[これまでのお話]
妖精の畑から野菜を盗んだ代償として譲られたラプンツェル。妖精はラプンツェルを大層気に入り、塔の中で箱入れ娘として育てていました。ラプンツェルはとても暇です。
さて、ある時近くの王子様が塔のそばを通りました。
その時、折りしもラプンツェルが暇つぶしに歌を歌っておりました。
「……」
王子様は高い塔の上にいるラプンツェルに一目惚れし、何とか彼女のところへ行きたいと思いました。しかし、塔には入口がない上に、近くに梯子のようなものもないので、上がる方法がありません。
「むむぅ、しかし、何か方法があるはず…」
王子様はしばらく様子を見ることにしました。
しばらく待っていると、妖精が現れました。妖精は上に向かって声をかけます。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの髪を垂らしておくれ」
「は~い」
ラプンツェルは不承不承という感じで塔の上から髪を垂らしました。すると、それがなんと地面まで届いてきました。妖精はそれをつかみながら塔をあがっていきました。
「何と奇怪な。しかし、ああやれば入れるのか」
王子様は得心し、またしばらく待つことにしました。半日ほどすると妖精が髪の毛をつたって降りてきました。そのまま妖精はどこかへ出かけていきました。
王子様は塔の上に向かって声をかけました。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの髪を垂らしておくれ」
「えぇ~っ、面倒臭いわねぇ」
先ほど下りたばかりじゃないのと愚痴りながら、ラプンツェルは髪の毛を垂らしました。王子様はそれをつたって昇っていきました。
「あ、あれれ?」
ラプンツェルは現れたのが妖精でないことに驚きました。しかし、暇つぶしになりそうなことと、王子様が中々いい男だったので気にしないことにしました。実際王子様はカメラマンの才能もありましたので、色々な写真を持ってきたり、またラプンツェルの写真も撮ったりしました。
こうして、妖精のいない時に二人は密会をするようになりました。
しばらくして…
妖精がいつものように塔に来ました。しかしいつもと勝手が違います。
「この馬鹿め!」
妖精は激怒していました。
「お前はあたしに隠れて何てことをしてくれたんだい!」
「な、何の話?」
「おまえの写真が話題になっているのさ。
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勝手に子供まで作るとは、とんでもない奴だ。あたしが気付かないとでも思ったのかい!!」
妖精は怒りのあまりにラプンツェルの美しい髪の毛を切り落としてしまい、そのまま塔から追放してしまいました。
「二度と帰ってくんじゃないよ!」
「…元々いたくていたわけじゃないのに…」
ラプンツェルもムッとなりましたが、今まで妖精のおかげで生活できていたラプンツェルにはまっとうな生活の仕方が分かりません。しばらくしてラプンツェルは双子の子供を産みましたが、暮らし方が分かりません。
しかし、幸いラプンツェルには発達障害があったことが認められ、心理分野の専門家が支援してくれました。
ニートに「発達障害」の疑い、支援に心理専門職も(読売新聞)
そのため、しばらくするとラプンツェルは働いて暮らすことができるようになりました。ラプンツェルは「塔にいた頃は楽だったなぁ」と思いつつ、日々働いて子供を育てていきました。
さて、そうと知らない王子様が再び塔にやってきました。そしていつものように声をかけました。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの美しい髪の毛を垂らしておくれ」
するといつものように髪がスルスルと伸びてきましたので王子様は昇っていきました。しかし、そこにいたのはラプンツェルではなく、ラプンツェルの髪の毛を抱えた妖精でした。
「おまえだね、あたしのラプンツェルに手を出したのは…全く、何てことをしてくれたんだい。あたしゃあんたを絶対に許さないよ」
「くっ…」
王子様は慌てて逃げようとしますが、妖精はそれより早く王子様に飛びかかりました。
