川の果ての更に果てに

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大阪は怖い?

2006-09-19 23:13:35 | 犯罪・刑事関係
とかタイトルにつけるとゼシカ姫から抗議を受けそうではありますが…
駐車違反の言い訳が「トイレ」や「腹痛」であるだとか、飲酒運転の原因に「過信」があるとか色々社会的に気になる話がありましたが、それ以外にも気になる事件が二つほど…いずれも大阪発で。

まずは家庭内別居状態にある夫婦のうちの奥さんが、子供の親権を我が物にせんと夫を陥れるべく、大麻を仕入れて財布の中に仕込んで通報したのだとか。
夫の定期入れに大麻隠す=「捕まらせたい」通報の妻逮捕-大阪(時事通信)

怖ーっ。

身内に陥れられるとかなりの確率でそのまま逮捕されてしまいそうな気がします。陥れる相手のことをよく知っているわけで、事実を適度に脚色することで非常に信憑性の高い話になりそうですからね。以前、冤罪で10ヶ月拘置されていたひき逃げ事件の真犯人と陥れられた人の関係も知人同士ということでしたが、何とも恐ろしい話です。
それでいて発覚したのは余程陥れた方がミスをしたのか(大麻だと入手過程でバレるなんてのもあるかもしれません)、あるいは捜査官が注意するほどに二人の仲が悪かったのか…

まあ、似たようなのとしては何人かで犯罪をやって、犯罪をやったことは間違いないのだけれど、誰が主犯で誰が共犯かなんてのもややこしいことになりそうですね。


もう一つは、タクシー強盗に遭ったらしい行方不明の運転手について…
不明のタクシー運転手?路上で助け求める…大阪(読売新聞)
何でも「助けて」と叫びながらクラクションを鳴らしていたり、あと不自然な状態で数時間寝ているのが目撃されていたのだそうです。

う~ん、個人的に神宮外苑付近を夜歩いていると、変な格好で寝ているタクシードライバーもいますし、寝ている格好が変というだけで怪しいと思えというのは無理があるかもしれません。
ただ、助けを求めてクラクションを鳴らしていたら、一応警察を呼ぶくらいはした方がいいような気もしますね。何だか冷たい対応という感じがしてなりません。このあたりも難しいですけれどね。たまにやたらと大声あげながらクラクション鳴らしている人もいますし。

死刑判決確定

2006-09-15 23:29:13 | 犯罪・刑事関係
刑事裁判が三審制なのは、三度審理の経緯などを踏まえることで人権保障と真実の発見を果たそうというようなことにあるようですけれど、そもそものルールを無視しようとなるとこういう結果になってしまうのは仕方ないでしょうかね。
オウム・松本被告、死刑が確定…特別抗告を棄却(読売新聞)

結局、心神喪失を装っていた(本当にそうだった可能性が絶無ではないにしても判決はそう認定しなかった以上装っていたということで)まま、控訴趣意書がないということで棄却、特別抗告却下で決定と被告人側からしてみると自滅のような形になってしまったわけで、結果的にはほとんど肉声も聞けぬままに終了してしまったわけですね。
このあたりは第三者的に見ると真実とかを語ってほしく、自分の世界に逃げ込むのはずるいということになるわけですが、当事者的立場になると裁判はどうしても勝ち負けということになるのでしょうし、勝ち負けと見るならば唯一勝ちが見込めるのは訴訟能力の喪失を主張するしかなかったという部分はあるんでしょうかね…。

決定書は既に被告人に届いているようですけれど、その時にはどういう態度をしたのでしょうか。また「ちくしょう。どうしてなんだ」とか言っていたりするんですかね。

ま、もっとも、確定したといっても、執行段階でもまた心神喪失状態であれば死刑の停止などがなされうるわけですから、停止しろとかそういう問題がまた生じてくる可能性もあるのかもしれません。
確定して全て解決というものでもないんでしょうね。
というかまあ、死刑が執行されても解決するわけではないですけれどね(解決だと言えば遺族の大半は怒るでしょう)。区切りをつけるというだけで。

