人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

H.E.ソールズベリー『天安門に立つ』 および ・・・・・・

2020-04-05 05:00:00 | 読書

中国関連本を整理しつつ、ハリソン・ソールズベリー(1908-1993)
の『天安門に立つ--新中国40年の軌跡』(1989/9)等を読み返す。

本ブログで『天安門に立つ』を取り上げるのは初めてだ。

本書は、革命40年(中華人民共和国40年)を迎えるにあたって、
NHKの依頼により、テレビ番組と並行して、N.Y.タイムズのハリソン
E.ソールズベリーに執筆を依頼したものだ。

そして、ソールズベルーとNHK取材班は、1989年6月、天安門事件
(正確には「第二次」天安門事件)に遭遇する。

さすがソールズベリーといっていいのか、毛沢東礼賛一辺倒ではな
く、なかなかバランスの取れた書きぶりとなっている。
(--エドガー・スノー[→こちら]とはちょっと違うかな?)


本書は絶版だが、amazonでは数百円で入手可能だ(
原価は1900円)。
図書館がおすすめ?


<目次>
序 章 天安門、1989年6月4日
第1章 毛沢東「中華人民共和国」成立を宣言
第2章 毛の腹心たち--劉少奇、周恩来、鄧小平
第3章 毛の緊急計画を引き受ける鄧小平
第4章 汚された奇跡--「大躍進」
第5章 廬山会議 (注:1959年)
第6章 周恩来の苦闘
第7章 江青の晴れ舞台
第8章 「世界は覆りつつある」
第9章 待ち人来たらず
第10章 「革命は宴会ではない」
第11章 親が英雄なら子も英雄
第12章 劉少奇の悲劇
第13章 1967年のパリ・コミューン
第14章 林彪の謎
第15章 中ソ紛争
第16章 ニクソン、毛沢東同志を訪問
第17章 毛沢東の死
第18章 白塔寺--女皇江青の宮殿
第19章 「真理の基準は実践にあり」
第20章 白猫黒猫論
第21章 民主の壁
第22章 金持ちになることは良いことだ
第23章 海辺の危機
終 章 暗雲たれこめるなかで--岐路に立つ革命40周年



H.E.ソルズベリー『天安門に立つ』(日本放送出版協会、1989/9/30)
★×5。



小島朋之『中国共産党の選択--五つのシナリオ』(中公新書、1991)

本書における5つのシナリオ(1991年時点)
1.天安門事件以後の共産党独裁への不信感を軍事力の威嚇で抑え込
  んだ強権政治の続行
2.1950年代から60年代前半にみられた全体主義体制の復活
3.天安門事件以前の「新権威主義」体制への復帰。--開明的領袖
  の下で経済発展を推進する
4.共産党独裁の社会主義を覆す民主革命
5.国内混乱から分裂・内戦状況をもたらす可能性

本書の発刊および天安門事件から今日まで「30年」。
中国はどのシナリオに向かってきたのかしらん。
そして、これからどこへ向かうのだろうか。



中嶋嶺雄『中国・台湾・香港』(PHP新書、1999)
1999年は、中華人民共和国建国「50年」。天安門事件「10年」だ。
口語調で書かれており、読みやすい。

1999年時点において、江沢民主席(当時)にとって、「中華連邦共
和国」はタブー視されているが、21世紀には「連邦共和国」の方向
に行くのではないか?--という趣旨を書いている。


左から
中嶋嶺雄『中国--歴史・社会・国際関係』(中公新書、1982)
小島晋治・松山松幸『中国近現代史』(岩波新書、1986)
小島朋之『中国現代史--建国50年、検証と展望』(1999)
中国の近現代史、新書3冊。
それぞれを読み比べるとおもしろい?

<年表>(重大トピックス)
1949 中華人民共和国成立
1950 中ソ友好同盟条約/朝鮮戦争
1956 毛沢東、「百花斉放・百花争鳴」
1957 反右派闘争
1958 大躍進政策(~1961)
1960 中ソ対立表面化
1964 初の核実験
1966 文化大革命(~1976)
1969 珍宝島(ダマンスキー島)事件(中ソ国境紛争)
1971 林彪事件
1972 ニクソン大統領訪中、田中首相訪中(日中国交正常化)
1976 周恩来死去(1898-)、天安門事件(第一次)、
   毛沢東死去(1893-)、華国鋒党主席・首相就任
1978 日中平和友好条約
1979 米国と国交正常化、中越戦争
1980 趙紫陽首相
1981 胡耀邦党主席
1983 李先念国家主席(~88)
1988 李鵬首相、楊尚昆国家主席(~93)
1989 天安門事件(第二次)、江沢民党総書記
1993 江沢民国家主席(~2003)
1997 鄧小平死去(1904~)香港返還
2003 胡錦濤国家主席(~2012)
2008 北京オリンピック
2012 習近平(59)中央委員会総書記就任
2018 国家主席・副主席の「任期10年」を撤廃



ユン・チアン『ワイルド・スワン』(講談社文庫)★×5
イギリスが選んだ「20世紀の100冊」--ノンフィクション部門第1位。
戦前の満洲国、中華人民共和国成立~文化大革命の時代を生きた
女性3代の記録。読みだしたら止まらない?
多くの人々の必読書?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 4/2 晴れたので黒須田をウォ... | トップ | 4/3 部会世話役・役員会議~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事