中岡慎太郎は、竜馬より3歳年下である。竜馬に輪をかけ
たように、日本中を駆け抜けていった。というのは、京都
河原町の近江屋で、竜馬と慎太郎は暗殺されてしまった。
竜馬は即死、慎太郎は三日ほど生きながらえたという。
竜馬とはうまが合った。竜馬とひさしぶりに会った慎太郎
はこんな会話をしている。
「竜馬久しぶり」わらじを解き始めると、
「お洗いいたしましょうか」と竜馬が言う。
中岡慎太郎との話は、心地良いのであろう。以心伝心で、
話が早いのである。
「土佐藩は、かわりつつある」と中岡慎太郎は言った。
後藤象二郎との話も、それなりの感触があったのであろう。
「陸援隊」の話も、瞬間的に内容を直感した。竜馬は、
「陸援隊といっただけでわかったのか」ときいている。
並みの人間同士の会話ではない。中岡慎太郎はこの後、
さらに精力的に動き回り、大政奉還への地ならしをする
ことになる。
竜馬と中岡慎太郎との違いは、通信で例えるのならば、
竜馬はインターネット型、行き着く先は同じでも、
途中はまるで違う。中岡慎太郎は電話型で目標に向けて
まっしぐらというような性格の差はある。
司馬さんは、小説の中でこんなことを書いている。
竜馬は、酒のかわりに、蜂蜜を溶かしたものを飲んでいる。
中岡も酒は飲まず、茶ばかり飲んでいた。
この二人にとって、血を酔わしめるものはもはや酒より
も、革命計画なのであろう。
「天下はいまいかにすべきか、ということがついにつかめた。
戦の一字だ」こんな時期にさしかかっている。
次回予告 陸奥宗光
たように、日本中を駆け抜けていった。というのは、京都
河原町の近江屋で、竜馬と慎太郎は暗殺されてしまった。
竜馬は即死、慎太郎は三日ほど生きながらえたという。
竜馬とはうまが合った。竜馬とひさしぶりに会った慎太郎
はこんな会話をしている。
「竜馬久しぶり」わらじを解き始めると、
「お洗いいたしましょうか」と竜馬が言う。
中岡慎太郎との話は、心地良いのであろう。以心伝心で、
話が早いのである。
「土佐藩は、かわりつつある」と中岡慎太郎は言った。
後藤象二郎との話も、それなりの感触があったのであろう。
「陸援隊」の話も、瞬間的に内容を直感した。竜馬は、
「陸援隊といっただけでわかったのか」ときいている。
並みの人間同士の会話ではない。中岡慎太郎はこの後、
さらに精力的に動き回り、大政奉還への地ならしをする
ことになる。
竜馬と中岡慎太郎との違いは、通信で例えるのならば、
竜馬はインターネット型、行き着く先は同じでも、
途中はまるで違う。中岡慎太郎は電話型で目標に向けて
まっしぐらというような性格の差はある。
司馬さんは、小説の中でこんなことを書いている。
竜馬は、酒のかわりに、蜂蜜を溶かしたものを飲んでいる。
中岡も酒は飲まず、茶ばかり飲んでいた。
この二人にとって、血を酔わしめるものはもはや酒より
も、革命計画なのであろう。
「天下はいまいかにすべきか、ということがついにつかめた。
戦の一字だ」こんな時期にさしかかっている。
次回予告 陸奥宗光