日暮れて、道尚も遠し…というところですかね。

飲酒運転

2006-09-10 18:41:59 | 犯罪・刑事関係
最近飲酒運転による事故の話が絶えません。福岡市の職員がナンパに行くために飲酒運転をして前の車を海中に突き落とし、子供三人を死亡させたというとことんまで社会一般の人の感情を逆撫でするようなことをしたのを皮切りに、宮城や大分や姫路と次々に明るみになっています。
ま、突然公務員の飲酒運転が増えたということはなく、これまで普通にあったことがたまたま大きな事件が起きたことで次々と取り上げるようになっただけだろうとは思いますが。

で、そういうのが起こるたびに「懲戒免職だ」という話になり、また、危険運転の罪を適用すべきだなんてことが話になります。
ちなみに公務員に関しては懲戒免職にしている自治体はそんなに多くないうえに、減刑処分などが下されることも多いのだとか。 → 読売新聞の配信記事
中央省庁のサービス残業4時間当たり前なんてところなら、人が一人いなくなると大変ということで多少寛恕したくなる(もちろん本当はダメだけど)のも分かりますが、地方公務員はそれほど忙しくもなく、一人くらいいなくなったからどうということもないという風に聞いたりするんですけれどね。


ただまあ、タバコには最近厳しいですけれど、人間は基本的に酒には寛容ですからね。飲酒運転に対する措置が生ぬるいという批判も多いですし、私も全く同感なのですが、例えば友人に「俺、こないだビール一杯飲んで運転していたら、警察に捕まって報告されてクビになったんだ。これからどうすればいいんだオイオイオイ」と泣きつかれたとして、「君がクビになったのは当然である。君は飲酒運転の危険性というものが全く分かっていない。福岡市の職員が飲酒運転をしていて3人の子供を死に至らしめた。子供を助けようと親は四度も海に飛び込んだというではないか。君はその事件の容疑者と全く同じことをしたのだ。これは大変なことであり、到底許されることではない。君の今後のために協力はするが、再度言うが君がクビになったのは当然である」と断罪できるのかってところがあります。
仮に禁酒令を出してもアル・カポネが喜ぶだけで、摘発一辺倒とか重罰一辺倒ではあまり効果が出ないのではという気もしないではない。だから摘発と重罰はダメだということはないですけれど、並行して他の方法も考える必要があるのではという気もしないではないです。
ついでに、あまり刑罰とか重くしすぎると、一度やってしまった人間が自棄っぱちになってより暴走するかもしれずかえって危険な部分もありますしね。

まあ、検問の強化とかそういうのにも望みたいですが、とりあえず「何の落ち度もないのに飲酒運転によって悲劇を背負うハメになった」という事態を一つでも減らすために、車にアルコール濃度検知機能設置を義務づければどうかと。運転席付近に何個かアルコール検知装置を取り付けて、その結果を車外のランプで知らせるか、サイレンなどを鳴らすなどして「この車の中には飲酒者がいます」と周囲に分かるようにするなんてのはどうですかねぇ。
もちろん、運転手以外の人が泥酔しているという可能性もありますが、運転手でなければ車内に泥酔者がいても絶対安全かというと、例えば突然吐いて運転手を驚かせたり、絡んだりして何かを起こす危険性があります。すなわち、飲酒者がいるということはやはりそれ相応に危険なものであると。
こうすれば、周りの乗用車の運転手や歩行者・自転車にしても、「あの車には飲酒者がいるみたいだな。注意せねば」という風になるわけで、例えば警察に通報するなり、車間距離を開けるなりして少しは安全の確保ができるわけです。
警察も検問で無関係の車を止める必要がなくてやりやすい。

最近話題になっている運転中の携帯電話使用とか一向に守られないシートベルトなどにしても、電波感知、あるいはベルト着用の確認などを外部に分かるようにすればいいのではないかと思いますね。事故を防ぐという観点からすれば極端に酷い制約とも思えないですし。

トヨタやニッサンあたりが自社の車全部にアルコール検知装置設置、シートベルト設置検知機能、携帯電話電波感知機能を取り付けてくれないものかと思ったりします。特にシートベルトあたりは現実的なような気もしますが。
環境対策車を作っているわけですし、事故対策車を作れば喜ぶ人の方が多いのではないかと思いますけれどね。

