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kazhik.movie

観た映画の感想など

ぐるりのこと。

2008-06-26 | 新作
キッチリした性格の翔子は、ノンビリした夫のカナオをルールで縛り、セックスは週三回と決める。いっしょに仕事を始めるかのように寝室へ誘う翔子にカナオはしぶしぶ従う。そんな二人のあいだに子どもができたが、幼くして死んでしまう。翔子の心は少しずつ壊れはじめる。

監督は『ハッシュ!』の橋口亮輔。前作とは異なり、今回は脇役の俳優が豪華だ。倍賞美津子、柄本明、寺島進などのベテランに、加瀬亮も小さな役で出てくる。『ハッシュ!』の主役も登場し、ちょっと嬉しい気分にさせられた。

翔子が少しずつ壊れていっても、カナオはほとんど変わらずマイペース。翔子が激しく感情をぶつけても淡々と受け流すだけだ。これじゃあ壊れていく一方だな、と思いながら見ていたら、逆の展開になった。翔子がなぜ立ち直ったのか、今ひとつ分からなかった。私はまだ人生経験が足りないのか。しかし翔子役の木村多江は主演女優賞に値する演技だった。

公式サイト:http://www.gururinokoto.jp/
評価:★★★★
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ザ・マジックアワー

2008-06-20 | 新作
三谷幸喜監督のコメディ。

街を牛耳るギャングのボスの愛人に手を出したことがバレてしまい、絶体絶命のピンチに陥った備後。彼は命を助けてもらう見返りにボスを狙った殺し屋を探すことになる。しかし探す手がかりすらない。そこで彼は映画監督を装って売れない俳優の村田に接触し、アドリブで殺し屋を演じるように仕向けてボスに紹介する。村田は殺し屋を演じているつもりでボスに会い、ボスは本物の殺し屋として村田に接する。

村田を演じるのは佐藤浩市、備後は妻夫木聡、ボスは西田敏行。その他、綾瀬はるか・深津絵里などキャストは超豪華で、主役級の俳優が何人も端役で出てくる。それぞれ強い個性を放っていた。しかし、映画作品としては今ひとつだった。「有頂天ホテル」と同様、主役級が多すぎて焦点がぼやけてしまったように感じた。

俳優を騙して殺し屋を演じさせる、という設定は面白かったが、それで二時間もたせるのは無理だ。実弾で銃撃戦をやっても芝居だと信じつづけるなんてありえない。バカバカしくなってしまって入り込めなかった。


公式サイト:http://www.magic-hour.jp/
評価:★★★
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最高の人生の見つけ方

2008-05-24 | 新作
大富豪のエドワードと自動車修理工のカーターが病院で同室となる。二人はともに末期ガンで、余命数ヶ月。ある日、エドワードはカーターが書いた「棺桶リスト」を目にする。死ぬまでにやりたいことのリストだという。カーターにとっては落書きのようなものだったが、エドワードは実行することを提案する。

エドワード役はジャック・ニコルソン、カーター役はモーガン・フリーマン。この配役に惹かれて見に行った。実際、この二人がほとんど全てだった。たまたま数日前に「死ぬまでにしたい10のこと」を見たばかりだったので、二番煎じのように感じてしまった。死ぬ前にやりたいのが世界旅行、というのは二人とも人間として底が浅すぎるし、二人が最後にたどりつく結論も退屈きわまりないものだった。


公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/
評価:★★★★
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光州5・18

2008-05-18 | 新作
1980年に韓国で起きた光州事件を描いた作品。

タクシーの運転手をしているミヌ、弟の高校生ジヌ、看護師のシネは、学生のデモに対する軍の激しい弾圧に出会う。ジヌは同級生が軍に殺されたことで立ち上がり、自らデモに参加するようになる。政治に関心のないミヌ、シネも否応なく巻き込まれていく。

民主化を求める市民に対し、軍部は徹底的な弾圧で応える。デモを解散させるだけでは飽き足らず、参加者を一人一人追い回して叩き殺す。そんなやり方は市民の怒りを高め、ついに市民は武器庫を襲撃して武装し、全羅南道庁を占拠する。

