ほぼ衝動☆日記

戦略コンサル修行中~東京の中心でコソコソ暮らすのにはもう飽き飽きです・・・

精神と物質

2011年07月16日 15時13分20秒 | よみもの
遺伝子と免疫の研究でノーベル賞を受賞した利根川氏を立花隆がインタビューしたもの。
僕自身は文系ですが、もともと生命科学には興味があったので非常に面白く読ませていただきました。

感想は3点です。
・サイエンスで答えにたどりつくまでの過程は非常にコンサルの世界に似ていると、今更ながら感じました(よく言われていることですが)
・このような複雑な生命システムがどのように生まれたのか、その発展過程に大変興味があります。そういう自己組織化的なことを解き明かすことは生物でも社会でも共通した面白さがあります。
・利根川氏は人間の精神も含めてすべてのことは物質的な法則で説明できると語っています。それは本当にそうだと思いますし、情緒的なことを抜きにして、いろんなことが科学で解明されていくことに期待しますが、一方ですべてがわからないまま自分たちはこのどんどんチキンレース的にスピードアップしていく社会で生きていかなければならないわけで、目に見ることのできる現象レベルでものごとを解き明かして動かしていく文系的なアプローチはこれからも必要なのだと思いました。


精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
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日本の未来について話そう

2011年07月10日 19時13分03秒 | よみもの
国内外の経営者や学者などさまざまな人物が語る日本の未来。
どうやら震災の前から企画されていたもののようですが、まさに時宜にかなった出版。

日本人の視点と外国人の視点、またさまざまな切り口から語られる日本の希望と課題を非常に興味深く読ませていただきました。あらためて「おい、どうした日本、何とかしろよ」という国外からの苛立たしさが伝わってきます。

ものすごく目新しいことは書いてなく、これまで多かれ少なかれ語られてきたことが大半ではありますが、私個人として非常に心に残ったのは、ロバート・ホワイティングというアメリカの作家が書いた野茂のメジャーリーグ進出についての論考です。
これまでの国内野球界のしきたりからはみ出し、まわりからの批判にもさらされながらあえて新天地に挑んだ野茂の行動が、その後ほかのプレイヤーがメジャーに挑戦する道を切り開きました。それが野球界にとってポジティブなことだったのかどうかは私にはよくわかりませんが、互いの顔色を観ながら牽制しあい、lose-loseの結果を招く日本社会にとって、非常に意義深く希望の持てるメタファーだと思います。

「出る杭は打たれる」社会を一日でも早く終焉させたいものですし、私自身も出る杭になる思いを新たにしました。


日本の未来について話そう
クリエーター情報なし
小学館
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あめりか(6終)

2011年06月22日 19時10分33秒 | 旅行記
アメリカで美味いレストランを見つけるのはなかなか難しいのですが(特に今回泊まったタイムズスクエア周辺はイマイチです)、今回はニューヨークに住む友人と元部下にいいところを紹介していただきました。

ニューヨークには高級店か裏さびれた下町しかないんじゃないかと思っていましたが、さすがはニューヨーク、雰囲気の良い地区があるものです。

そのうちのひとつがグリニッジ・ヴィレッジ。
ニューヨーク大学のまわりに、Sex and the cityを思い起こさせるような、落ち着いた住宅街とオサレな店が並んでいます。パリでたとえるならマレでしょうか。

アメリカでひさしぶりに人心地がつきました。こういうところに住めるならニューヨークも楽しいだろうなと思います。

今度来るときにはこの地区でホテルを探します。
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あめりか(5)

2011年06月20日 20時11分30秒 | 旅行記
数か月前に映画プロダクションの道を目指して退職した元部下を訪ねてコロンビア大学へ。

ちなみに僕はピースサインが嫌いで、常にやつらに勝利し続けていたいので、いつもグーです。
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あめりか(4)

2011年06月19日 12時48分13秒 | 旅行記
ニューヨークと言えばMOMAとメトロポリタン美術館。

今回はじめてメトロポリタンを訪問しましたが、その収蔵品の幅広さと、展示方法の秀逸さとモダンさに良い意味で期待を裏切られました。非常によく考えられていて飽きることがありません。

窓からはセントラルパークが見えたりして(写真)、ニューヨークにいることを思い出させてくれます。

ちなみに日本コーナーは他のコーナーと比べて客足がまばらで、さびしいかぎりです。昔は違ったのでしょうね。
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あめりか(3)

2011年06月17日 20時56分18秒 | 旅行記
生徒から風邪をうつされて、へとへとになりながらたどり着いたのはニューヨーク。
せっかくアメリカに来たのでどこかにストップオーバーしたいと思い、いろいろ考えた結果、ニューヨーク。本当はグランドキャニオンに行きたかったのですが。

今回で2回目なのでいまいちどこに何があるのかが分からない中で、どうしても観たかったのがバスケットボール。マディソン・スクエア・ガーデンにKnicksの試合を見に行きました。ちょうどカリメロ・アントニーが移籍したばかりでニューヨークは大盛り上がりです。

試合自体もとても面白いのですが(最後の数分で逆転負けしましたが)、試合が途切れたときも客を飽きさせない工夫が満載です。国家斉唱にはじまり、会場に来ているセレブを紹介したり、プロポーズするカップルを大写ししたり、そして極め付けはスポンサーを独占している中国政府観光局の肝いりで雑技団のショー(いやさすがにやることが大きいですね)。