少年法の壁

2006-09-08 21:13:29 | 犯罪・刑事関係
徳山高専での女子高生殺人事件。
容疑者と思われていた少年が自殺していたことで、釈然としないながらも終わったのかと思いきや、一部メディアが実名報道をしていたことが問題になっているらしいですね。実際、配信記事を見ていても配信元によって匿名になっていたり実名になっていたりするわけですが…

とりあえず、週刊新潮の実名報道自体はタイミングを逸したものの、犯人の累犯防止・身柄確保という意図は分かりますし、理解できます。
ただ、死んだ後実名報道されるのは何でって気もしないではないですね。まあ、少年法の趣旨は少年の更正を妨げないことにあるのであり、既に死んでしまった以上は更正も何もないのだから関係ないだろうということなんでしょうけれど。
これに対して法相は「少年には家族もいるわけだし、死んだからいいというものでもない」というようなことで、「難しい問題だ」と言いつつも反対的な立場のような感じです。
個人的には便乗商法的部分が見え隠れしていて、新潮以外の実名報道については批判的に見たくなりますけれどね。

あるいは死んでしまった以上は加害者も被害者もなく、彼も痛まれるべき一人の人間だ。皆で彼を悼んでほしいから我々は彼の名前を公表し、そして弔意を表すというのなら、死んだ途端に実名報道というのも理解できますけれど。

ところで少年法の趣旨というもの、民主主義という観点からすると、また別の見方もあるのではという気がします。
民主主義というのは、国家に参与する一人一人が自己の意見を言い、その意見を折衝したりすることで個々の意見を国家政策に反映させようということに主眼があるものだろうと思われます。だから衆愚政治なわけですが。
で、まあ、その個々の意見の反映は基本的に参政権ということになるわけですが、参政権があるのは20歳からです。
ということで結局、「判断能力とか20歳と19歳で変わらないだろ」とかいうのとは別個の視点で、19歳の人間は日本の民主主義の下ではやはり半人前なのだということになりうるわけですね。意見を言えない、参政権がないので。
で、半人前で自分の意見を主張することができない人間に対して義務(刑罰)だけは一人前を課すのは変じゃないかという見方は普通に成り立ちうる。「今の人間は権利ばかり主張して義務を履行しない」という批判などはよくありますが、逆に「権利を与えずに義務ばかり課す」のもいかがなものかとなるわけです。
となると、民主主義国家において半人前の人間に対しては、義務(刑罰)も半人前相当にするべきでそのために少年法がある、と考えれば、少年法が一律軽減を定めているのもそれ相応に理由はあるかもしれませんね。

ま、結局のところ参政権を18歳くらいから認めて、逆に少年法の保護年齢を18歳未満に下げるみたいにするのが一番波風が立たない解決策のような気がするんですけれど。

徳山・容疑者少年が自殺

2006-09-07 14:47:26 | 犯罪・刑事関係
山口県・徳山高専での女子学生殺人事件。
殺害したと見られていた少年らしい人物が山口県の山中で首吊り自殺をしていたのだそうです。死後数日経過しているということで、逃げ切れないと分かった時点か、あるいは事件後すぐに自殺していたのでしょう。

まあ、三日経過した時点…というよりも、高専のほかの学生が「心配しているから出てきてほしい」と呼びかけていた時点で何となくそんなことになっているような気がしました。

昨日になって週刊新潮が実名入り・写真入りの記事を出していたようですが、これも無意味に帰してしまったわけですね。ま、新潮については「事件直後ならともかく、今出してもあまり意味がないのではないか」と思ったりしましたけれど。
もちろん、事件を起こして逃亡してしまった少年の容疑者などについてはその公表をどうするかということを今後もう少し考えていくべきではないかとも思いますけどね。今回の事件ではそれほど危険性がないようにも思いましたが、私が何となくそう思っただけで例えばお金がなくなった場合に強盗などをする危険性などもあったわけですし。
少年法だからと何でもかんでも特別扱いしているのはまずいように思います。

