ほぼ衝動☆日記

戦略コンサル修行中~東京の中心でコソコソ暮らすのにはもう飽き飽きです・・・

発明家

2007年01月30日 22時34分49秒 | よみもの
発明家たちがアイデアを生み出すときにたどる思考プロセスを、いくつかの要素に集約した本。

発明家たちの思考回路 奇抜なアイデアを生み出す技術

ランダムハウス講談社

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そんな雲をつかむような話、と思うかもしれないし、こうした思考回路をたどったからといって発明が生み出せるわけではないのだが(かろうじて必要条件ではあっても、決して十分条件ではない)、それでも創造という極めて曖昧模糊とした行為に至る道筋をつけたものとして評価したい。
「幸運は準備の出来た者に訪れる」(パスツール)のだから。

この手の本をいろいろと読んでみて、「創造」の中心にあるのは、経験に基づく「型」のアーカイブを、アナロジーによって編集し、引き出す行為であると、僕は最近考えている。引き出されたものを「仮説」と呼ぶのだとしたら、芸術家の作品も、世界観の仮説なのだろう。
(ってどっかで聞いたような話やね、知らんうちにパクってたらすんません)

ハーバードビジネススクールの本には意外とハズレが多いように感じるのだが、この本についてはお勧めしたい。文章がやや読みにくいですが。
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最悪の事故

2007年01月28日 11時19分22秒 | よみもの
非常に興味引かれるテーマなので読んでみた。

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

草思社

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原発事故や飛行機事故など、数々の重大な事故の原因となった(もしくは未然に防いだ)人間の行動を分析した本。

システムが大きくなり、個々の人間がコントロールできないレベルになったときに、事故が起こるリスクは増大していくし、事故によってもたらされるインパクトも増大していく。

だいたい巨大な事故が起こる(もしくは防ぐことができなかった)原因は4つであると、この本を読んで考えた。
①そもそものシステムの設計において、リスクが十分に検討しつくされておらず、未然に予防するための対策が不十分なまま放置されている。
②システムにエラー(やその前兆)が起こったときに、実態をつぶさに把握し、リカバリーするための業務プロセスが組み込まれていないか、正しく運用されていない⇒だから思い込みで判断してしまう。
③巨大なシステムやプロジェクトを扱う巨大な組織の中で、個々の人間の責任や権限が細分化されたものとなり、担当者レベルの見解が全体の意思決定に反映されにくい。
④人間の心理上「たいしたことはないだろう」と思い込んで見逃してしまう。とくに、エラーの補正のためにシステムやプロジェクト全体を一時停止しなければならない場合のコストがバカにならない場合に、あえて見過ごされてしまう。

巨大なシステムを企業に置き換えると、なかなか感慨深いものがあります。
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リッツカールトンとワタミ

2007年01月21日 17時45分02秒 | よみもの
サービスも何もかも超一流ホテルチェーンの称号を欲しいままにしているリッツカールトン。その真髄が書かれた本「リッツカールトンで学んだ仕事で一番大事なこと」を読んだ後に、ワタミの渡邊美樹氏の本を読んでみると、実に感慨深いものがある。

サービスが感動に変わる時―青年社長渡辺美樹の社員への熱いメッセージ

中経出版

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一見して相反するように見えるリッツカールトンとワタミだが、その根底にある哲学は極めて酷似していることに気づかされる。それはたとえば「心配り」であり、「NO」と言わない姿勢であったりする。
一流の「感動するサービス」を実現しようと取り組む姿勢は、それが高級ホテルであろうが、雑居ビルの居酒屋であろうが、全く変わらないのだ。その哲学の現場への浸透度合いはリッツカールトンに軍配を上げざるを得ないにしてもだ(従業員の採用における差なのだろう)。

この本は、サービスというものの真髄を教えてくれるばかりでなく、オーナーシップの精神とは何かということについても雄弁に語っているように思われる。オーナーシップとは「心配り」であり、それはお客様を満足させたいという「執念」によって生み出されるのだ。

居酒屋の話と軽視せずに、ぜひお勧めしたい本です。
(クレームが来た従業員に反省文を書かせるという仕掛けにはあまり感心しないが)
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ソシエテおじいさん

2007年01月20日 11時33分30秒 | おフランス
口座を持っているフランスのソシエテ・ジェネラル銀行から、「カルト・ブルー(キャッシュカードとクレジットカードが一体になったもの)の更新の時期が来ているので支店(写真の左から3軒目)まで取りに来てください。今週中に取りにこないと破棄します。」という手紙が届いた。

はっきり言って行けるわけがないのだが、一方でカルト・ブルーがないと口座に入れてある金を引き出す手段もなくなってしまう(ユーロが高いうちに円に戻しておきたいところだ)。

外国語で電話をするということは極めてストレスなのだが(しかもそれがフランス語で愛想の悪いフランス人に話しかける場合はなおさら)、仕方が無いので嫌々電話をかけてみると、、、

