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人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

升田幸三『名人に香車を引いた男』(中公文庫)

2008-11-26 05:51:23 | 読書
太平洋戦争後、日本が占領されていたときのこと。将棋、棋士の升田8段は、泣く
子も黙るGHQ(ジェネラル・ヘッド・クウォーターズ)から話を聴きたいと呼び出しを受けた。
GHQが歌舞伎などの日本文化を目の敵(かたき)にしていた時代だ。

GHQが「将棋はチェスと違って、捕虜にした駒を使う。捕虜虐待でケシカラン」
と言うので、升田は「チェスは女王を取られても王様は逃げてしまう。日本の殿様
は女子供を逃がしてから切腹する。将棋は捕虜でも生かして使うのだ、お前らも日
本の戦犯を生かして使ったほうがよい」と説教したという。

「長いものには巻かれろ」という日本人が多かった時代に、「反骨精神」を発揮し
た人だ。知る人ぞ知る升田伝説である。

その升田幸三の痛快自伝が本書(中公文庫)である。「元気」が出る本だ。上記
「GHQ高官の度肝を抜く」はp219。



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