北京オリンピックは大丈夫か

【筆者記】
北京オリンピックまで200日を切りました。
しかし、4年に一度のオリンピックでこれほどまで環境汚染そして治安問題、多くの難問をクリアされることなくオリンピックが開催されるとは今まで過去のオリンピックにはなかったことでしょう。
今まで過去の大会を振り返っても市民のマナーまで教え込まなければいけないオリンピックなんて前代未聞です。
特にマラソンなど屋外で行なう陸上競技などは日時をずらしてまでやるそうですから健康被害まで考えなければいけないオリンピックは今までなかったことです。
さて中国政府は今回のオリンピックについて競技場での騒乱や政府に不満を持つ突発的な事件が予想されるという報告書をまとめました。
これは中国のシンクタンクである社会科学院が今月発表した2008年版の「中国社会情勢の分析と予測」と題して発表したものです。
報告書の中では特に4年前、北京で行なわれた日本と中国のサッカーの試合で中国のファンの一部がが暴徒化した例を取り上げて文化や歴史の違いから一部のファンらが騒乱を引き起こす恐れがあるとしています。
そして中国政府は組織委員会や警察に対して宿泊先から競技場までの警備や観客の誘導に細心の配慮をするよう求めています。
また、政府に対する不満から群集による暴動などの突発的な事件が起きる恐れもあるとしています。そしてテロ対策については各国と機関と積極的に情報交換し万全の対応をすべきとしています。
しかし、ここまで考えなければいけないオリンピックはいったいどういうことなんでしょうかね。
ご存知だと思いますがここで問題視されたのは2004年のアジアカップのことだと思いますが、日本が順当に勝ち進んでいくにつれて中国人の観客が次第に暴徒化していった事件です。重慶の順決勝の試合では異常な雰囲気となり、すでに中国人サポーターは日本選手団のバスに襲いかかり、群集は暴徒そのものだったのですが中国政府は見てみぬふりをしていました。
そして北京の決勝で日本が中国を破ると観客が一挙に暴徒化し、日本の公使の専用車までも襲い、破壊したのです。
また警備員もそして公安の連中も意識的に後手を踏み、このような暴徒をアシストし、公安の中には日本料理店に投石したものもいたのである。
この事件でこうした政府ぐるみの悪質な行為は大きな国際大会をする資格がないと世界から大きな批判を受けました。しかし不思議なことに日本人独特の考えなのか、いつもの臆病風に吹かれたのだろうか、いたずらに波風を立てたくないと言うことで日本からは大きな批判があまりなかったと思います。当然、マスコミは放送権の関係であまり批判もせず、だんまりを決め込んでしまいました。
このようなことがスポーツだけではなく全ての面で中国に対して許容範囲を大きくしてしまうのです。あの時点で、もし国際オリンピック委員会に対して「中国でのオリンピックに問題あり」とクレームをつけていたら様相が違っていただろうと思うのは私だけではないと思います。
今回のオリンピックは中国の国家的威信をかけて世界に中国をPRする政治的国際大会の何ものでもありません。
国際社会すら知らない中国人が「愛国」を叫び、どの競技においても観客としてマナーなどまったく知らない中国人が他国の選手にプレッシャーをかけ、精神集中すらさせない、そして特に日本人選手やチームが敗退すれば大歓声を発して溜飲を下げる。中国が金メダルの争いをやろうものなら全ての選手が標的になるのではないかと思います。
祖国の選手を一生懸命応援することは当然であり、すばらしいことです、しかし、そこには他国の選手に対して足をひっぱるような応援はいただけません。それが国際的なマナーとして当然のことです。
はたして中国人はオリンピックでこれが出来るでしょうか、甚だ疑問ですが我々はあのソウルオリンピックでの韓国の柔道、ボクシング選手が卑怯な手を使い、試合までもボイコットし、観客が暴れたことを知っています。やはりこのような国はオリンピックより、まず人間としての規範を教えることが重要ではないでしょうか。
しかしながら、これらの話は曲がりなりにも大会が無事に始まり、終了するという前提に立ったものですが、今、中国で一番恐れられているものはテロによって大会がストップしてしまうのではないかという懸念です。もし北京市内で自爆テロなどが発生したならば大会そのものが吹き飛ぶ可能性があるのです。
現在、一部イスラム教徒は新疆ウイグル地区の正当なる分離独立運動を行なっています。今まで共産党政府はこの地区を実効支配し、人民を抑圧し弾圧を繰り返してきました。
彼らの先祖は清朝の乾隆帝の時代に侵略、支配され、弾圧を受けてきました。また文革の頃には「下放」と言って都市で追放された人々が送られる場所になっていたのです。
ところが1979年以降の開放政策によってウイグル族の地に漢族の者たちが大量に流入しました。
そして漢族の支配が始まったのです。当然、民族の対立が生まれるのは無理はありません。このような対立を防ぐために共産党政府は軍部を導入し、ウイグル人を大量に虐殺してきたのです。その弾圧を行なった最高指揮官が温家宝でした。
したがって以前は共産党政府、中国は貧しいが故に彼ら、イスラム教徒にとってはさしたる敵意の対象ではではなかったのですが、しかし今や、経済的に繁栄した中国は彼らの憎悪の対象でしかありません。そのような意味からオリンピックを失敗させ、共産党政府に恥をかかせることが、一つの目標となるのは言うまでもありません。
もしこのようなイスラム教徒のテロ事件が起きるならば、中国のメンツは丸つぶれとなり、これからの中国経済にも大きな影響を与えるのではないかと思われます。はたしてどうなるか、その回答日が刻々と近づいています。

←押してね♪

←押してね♪

政治ランキングに入り投票クリックを押してね、

河野談話の白紙撤回を求める署名にご協力をお願いします。
コメントは終了しました。