。
私は軽く謝りの会釈して
「確かにその時間はマンションの近くの喫茶店にいました」
「どうしてですか?」
佐川キオさんを尾行していました」
「尾行?」
「ええ、最近の彼の行動に不信感を抱いていましたので。
だけど、殺されたことは知りませんでした」
「喫茶店には何時までいましたから?」
8時頃に喫茶店を出ました」
「それまでの間マンションから出て来る人はいませんでしたか?」
菅田らん子の姿を思い浮かべましたが、
「誰も見なかったです」と言いました。
刑事は、わかりました。今日は失礼します、と言うと踵を返しました。
その後ろ姿に呼びかけました。
「刑事さん私を疑っているのですか?」
振り返った刑事は
「容疑者は確定していません。あなたばかりでなく佐川キオさんと
仲良くしていた社員の方々にも聞いています」
じゃ、菅田らん子にも聞いたの?心の中で呟きました。
不思議なものです。あれほど惚れていた佐川キオが死んだというのに、
私はとても冷静なのです。
むしろ佐川キオを殺した犯人を探すことに興味を持ったのです。
菅田らん子は何故あの日、そこにいたのだろう?
数日後、昼休み休憩にいる菅田らん子を見つけ声をかけました。
「仕事が終わったら話があるんだけど時間ありますか?」
らん子は軽く頷く私の顔を見つめました。
その表情は何かを察したようでした。

続く…