光州事件を正面から取り上げた作品は韓国でこれが初めてらしい。学生のデモに一般市民が合流し、さらに市民軍が結成されていく過程がしっかりと描かれていた。全斗煥の軍部に対する民主化闘争を描く、という観点ではなく、身近な人を殺されて憤激した市民の闘いを描く、という観点に立っているのも現在の作品としては適切だと思う。素直に入りこめた。


公式サイト:http://may18.jp/
評価:★★★★★
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ぼくたちと駐在さんの700日戦争

2008-05-06 | 新作
田舎町で駐在所の警察官(駐在さん)とママチャリをはじめとする地元の高校生がイタズラ合戦を繰り広げる。駐在さんがスピード違反の取締りを行っているところを自転車でスピード違反したり、駐在所にエロ雑誌を置いたり、落とし穴を掘ったりするママチャリたちに対し、駐在さんも大人げなく反撃する。エロ雑誌を学校の駐輪所に置いてあるママチャリの自転車に返したり、ママチャリたちをパトカーに乗せて山道の途中に置き去りにしたり。

原作はブログ。タイトルから「ぼくらの7日間戦争」みたいな内容をイメージしていたが、「7日間戦争」が厳しい校則を押しつける教師たちとの戦争というシリアスなテーマだったのに対し、こちらはひたすら軽薄なイタズラ合戦だった。しかしこれはこれで楽しめた。むしろ、後半で病気の女の子が出てきて泣かせる展開になったのが不満なくらいだ。最後までバカバカしく突っ走ってほしかった。

公式サイト:http://bokuchu.gyao.jp/
評価:★★★★★
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

2008-04-28 | 新作
石油の採掘で成功する男を中心に据えてアメリカン・ドリームの裏側を描いた作品。

ダニエルは商談の場に小さな息子を連れていき、家族を大切にする男を演出する。しかし実際には息子を利用しているだけで、息子も成長するにつれて父から離れていく。弟だと言って訪ねてきた男は、実は成りすましだということが判明する。一方、石油を採掘するために買った土地に住む宣教師のイーライは、ダニエルを使って自分の教会を成長させようと目論む。

ダニエルを演じたダニエル・デイ=ルイスの演技がほとんど全てだ。カルト的な宣教師のイーライも強烈なキャラクターだったが、ストーリーの中での位置付けがもう一つハッキリしていないように感じた。最後の決着は唐突すぎた。息子との関係が変わっていく経緯もよくわからなかった。

公式サイト:http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/
評価:★★★★
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静かなる決闘

2008-04-20 | 新作
東京芸術センターで黒澤明監督の「静かなる決闘」を上映していた。

戦争中、軍医として働いていた藤崎恭二は、梅毒にかかっていた患者を手術している途中に指を切り、その傷口から患者の梅毒(スピロヘータ)に感染してしまう。当時、梅毒は数年かけて治療しても治るかどうか分からない病気だった。戦後、恭二は病気のことを婚約者の松木美佐緒にも告げることができず、ただ結婚できないという結論だけを伝えた。病気のことを言えば美佐緒は治るまで何年でも待つだろうと予想できたからだ。美佐緒はもちろん納得せず、なぜ結婚できないのかを繰り返し問い質す。恭二が梅毒にかかっていることを偶然知った見習い看護婦の峰岸るいは、当初は他の女性との性交渉で梅毒をうつされたと思い込むが、本当の事情を知って恭二を尊敬するようになる。

美佐緒を愛しているからこそ突き放すしかない、という恭二の葛藤がメイン。彼がずっと抑えつけていた彼女への思いをぶちまけるシーンには泣かされた。演じる三船敏郎はスマートな男前で、「七人の侍」などのギラギラした侍とは全然違っていた。

会場の隣には黒沢作品の資料が展示されていて、黒沢監督の下で働いたことがある方にいろいろ解説していただいた。黒沢監督のエピソードも聞くことができた。アツい人だった。