これで、事件の真相は永遠に闇の中というところなのでしょうね。
殺害された側の母親が「出てきて真実を語ってほしい」と言ったりもしていたわけですし、おそらくそれが本心だったろうと思うだけに残念な話です。

しかし…
よく、「凶悪犯は死んで罪を償え」という風に言う人達がいますが、そういう人達にとっては事件と向き合って(まあ、容疑者なので犯人と確定しているというわけでもないですれけれどね)その罪を償うべく死を選んだこの少年のような選択は贖罪のあり方として理想の在り方ということになるのでしょうか?

結局不起訴

2006-08-29 19:50:19 | 犯罪・刑事関係
忘れ去られた頃に犯人が逮捕となり、一時期ガーッとヒートアップしたジョンベネ・ラムジーちゃん殺人事件。
結局、逮捕されていたカー容疑者のDNAが現場に残されていた犯人らしきもののDNAと一致しなかったということで訴追しないということになってしまったのだとか。
この「カー容疑者訴追せず」の記事…最初、たまたまコンビニにあった東スポの見出しで気付いたのですが、その時には「東スポだしな~」と思いました(笑)
が、とりあえず産経新聞の配信記事にもありましたしまあ、そうなのでしょう。程度が違うだけで信用できないのは一緒だということになるとそれはそうなのかもしれませんが(笑)

ま、日本とアメリカでは逮捕の概念がそもそも違うわけですから、逮捕だけであまり真に受けていたのがそもそも問題だったのかもしれませんね。ただ、タイからわざわざ連行してきてそれはないよという気もします。一応別の事件の捜査対象にもなっているとかいう話ですけれど。

個人的には最初から全面的に信用するつもりにはなれなかったので「そんなものだろうな」というところはありますけれど。

しかしまあ、犯人でもないのに、犯人と思しきようなことを書いて逮捕され、おまけに「私は彼女を愛していた」とかわざわざ自分が犯人であると思わせるような性格の持ち主もいるわけで、人間というのは本当によく分からない生き物であります。

ジョンベネちゃんの魂に平穏が訪れるのは何時のことになるのでしょうか…

ジョンベネ事件

2006-08-18 23:41:46 | 犯罪・刑事関係
美少女コンテストの優勝者6歳のジョンベネ・ラムジーちゃんが自宅の地下室で殺害されて10年。
もう忘れ去られていたわけですが、タイで犯人とおぼしき人物が逮捕されました。昨日の話ですね。
で、どうも逮捕されたカー容疑者、今日が誕生日だったのか昨日まで41歳だったのが今日の記事では42歳になっております(ただ、配信記事のうち毎日だけで、しかも同日の別の配信記事では41のままですから、あるいは毎日のミスなのかもしれませんが)。
いや、誕生日だからどうしたと言われればそれまでですけれど。

で、この時間になって、そのカー容疑者が日本に来たことがあるらしいという話なども出てきております。
コレ
何でも01年からしばらくの間ソウルにいたらしく、その間に大阪に来ていたりもしたのだそうです。
これまた個人的にはどうでもいいじゃないかという気もするんですけどね。
もちろん、前歴のある人物だけに大阪で何かやっていたかもしれないということはありますけれど。未解決事件があるならば参照すればあるいは…なんてことがあるのかもしれません。今頃ソウルの市警は色々慌しく洗い直しとかしているのかもしれないですね。
それがないのであれば、正直どうでもいいんじゃないのという気はします。

まあしかし、捜査の端緒についても、本当かいなというような話ですし、この手の犯罪者には多少の誇張癖などもあることを考えますと、あるいは今回も違ったりしてなんてこともあるのかもしれません。タイまで行って逮捕した以上さすがにそういうこともないだろうという気もしますが、何せアメリカ、大量破壊兵器があると信じて戦争までやったけれど、実は無かったよという実績を作ってしまった国ですから。
とりあえず行われるDNA鑑定の結果をまずは待つことになるのでしょうね。これで違ったりしたら、どうなるんだろうかという気もしますけれど。