本当に楽しいです。
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あめりか(2)

2011年06月16日 21時54分02秒 | 旅行記
マイアミが他の町と異なるのは、お金持ちの老人やヤッピーやセレブが楽しむ場所が多いことです。
トレーニング期間中も毎晩のようにサウスビーチのクラブで騒いで、それはそれで楽しいのですが、これが気が滅入るほどバブリーで、いまひとつ興ざめする要素のひとつとなっています。

たとえば、ある晩訪れたクラブでは、15人で2時間ほど過ごしたお会計が5千ドル。幹事がお会計の額を伝えるときの申し訳なさそうな顔が忘れられません。
こんなにお会計が膨らむ裏にはカラクリがあって、
①まず単価が高い。シャンパン1本で200ドル以上もします。
②ガブガブ飲めるように、テキーラのジュース割をどんどん作る
③で、ボトルが空いたら自動的に追加のボトルを運んでくる。そこで追加しないと店を追い出される。

というアコギな商売が、まあ他にやることも無いので殿様商売的にやっていけるわけです。
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あめりか(1)

2011年06月12日 09時47分02秒 | 旅行記
実は3月の初旬に、会社の研修の講師としてアメリカに行っていました。
研修を受けるのはそれはそれでいろいろ演習とかがあって大変なのですが、教える方は準備して授業したり参加者からの質問に答えたり、演習に対して講評をしなければならないのでもっと大変です。

直前に決まったので、行きの飛行機の中の暗がりでプレゼン資料や演習に目をとおしているうちに気が付いたらシカゴ到着。
いつもは機内で退屈でしかたがないのですが、今回ばかりはもう少し時間をくれよと思ってしまいます。

シカゴ空港で乗り継ぎ便を待っていると、中国人旅行客の中年夫婦に、切符片手に中国語で話しかけられました。
ようやく中国人をみつけたと顔を輝かしていたのですが、残念ながら僕は中国人によく間違えられる日本人に過ぎないので、「すみません、私は中国語を話せません」と中国語で答えてポカンとされるというお約束の展開で解放してもらいました。本当に気の毒なことで、もっと中国語を勉強して最後まで通せるとよかったのですが。

機内に乗り込むとあまりものアメリカらしさにクラクラします。
・めまいの原因① 20代の美しい女性がチューインガムを何度も風船みたいにふくらませてパチンと破裂させていました。
・めまいの原因② ドアが閉まった後、外からノックの音が聞こえるので、乗客が「オーイ、何か呼んでるよ」とスチュワーデスを呼んでドアを開けてもらうと、外から空港職員のオバチャンが「ポット渡すの忘れてたわ、アハハハ」

でも、アメリカは基本的に親切で気さくな人が多く、明るい気持ちになります。(昨日の記事と矛盾するようですが)
マイアミは雪の積もるシカゴとは一転、太陽がギラギラです。



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疾走中国

2011年06月11日 15時53分32秒 | よみもの
政治的脅威や日中の違い、または儲ける視点から書かれたいわゆる「中国論」を脱した中国の本当の姿を知りたいと思い、手に取った本です。


疾走中国 ─ 変わりゆく都市と農村
クリエーター情報なし
白水社


アメリカ人ジャーナリストが、万里の長城に沿って西の端までドライブした旅行記、北京郊外の昔ながらの生活を続ける村に暮らしながら目にした中国の変化、そしてまさに中国の成長のドライバーである工場に密着した記録、と3部構成で中国のいまを描いています。非常に面白いです。

世界のいろいろなところに旅をして(もしくはテレビ番組を観て)よく思うのは、結局、人間や人間の生活はどこにいっても(極度に貧しい暮らしをしている人たちや原始的、もしくは周りから隔絶された生活をしている人たちを除いて)、お互いが理解しあえないほど大きく違うわけではないということで、この本を通しても同じようなことを感じます。国ごとの違いよりもそこに暮らす人たちの中で多様性の方が大きいということです。
私たちはつい、なになに人は・・・、とか、コーラとジンでアメリカ人、とか、簡単にくくってしまいがちで、その方が理解した気になれて腹落ちも良いのですが、目の前にいるひとの個別性に触れて理解するということがなければ本当の理解につながらないということですね。

最近、共通する性質をくくりだして描写するベクトルと、個別性を理解するベクトルとの間でのバランスがすごく大切だと感じます。コンサルをやっていると特に。



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戦略コンサルティングのいま

2011年06月05日 21時06分46秒 | よみもの
わが国のトップ戦略コンサルタントに名を連ねる2人による対談集。

戦略コンサルタントに求められる役割は、企業側の能力や環境の変化にともなって進化することを求められているわけですが、そうした最前線にあって、戦略コンサルティングのあるべき方向性について語りつくしています。

プロフェッショナルコンサルティング
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


個別の見解では、必ずしも完全には同意できない、もしくは判断を留保せざるを得ない部分もありますが、いま何が論点になっているかを理解することができる点、観念論や美学ではなく「具体的に」議論している点、そしてコンサルティングという活動をとおして真摯に日本を良くしていこうという姿勢が非常に素晴らしいと思います。

コンサルティングに興味のある方、また特に業界の仲間のみなさんにお薦めします。
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