公式サイト:なし
評価:★★★★★
トラックバック先:なし

モンゴル

2008-04-19 | 新作
若き日のチンギス・ハーン、テムジンを描いた作品。

9歳のとき、テムジンは村の頭領(ハーン)である父イェスゲイに連れられて敵対部族の村へと向かう。そこで許嫁を選び、友好関係を結ぶためだ。しかしテムジンは道中に立ち寄った村でボルテに出会い、彼女を許嫁とする。帰路、イェスゲイは別の敵対部族に毒殺され、さらに彼の部下のタルグタイが裏切ったことにより、テムジンの運命は一気に暗転する。

アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされ、ようやく日本での公開が決まったらしい。あまり宣伝もされていない気がするが、Yahoo!映画での評価が高かったので観に行った。

テムジンがなぜチンギス・ハーンとして成功したかはあまり掘り下げられず、最愛の妻ボルテ、盟友であるとともにライバルのジャムカとの人間関係がストーリーの中心になっている。家族を奪われたり囚われの身となったりする展開が長い。ほとんど予備知識なしで見たので、チンギス・ハーンの影で死んでいった男のストーリーなのかと思ってしまったほどだ。

だだっ広い草原で騎馬隊同士が激突する戦闘シーンは圧巻。血が飛び散るシーンがなぜか詩的で、残虐さを感じさせなかった。モンゴルの文化から少し距離を置こうとするテムジンを日本人の浅野忠信が演じるというキャスティングも当たりだと思う。続編がありそうなので楽しみに待ちたい。


公式サイト:http://www.mongol-movie.jp/
評価:★★★★★
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

2008-04-04 | 新作
1971年に結成され、わずか数ヶ月であさま山荘事件によって瓦解した連合赤軍の全体像を描いた作品。

ブント内で闘争の方針をめぐって対立が起こり、武装闘争をめざして赤軍派が分かれる。日本共産党(革命左派)神奈川県委員会も武装闘争を激化させていく。両派は連合赤軍を結成する。連合赤軍は山に入って軍事訓練を始めるが、参加メンバーに対する指導部の姿勢が次第に厳格なものになっていく。化粧している、不満をもらした、などといった些細な言葉や行動が問題視され、本人による「総括」が要求された。それを援助するという名目で殴る蹴るの暴行が行われるようになり、さらには「総括」を飛び越えて処刑される者まで出た。そのようにして12名が殺された後、指導部の森恒夫と永田洋子が別行動中に逮捕。残ったメンバーのうち5名が逮捕を免れ、あさま山荘に人質を取って立てこもった。数日間にわたる銃撃戦の後、5名は逮捕され、連合赤軍は壊滅した...以上の全過程を丁寧に追っている。若松孝二監督は連合赤軍の関係者と親しく、この作品も連合赤軍の視点で作られたものだ。今の日本で完成させたのは奇跡に近い。

赤軍派も革命左派も脱落者の問題に悩まされており、内部的な引き締めを強めていたことや、両派のあいだに微妙な緊張関係が存在したことなど、リンチ事件の背景がしっかりと説明されている。森恒夫と永田洋子が悪い、という安易な図式になっていないところはさすがだ。連合赤軍を扱った映画作品としては『光の雨』と『突入せよ! あさま山荘事件』があるが、歴史的事実を確認できる作品は今回の作品だけ、と言ってよさそうだ。

とはいえ、まるごと称賛できるわけでもない。

エキストラを使って数千人規模の集会を撮影する資金がなかったためか、序盤のシーンに出てくる各派のリーダーによる演説は室内でのものばかりだった。俳優たちも当時の政治的な言葉をよく理解していないようで、演説が空回りしていた。その結果、国家権力に対しても他党派に対しても暴力の行使は積極的に行われていたし、そこそこ支持されてもいた、という点が伝わってこなかった。あさま山荘に機動隊が突入する寸前のシーンでは、もっとも若い活動家がリンチ事件を振り返って「みんな勇気がなかったんだ」と叫ぶ。エスカレートしていく「総括」に何人ものメンバーが疑問を感じながら、リンチか処刑の対象になることを恐れて沈黙してしまった、という意味だ。森恒夫と永田洋子に全責任を押し付けているわけではないとしても、結局はそうしているのとたいして変わらない。その結果、仲間を次々に殺していったリンチ事件が凄惨に描かれるのに対し、「権力と戦った」あさま山荘事件に対する批判的描写はほとんどなかった。しかし、立てこもったメンバーは山荘の管理人を人質にとり、入口に近づいた市民を殺している。これは仲間に対するリンチ以上に非難されるべき行為のはずだ。