顔文字

2006-08-06 22:36:11 | 犯罪・刑事関係
「このままだと殺される。助けてくれ」

というのと、

「このままだと殺される((>д<))。助けて・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。」

というのとでは、確かに緊迫感が違うような気はしますが…

大阪での女性監禁・暴力事件は海外での犯罪なんかでは似たようなのが幾つかあるだけに、「日本でもこういう事件があるもんだな~」と少し憂鬱な思いで見ていましたが、警察が中々捜査に乗り出さなかった姿勢がバッシングに遭っています。
そんな中で、友人にメールで救援を求め、かつ顔文字とかが使われていたから緊迫性がないということで取り上げなかったなんていうこともあったのだそう。
救出メール、緊迫性なし判断=友人あてで「顔文字」-女性監禁傷害・大阪府警(時事通信)

ま、どちらかというと、緊迫性如何にかかわらず、取り上げるつもりがそもそもなかったのではという気もしますけれどね。メールだから、とか友人だから、とか顔文字だから、というのは何となく口実として使われただけという気もしないではないです。

結果が分かればもちろん警察はどうして動かなかったのだということにもなるわけですけれど、実際問題、ストーカーにしてもこの手の事件にしても警察にしても簡単には動けないという部分があるのも確かなんですよね。もちろん、大阪府警が迷いに迷った結果動かなかったのか、単に面倒だから動かなかったのかまでは分かりませんが。
介入しなかったのが悪いといっても、逆に介入してしまった結果というか変なやり方で介入してしまった結果、殺人が早まったということで警察が槍玉にあげられている栃木リンチ殺人事件のような場合もありますし、このあたりの判断も何とも難しいというのは確か。
一つの事件では正しい方法だとしても、犯人の性格とか状況が微妙に違う別の場合にも通用するというわけでもないわけですし。

そうは言っても最終的には動いてもらわないと解決には程遠い。ただ、色々理由をつけて動かない。
…となると、スカった場合に虚偽告訴で訴えられる恐れを覚悟してでも告訴状を内容証明郵便などのやりかたで送りつけるとか、怠慢した場合にそれが明らかに分かるような状況にして、警察が嫌でも動かざるを得ないようなやり方をするという方法なんかも模索した方がいいのかもしれませんね。被害者ではなく、警察側の緊迫性を増すようなことをするということで。
敵意を買うのは間違いないでしょうけれど…

虐待看過

2006-07-30 14:15:19 | 犯罪・刑事関係
子供の安全が脅かされているのは外だけではありません。家の中でも毎日のように多数の児童が虐待を受けています。

そんな最たる例。福島県で3歳の子供が虐待を受けて死亡したという話。
児童相談所は問題を把握していたけれど、行動していなかったのだそうです。

当然、何故に看過していたのかという批判があるでしょうし、飛んで当然。
ただ、見方によっては、このあたり残念ながらやむをえんのかもという気もしないではないです。昨日NHKでは北九州で生活保護を受けられずに衰弱死した男性について取り上げておりましたが、最近は自治体財政が苦しいので、このあたりの生活保護は一定レベルで切り詰めなければならないのだとか。
おそらく、これと似たようなことが児童相談所のレベルでも起きているのではという気がするんですね。生活保護と違って直接的な支払はないにしましても、誰なりかを派遣する費用、職員を増やさなければならない費用とかそういうのをトータルで考えると結局はそれ相応に費用がかかる。
となると、基準を緩めると費用がかかるので結局は行動に移すまでの認定がなかなかできないという事情などがありそう。

もちろん、それなら何のために市民は税金を払っているんだということになるわけですし、また「福祉事業をしないことを仕事にしている」福祉課の職員がどういうやる気をもって仕事に取り組んでいるのかということも非常に気にかかる。おそらく楽しんでやっていることはないでしょうし、むしろ仕事に失望していってどんどんやる気もなくなっていくうちに本来支援できることまで見逃してしまうというような悪循環にもはまっているのではと思うわけです。
予算を沢山充てれば解決するというほど単純な問題ではないでしょうけれど、「切り詰めろ」、「ダメだ」の応酬だけではなく、現場の職員の士気を維持しつつ改善していく方法を模索することも必要なのではないでしょうかね。例えば状況によってはNPOに任せてしまうとか(福島に都合よくいるかどうかは分かりませんし、前例のないことなので抵抗もありそうですが)。