僕「今、日本に住んでいて取りにいけないんですが、どうしたらいいでしょう?」
銀行員「っていうか、日本に住んでてカルト・ブルーなんて要るのかしら?」
僕(「そら来た、これがフランスだ」とうんざりしながら)「はい、引き出したり、ときたまフランスに行ったりもするので・・・」
銀行員「あなた、私に今すぐ依頼の手紙を送ってくれるかしら?郵便でカードを送ってあげてもいいわよ。郵便料金は引き落としておくから。」

最初から郵便で送ってくれと思いながらも、意外な融通の利いた対応に安心する。

しかし、実際に手元に届くまで、絶対に安心してはいけないのがフランスだ。
かつ、フランス語で手紙を書くのも、それはそれで苦痛でもある。

ところで、「ソシエテ(社会)」の語感が、アルプスの少女ハイジの「ソシーエテー、おじいーさんー」という歌を連想させて仕方が無い。銀行に行った帰りにずっと頭の中を回ってイヤだった思い出がある。

どうでもいいですね。すみません。
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結局これって

2007年01月14日 17時29分55秒 | 東京の中心で、コソコソ暮らす
今日、床屋のお兄さんからおもろいホテルを教えてもらった。

なんでも新宿やら錦糸町やらにオープンしたバリ風ホテルらしく、スパ的な使い方もできるし、シティホテルでもあるし、ラブホ的な使い方もできるようだ(休憩ができる)。

ウェブサイトでは従来型のラブホに不満だった人たちに向けた新しいホテルの形であると説明されているのだが、結局これって要するにラブホなんだと思われる。
確かにこういうホテル(施設)は、有るようで無かった気もするが。

実際にどのような客層が利用しているのか(カップル以外も利用するのか)、どんな利用の仕方をしているのか、実に興味を引かれるところだ。
床屋のお兄さんの話だと、予約を限定して当日の来客枠を空けておいているらしいので、レベニューマネジメント的なこともやっているのかもしれない。

実際に行って見学してみたいのだが・・・
結構海外でも流行るんじゃないかなと。
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70点の方が100点よりも良いのだろうか?

2007年01月08日 19時18分03秒 | 東京の中心で、コソコソ暮らす
今週号の日経ビジネスは東京特集。なかなか面白い記事が揃っていたが、その中でも僕に刺さったのが、LEON編集長による東京論。

「ミーハーでアイデンティティーのないところが、逆に東京の面白さでもあるんです。100点のモノがあるフィレンツェも確かにいいけれど、飽きる。100点はないけど70点の及第点のモノならいくらでもあるという東京の方が面白いでしょ」

東京は浮ついた田舎者市場、と日経はこの記事を締めくくっている。本当に僕もそう思う。僕自身、地方都市のニュータウン中流家庭で育って東京にやってきたので、70点のものがあふれている東京の面白さは十分に理解できる。東京にやってきたばかりの頃は、よく「調子に乗っている」と注意されたものだった。
そういえば僕が以前の記事で書いたように、ここんとこの「プレミアム」流行りも、大衆向けの高級感配給的な仕掛けの域を出ないし、中流階級にとっては、それで十分に満足できてしまったりするのだ。

ただ、100点のものがない(もしくは70点のモノに囲まれて埋もれてしまった)街というものが、いかに薄くて寂しいものかということを最近になって、特にパリから帰ってきて感じるようになった。
パリは50点以下の不合格の部分もたくさんあって、毎日何かしら不愉快な思いをせずにはいられないのだが、それでも、また帰りたいと思わせる不思議な魅力がある(長期間は遠慮しとくけど)。それが本当に豊かで深い街だと思うのだがどうだろうか。

僕は日本に来る外国人には、六本木界隈で外国人同士つるんで外人好きの日本人女性を追い回してばかりおらずに(それも勝手にやってもらって結構なのだが)、京都あたりで(もしかしたら東京でも)、日本が誇る100点のモノを発見して帰って欲しいと思う。

70点のものは消費の対象、100点のものは創造の対象、と僕は思う。100点のものは創り手ばかりでなく、受け取る側にも創造することが求められるのだと思う。それが単なるウンチクでない、本当の教養というものかもしれない。
僕は東京に対して何の愛着も感じない田舎モノで、70点消費文化の担い手なわけだが、100点のものをもっと東京が生み出せることになると良いと願っている。それは、受け取る側であるわれわれ自身の手にもかかっている。
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リーダーはプレイイングマネージャーに非ず

2007年01月07日 21時54分07秒 | よみもの
これも正月休みで読んだ本。

唐の建国で主導的な役割を果たした第二代皇帝である李世民(太宗)の統治について書かれた「貞観政要」を解説した本。

「貞観政要」のリーダー学 守成は創業より難し

プレジデント社

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太宗の治世は「貞観の治」と呼ばれ、名君として称えられている。ただ、彼本人の能力が高かったというよりもむしろ、家臣団に優秀な人物を登用し、彼らの意見を尊重して素直に自らの過ちを修正したというところに美徳が感じられる。