「あたたた(●`・ω・)=O)`-д゜)、あたぁ、あたぁ○`ε´)=○)゜O゜)☆、うをああぁぁっちゃぁぁぁぁ゜・゜*・(゜O゜(☆○=(`◇´*)o!!」
「ぐわああああっ!」
妖精の無数の突きを受け、王子様は反対側の壁にめりこんでしまいました。
「ラプンツェルの形に秘孔を突いた。あんたの命はあと3分! その間にじっくりと己が所業を後悔するんだね」
妖精が勝ち誇ります。王子様は呻きながら、ラプンツェルに一目合わせて欲しいと頼みますが、妖精は「あの子は追い出した。もう生きているかすら定かでないよ」とにべもありません。王子様は絶望し、号泣しました。
「ううっ、し、しかし、私にも男の意地がある。お前の拳法では死なん!」
王子様は塔の外壁によじのぼりました。
「さらばだケンシロウ妖精よ!」
王子様は高い塔から身を投げました。妖精はアッと驚いた後、
「……ふふふ、やるじゃないのさ」
と充実した表情を見せます。
「あんたはあたしと同じ女を愛した漢(おとこ)であり、そして強敵(とも)だった。墓くらいは作ってやるかね…」
妖精は熱病にうなされたかのようなことを口走り、塔の下へ降りました。
「おやま…」
しかし、死んだと思われた王子様は辛うじて息がありました。しかも、落下の衝撃で回復の秘孔が刺激されたらしく、3分経過しても大丈夫でした。しかし、いいことばかりではなく、落下の衝撃で王子様は目が見えなくなっていました。
「おやまぁ、目が見えなくなってしまったんだね。可哀相だけどあたしにはどうするともできないねぇ」
王子様は笑いました。
「…フ、フフフ。だが、それがいい」
「…?」
「目が見えなくても心の目が見える。私は今まで王子という衣に包まれ、ちやほやされていた。そのせいで私は現状に甘んじ、いつしか大切なものが見えなくなっていたような気がする。
しかし今、強敵(とも)と出会い、そして拳を交えたことにより、私の心の目は再び見開かれた。その代償と思えばこの両目、惜しくはない」
「…そうかい。ラプンツェルはどこかで生活しているかもしれない。また会えるかもしれないから頑張りな」
「…ああ。さらば強敵よ」
少し前までの経緯を完全に水に流し、妖精と王子様は別れました。
さて、後半はグリムではなく、「北斗の拳」でしたが、話は元に戻るのでしょうか?
妖精の畑から野菜を盗んだ代償として譲られたラプンツェル。妖精はラプンツェルを大層気に入り、塔の中で箱入れ娘として育てていました。ラプンツェルはとても暇です。
さて、ある時近くの王子様が塔のそばを通りました。
その時、折りしもラプンツェルが暇つぶしに歌を歌っておりました。
「……」
王子様は高い塔の上にいるラプンツェルに一目惚れし、何とか彼女のところへ行きたいと思いました。しかし、塔には入口がない上に、近くに梯子のようなものもないので、上がる方法がありません。
「むむぅ、しかし、何か方法があるはず…」
王子様はしばらく様子を見ることにしました。
しばらく待っていると、妖精が現れました。妖精は上に向かって声をかけます。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの髪を垂らしておくれ」
「は~い」
ラプンツェルは不承不承という感じで塔の上から髪を垂らしました。すると、それがなんと地面まで届いてきました。妖精はそれをつかみながら塔をあがっていきました。
「何と奇怪な。しかし、ああやれば入れるのか」
王子様は得心し、またしばらく待つことにしました。半日ほどすると妖精が髪の毛をつたって降りてきました。そのまま妖精はどこかへ出かけていきました。
王子様は塔の上に向かって声をかけました。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの髪を垂らしておくれ」
「えぇ~っ、面倒臭いわねぇ」
先ほど下りたばかりじゃないのと愚痴りながら、ラプンツェルは髪の毛を垂らしました。王子様はそれをつたって昇っていきました。
「あ、あれれ?」
ラプンツェルは現れたのが妖精でないことに驚きました。しかし、暇つぶしになりそうなことと、王子様が中々いい男だったので気にしないことにしました。実際王子様はカメラマンの才能もありましたので、色々な写真を持ってきたり、またラプンツェルの写真も撮ったりしました。