公務員だからやって当たり前だというのではなく、公務員であることに意義を見出せるような職場にするというようなことも必要なのではと思います。待遇だけでなくて、例えば職務内容の整理や分担とか、働く側が自分は何をすればいいのか分かるようにするとかも。
そういうのも改革なのではと思いますが、政府にしろ大抵の人の考える改革というものは、官舎とか部屋の配置割りを決めることのみにその本質があるかのようで…

中身が腐った水なら、袋だけ替えても無意味なんですけどね。

「橋から落とした」

2006-07-16 20:19:53 | 犯罪・刑事関係
二つ前のエントリ(Sneewittchen)でも少しばかり触れましたが、秋田県・藤里町の事件…畠山鈴香容疑者が娘の彩香ちゃんを橋から故意に落としたという話がどうやら信憑性を帯びてきたそうです。
<秋田男児殺害>畠山容疑者「娘突き落とした」殺人再逮捕へ(毎日新聞)

で、いつもお世話になっている時評親爺様がこの件に関して「仮に落としたのが真実であるならば」と前置きを置いた上で、
1.娘の真の殺害動機は何なのか?
2.それは豪憲君殺害までを引き起こすあるいは動機連関性のある切迫した事情だったのか?
3.娘の水死事故判断にも拘らず、墓穴を掘るような一連の行動(=事故でなく再捜査すべき旨)は何を意味するか?

と疑問を提起されています。

ここまで分かっていることだけを見ると確かに矛盾しているようですが、仮に二つの事件を繋げうる動機があるとすれば、いわゆるミュンヒハウゼン症候群ってやつなのではないかとは思います。
利益を得る得ないというよりかは「騒がれたい」というそういう感じなのではないでしょうか。自分で中心で騒がれたい、だから事件が事故で片付いたら困る…収束しそうなのでまた騒ぎを起こすみたいな。
ですから、ぶっちゃけ私がこんなことを書いていたり、あるいは他所のところで「アイツは親の資格もない奴だ」とか書いたりしているのも、ある意味畠山容疑者にとっては本意なのではないかと思うわけですね。彼女の行動を見て騒いでいるわけですから。

無論、私の知識なんぞたかが知れてるわけですし、そもそも二つをつなぐ共通した動機があるのかどうかすら疑わしい(世の中推理小説ではないんだし)。

…ただ。
再三犯罪関係のエントリで強調していますが、私は何か事件が起きる度に「動機はどこにあるんだ?」と騒ぐのがあまり好きではありません。
この畠山容疑者にしてもそうですが、そもそも犯人は本当に犯罪をしたのであるならば信用できないものであり、本当は犯罪をしていない(=冤罪)のなら真実を話せるはずもなくやはり(事件については)信用できない人間です。
ですから、その心理状態を聞きだすことに何の意味があるのかと思うわけですね。

又、この動機を知りたいという極端な思考こそがある意味自白偏重の部分にもつながるわけで、物証軽視という日本捜査の問題点の遠因なのではないかとも思うわけです。今回の事件にしても、最初から物証を丹念に拾えば、あるいは男児殺害までは起きなかったのかもしれません。物証を軽視するという風潮が二件目にいたったとすれば悲しいことですが、犯人の精神状態を問題にする風潮が強い以上は警察だけに文句を言っていられない気がします。
個人的には構成要件の区別さえつくならば、それ以上の動機など知る必要がどこにあるのか、そこまでいくと単なる自己満足やメディアの尻馬に乗っているだけではないかとも思っております(要は故殺か否か。強盗殺人か否かだけ分かればいいじゃんと)。

結局のところ、二人を殺害した…ということが物証で証明できればそれ以上のことを探るのはあまり意味のないことと言えるのではと思います。
親父様も主張されていますが、そもそも今回に限って畠山容疑者が本当のことを言ったという保証はどこにもないわけですしね。