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傷だらけの男たち

2007-07-07 | 新作
「インファナル・アフェア」を撮ったアンディ・ラウ監督が再びトニー・レオン主演で作った作品。

恋人を自殺で失った刑事、ポンは、退職して私立探偵となり、酒浸りの日々を送る。一方、ポンの上司だったヘイは金持ちのチャウの娘スクツァンと結婚し、幸せな生活を送っている。そんな中、チャウが自宅で惨殺される事件が起こる。犯人はすぐに捕まるが、不審に思ったスクツァンはポンに独自の調査を依頼。ヘイも協力することになる。

真犯人がヘイだということを早い段階で示し、その動機や犯行までの経緯をラストに向かって少しずつ解き明かしていくという展開。どこか「インファナル・アフェア」的な雰囲気を残しつつ、ギャング映画的な要素を取り去って人間ドラマとして発展させたような作品だ。

残念なのはヘイを演じたトニー・レオン。一見すると真面目で幸せな刑事で、裏では冷酷な殺人犯で、しかし秘密の過去を抱えている、という役を完全に自分のものにはできていないように思えた。ただの悪役にしか見えず、「インファナル・アフェア」のときのような強烈な輝きはなかった。

この作品はレオナルド・ディカプリオ主演でのリメークが決まっているという。ディカプリオには今度こそトニー・レオンを超える演技を期待したい。

公式サイト:http://drywhisky.com/
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評価:★★★★