こうして、妖精のいない時に二人は密会をするようになりました。
しばらくして…
妖精がいつものように塔に来ました。しかしいつもと勝手が違います。
「この馬鹿め!」
妖精は激怒していました。
「お前はあたしに隠れて何てことをしてくれたんだい!」
「な、何の話?」
「おまえの写真が話題になっているのさ。
勝手に子供まで作るとは、とんでもない奴だ。あたしが気付かないとでも思ったのかい!!」
妖精は怒りのあまりにラプンツェルの美しい髪の毛を切り落としてしまい、そのまま塔から追放してしまいました。
「二度と帰ってくんじゃないよ!」
「…元々いたくていたわけじゃないのに…」
ラプンツェルもムッとなりましたが、今まで妖精のおかげで生活できていたラプンツェルにはまっとうな生活の仕方が分かりません。しばらくしてラプンツェルは双子の子供を産みましたが、暮らし方が分かりません。
しかし、幸いラプンツェルには発達障害があったことが認められ、心理分野の専門家が支援してくれました。
そのため、しばらくするとラプンツェルは働いて暮らすことができるようになりました。ラプンツェルは「塔にいた頃は楽だったなぁ」と思いつつ、日々働いて子供を育てていきました。
さて、そうと知らない王子様が再び塔にやってきました。そしていつものように声をかけました。
「ラプンツェル、ラプンツェル、おまえの美しい髪の毛を垂らしておくれ」
するといつものように髪がスルスルと伸びてきましたので王子様は昇っていきました。しかし、そこにいたのはラプンツェルではなく、ラプンツェルの髪の毛を抱えた妖精でした。
「おまえだね、あたしのラプンツェルに手を出したのは…全く、何てことをしてくれたんだい。あたしゃあんたを絶対に許さないよ」
「くっ…」
王子様は慌てて逃げようとしますが、妖精はそれより早く王子様に飛びかかりました。
「あたたた(●`・ω・)=O)`-д゜)、あたぁ、あたぁ○`ε´)=○)゜O゜)☆、うをああぁぁっちゃぁぁぁぁ゜・゜*・(゜O゜(☆○=(`◇´*)o!!」
「ぐわああああっ!」
妖精の無数の突きを受け、王子様は反対側の壁にめりこんでしまいました。
「ラプンツェルの形に秘孔を突いた。あんたの命はあと3分! その間にじっくりと己が所業を後悔するんだね」
妖精が勝ち誇ります。王子様は呻きながら、ラプンツェルに一目合わせて欲しいと頼みますが、妖精は「あの子は追い出した。もう生きているかすら定かでないよ」とにべもありません。王子様は絶望し、号泣しました。
「ううっ、し、しかし、私にも男の意地がある。お前の拳法では死なん!」
王子様は塔の外壁によじのぼりました。
「さらばだ
王子様は高い塔から身を投げました。妖精はアッと驚いた後、
「……ふふふ、やるじゃないのさ」
と充実した表情を見せます。
「あんたはあたしと同じ女を愛した漢(おとこ)であり、そして強敵(とも)だった。墓くらいは作ってやるかね…」
妖精は熱病にうなされたかのようなことを口走り、塔の下へ降りました。
「おやま…」
しかし、死んだと思われた王子様は辛うじて息がありました。しかも、落下の衝撃で回復の秘孔が刺激されたらしく、3分経過しても大丈夫でした。しかし、いいことばかりではなく、落下の衝撃で王子様は目が見えなくなっていました。
「おやまぁ、目が見えなくなってしまったんだね。可哀相だけどあたしにはどうするともできないねぇ」
王子様は笑いました。
「…フ、フフフ。だが、それがいい」
「…?」
「目が見えなくても心の目が見える。私は今まで王子という衣に包まれ、ちやほやされていた。そのせいで私は現状に甘んじ、いつしか大切なものが見えなくなっていたような気がする。
しかし今、強敵(とも)と出会い、そして拳を交えたことにより、私の心の目は再び見開かれた。その代償と思えばこの両目、惜しくはない」
「…そうかい。ラプンツェルはどこかで生活しているかもしれない。また会えるかもしれないから頑張りな」
「…ああ。さらば強敵よ」
少し前までの経緯を完全に水に流し、妖精と王子様は別れました。
さて、後半はグリムではなく、「北斗の拳」でしたが、話は元に戻るのでしょうか?