大学闘争が峠を越え、運動は行き詰まっていたのに、戦術を過激化させれば局面を変えることができると考えたのが全く間違いだった。過激な戦術は運動を行き詰まりから破産へと導いただけだった。そう捉えなければ連合赤軍の問題は片付かないように思える。

連合赤軍については以前にも間接的な形で書いたことがある。この問題は本当に難しい。

公式サイト:http://wakamatsukoji.org/
評価:★★★★★
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4ヶ月、3週と2日

2008-04-01 | 新作
妊娠中絶が違法だったチャウシェスク政権末期、大学生のガビツァがヤミで中絶を行った一日を、付き添ったルームメイトのオティリアの視点で描く。

中絶手術に使うホテルはガビツァが予約したはずだったが、オティリアが行ってみるとどういうわけか予約が取れていない。やむをえず別のホテルを使うことになる。医師のベベとはガビツァが待ち合わせることになっていたのに、直前になってガビツァはオティリアに代わりに行ってくれるよう頼む。ベベは「約束が違う」と怒り、報酬として二人が用意した金額も足りないという。

やや身勝手なガビツァに振り回され、金次第のベベに理不尽な要求を突きつけられながらも、オティリアは中絶を成功させようとする。彼女が置かれている状況もガビツァとそれほど変わらないからだ。彼女は中絶に協力したことを恋人のアディに告げ、私が妊娠したらどうするのか、と問い詰める。彼からは曖昧な答えしか返ってこない。

描かれているのは共産党政権下で女性たちが置かれた厳しい状況だ。しかし単に特殊な状況を描いたというだけにとどまらない普遍性を感じた。ガビツァ、ベベ、アディのキャラクターがよくできているためだと思う。それぞれひどい人間なのだが、根っからの悪党というわけではなく、どこにでもいそうな感じだった。

公式サイト:http://www.432film.jp/
評価:★★★★★
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ノーカントリー

2008-03-24 | 新作
狩りをしていて偶然銃撃戦の現場を発見し、現金200万ドルを手に入れたルウェリン・モスを、200万ドルを奪い返すよう依頼された殺し屋のアントン・シガーが追う。保安官のエド・トム・ベルは追われるモスを保護しようとする。

シガーはボンベが付いた独特な銃を使い、偶然会っただけの人間や自分に協力してくれた人間を冷淡に殺していく。一方、モスも他人を頼ろうとしない孤高の男で、家族を安全な場所に逃がし、200万ドルが入ったスーツケースに発信器が入っていることを見抜き、シガーに反撃する。どこか似ている二人によって緊迫感あふれる追跡劇が展開され、引き込まれた。

しかし、追跡劇があっけなく終わったところで展開がまったく理解できなくなってしまった。途中までは「凶悪な敵を間一髪でかわしつづけ、最後にギリギリのところで倒す」というハリウッド映画の定番ストーリーに沿っていたので、そういう作品として見ていた。それが失敗だったようだ。シガーの不条理な連続殺人を追いかけるつもりで見ていればアカデミー賞を取った理由が理解できたかもしれない。

公式サイト:http://www.nocountry.jp/
評価:★★★★
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バンテージ・ポイント

2008-03-17 | 新作
アメリカ大統領がスペインで演説中に狙撃される事件を様々な視点から描く。

シークレットサービスは、現場付近に不審な動きがあるのに気づき、警戒を強めたところで狙撃が起こる。聴衆は、ビデオカメラで演説会場を撮影しているとシークレットサービスが何かを警戒しているのに気づき、その方向を撮影して犯人らしき人影を捉える。そして犯人グループは...といった構成で、現場にいた関係者の視点から少しずつ事件を切り取り、最後に全体像を見せる。

事件は誰の思いどおりにも進展しない。誰もが目の前の事実しか知らず、自らの基準で行動し、そうすることで全体としての事件の進行に影響を与える。その過程を並列で見せるという構成はリアリティにあふれた斬新なものだった。