この前に紹介した本とあわせ読むと、リーダーの役割というものは、ビジョンを示して、あとはチームメンバーが活躍するお膳立てを整えるというところにキモがあるということになる。こうしたリーダーシップ論にはプレイイングマネージャーが成立する余地はそんなにないようだ(率先垂範という思想はあるもののあくまで影響力に説得力を与えるためのお膳立てに過ぎない)。イザとなれば自分が手を下せる能力を温存しながらも、最後まで伝家の宝刀は抜かないというスタイル。
そういえば、日露戦争の陸軍の総指揮を取った大山巌も、部下に全てを任せ切って、砲弾の飛び交う中も悠長に歌などを詠んでいたようだ。それが大人物としてのあり方なのだろう。

一方で、こうした悠長かつ上段に構えたようなリーダーシップスタイルというものが、現代のマネジメントに求められるスピードや何かと最近小うるさくなったガバナンス責任を満たせるスタイルなのかどうかについては一考の余地があるように思われる(部下に任せるということ自体は基本的に正しい方向だが)。
僕は皇帝でも総大将でもないので、当面はそのリーダーシップ精神のみをパクるにとどめておこう。
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リスクマネジメント雑感

2007年01月06日 22時43分45秒 | なんとなくフッと
に関してDUKEのB-Schoolに行っている僕の友人が興味深い記事を書いていたので、連想したことをつれづれと。

・(航空会社が石油価格高騰のリスクヘッジが十分にできていなかったケースから)よほどファイナンスセントリックな会社でない限り、リスクを定量化して経営判断に生かすところまでは難しいのだろう。そういう担当のセクションがたとえあったとしても、社内政治の中で声をかき消されず十分な影響力を発揮できるレベルまでに、リスクの定量化という技法が企業の経営陣やステークホルダーの間で十分に説得力をもったわかりやすい(シンプルな)羅針盤を提供できていないというのもあるのだろう。

・(コアコンピタンス以外のリスクをすべてヘッジせよという点について)まさにその通り僕も学んできた。ただ、為替や原料の調達コストなどの変動リスクも当然ヘッジすべきとして(そういうヘッジの手法やマーケットはすでに存在する)、本当にコントロールすべきなのはそうしたものを包含した事業リスク自体なのだろう。そうした事業リスクをやりくりするときに、企業が選びうるのは極端に言うと2つではないか。ひとつはGEや日本の商社のようにとことんコングロマリット化して自社内で飲み込んでしまうこと(少なくともそのように感じること)。もうひとつはスピンオフを活用して自社の能力だけで抱えきれないバリューチェーン(ビジネスプロセス)のリスクを株式市場やPEファンドや他社とシェアするということ。
コングロマリットをネガティブに評価する議論は、株主至上主義のアメリカだから理論どおり通る話であって、従業員が重要なステークホルダーに位置づけられている日本やヨーロッパではやはりコングロマリットの生き残る余地が見出せなくも無い(投資家と違って従業員は自分の労働を分散投資できないのだ!)。
しかし本筋は、やはりM&Aによって多くの事業を抱え込むにいたった企業がノンコア事業をスピンオフしていく流れなのだろう。特に日本では今後こうしたスピンオフが脚光を浴びるものと想像される。

つらつらと読みにくい文章でしたが、思いつくままに書いた備忘録ということでご勘弁を。

そういえば連想ついでに、僕が学んだB-Schoolのファイナンスの教授(BNPパリバ重役)が「リスク・リターン、リターン・リスク」と毎日呪文を唱えろ(リスクの話とリターンの話を決して切り離すな)、といってたことを思い出した。
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後天性リーダー

2007年01月05日 12時45分33秒 | よみもの
今日もオフィスはもぬけの殻なのだ。

で、正月休みの間に読んだ本にこんなのがあった。

あなたがリーダーに生まれ変わるとき―リーダーシップの潜在能力を開発する

ダイヤモンド社

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リーダーシップは生まれつきではなくて、育てられるという立場に立ち、かつリーダーシップとは指図することではなく人を信奉させて影響力を及ぼして動かす能力であると定義。リーダーの重要な役割を、部下をリーダーに育てるところに置いている。自分が自分が、としゃしゃり出て権力をふるうタイプはこの本によるとリーダー失格である。
(そんな現実も、それへのアンチテーゼであるこの本も、両方アメリカ的)

記述がやや処世術的ではあるが、メッセージの本質は利他的で誠実なので、十分読むに値する。リーダーシップについて様々な先人が語った名言なども数多く掲載されているので密度も濃く、何度読み返しても味がありそう。

普通にいい本です。
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セール

2007年01月02日 17時34分41秒 | 衝動買いでストレス解消
新春のセールに行ってきた。

日本のセールというと、朝早くから並んでダッシュでもしない限り、あまり良いものが残っていないのが相場だが、今年の冬は暖かかったためか割と良い値打ちものが残っていたように思われた。

昔懐かしい繊維屋さんの3月決算に思いを馳せた日でした(僕は銀行時代に大阪船場で繊維屋さんにお金を貸していたのです)。皆さんも在庫圧縮に協力してあげてください。
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