テロが素材になっているが、政治的なメッセージはほとんど含まれていない。作品のエネルギーは謎解きとアクションに集中している。おかげで素直に楽しむことができた。

公式サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/
評価:★★★★★
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奈緒子

2008-03-08 | 新作
奈緒子は12歳のとき、長崎の波切島を訪れ、海に溺れる。すぐに救助されたが、救助した健介は行方不明になってしまった。健介の息子、雄介は「お父ちゃんを返せ!」と奈緒子をなじる。数年後、高校生になった奈緒子は再び波切島を訪れ、雄介が所属する陸上部のマネージャーとして夏合宿を手伝うことになる。部員たちは秋の駅伝大会を目指して猛練習を重ねる...

奈緒子を演じるのは上野樹里。短距離選手だったこともあるので適役かと思っていたが、実際にはマネージャー役なのであまり走らない。彼女自身のセリフを使えば「ただ見ているだけ」の存在でしかなかった。ストーリーの軸になるべき奈緒子と雄介の関係も途中で忘れられたかのようだった。代わりに後半の軸になっていた駅伝シーンは全くリアリティがなくて最悪の出来。いったんレースから脱落し、フラフラになった選手が再びトップに追いつく、などという展開がトップレベルの大会で起こるわけがない。走る直前の選手は緊張感でピンとはりつめているのが普通なのに、どの登場人物にもそんな雰囲気がなかった。この作品を作った人たちは駅伝の中継を一度も見たことがないのだろうか。

公式サイト:http://www.naoko-movie.com/
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評価:★★

明日への遺言

2008-03-01 | 新作
太平洋戦争末期、岡田資中将が率いる部隊が名古屋空襲に参加した米軍機を撃墜し、搭乗していた兵士を処刑した。そのために岡田はB級戦犯として戦後に裁かれることになる。法廷で岡田は「米軍の空襲は無差別爆撃で、国際法違反であり、兵士を処刑するのは正当」と主張した。岡田の堂々たる主張は、アメリカ人弁護士の誠実な姿勢もあり、検事や裁判長の心に響いていく。

東条英機を主人公にした「プライド」みたいな作品をイメージしていたが、全然違った。戦犯法廷は勝者が敗者を一方的に裁いただけのもの、という主張が多い中、この作品が描いているのは被告人の発言の機会を十分に保障する公平な法廷だ。米軍の空襲は国際法違反ではないのか、という問いかけにも説得力があった。だからといって末端の兵士を処刑してよいわけではなく、岡田の主張が成り立っているようには見えなかったのだが。

しかし法廷シーンが延々と続くのでやや単調。眠くなってしまった。

公式サイト:http://www.ashitahenoyuigon.jp/
評価:★★★
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チーム・バチスタの栄光

2008-02-10 | 新作

難しい心臓手術を26回連続で成功させてきた東城大学附属病院のチームが、27回目から3回連続で手術に失敗し、患者を死なせてしまう。原因はチームのメンバーにも分からず、心療内科の田口が調査にあたるが、いったんは「問題なし」との結論に至る。ところが、そこに厚生労働省から白鳥が乗り込んできて「これは殺人だ」と断定、田口とともに再調査を始める。

田口と白鳥の掛け合いはコメディ調なのに、田口役の竹内結子がコメディの間をつかみきれていないので、白鳥役の阿部寛も不完全燃焼に終わっている。手術失敗の原因解明はシリアスに進むが、手術チームの個々の人物像の掘り下げが足りず、謎解きに深みがなかった。コメディならコメディ、謎解きなら謎解き、ともう少し色をハッキリ出してほしかった。コメディの要素を取り去ると阿部寛はミスキャストになってしまうが...あるいは阿部寛が入ったのが間違いの元だったのかもしれない。

手術のシーンで切り開かれた心臓が繰り返し映し出されるのは結構グロい。マトモに見れなかった。私が以前心臓の手術を受けたことがあるせいだろうか、自分の心臓が切られているような気分になった。

公式サイト:http://www.team-b.jp/
評価:★★★★
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