人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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小泉妙『父 小泉信三を語る』

2008-05-19 05:44:31 | 読書
久しぶりに本を夢中になって一気に読んだ。小泉妙『父 小泉信三を語る』(慶
應義塾大学出版会、2008年5月26日刊)である。

著者は小泉信三の次女、大正14年生まれ。したがって今年83歳。私の母と同世代
である。5月16日(金)には、小泉信三展で天皇、皇后両陛下をご案内していた。

小泉信三の交友(交遊)はじめ小泉家の「プライヴァシー」が語られている。奇
跡的に戦災を免れた家族写真も掲載されている。

池田成彬、池田潔、幸田露伴、小宮豊隆、長与善郎、久保田万太郎、水上瀧太郎
(阿部章蔵、義兄)、武者小路実篤、志賀直哉、河上肇、安倍能成、徳川夢声、
野坂参三、野呂栄太郎、吉田茂、米内光政、山本五十六、岩波茂雄、高橋誠一郎、
皇太子(今上天皇)、美智子妃殿下、ヴァイニング夫人、古今亭志ん生、中村歌
右衛門等々、今上天皇ご夫妻は別格として、錚錚たる顔ぶれが登場する。

これらの交友は、学生時代に読んだ小泉信三の随筆にも書かれており、その昔が
思い出され、懐かしかった。


また、私にとって小泉信三は神様みたいな人(--そう言うときっと氏は嫌がる
に違いないけれども。)であるが、小泉信三でも苦手な事もあれば、好き嫌いも
あり、またつまらないことで夫婦喧嘩もする。人間的な一面が垣間見えておもし
ろかった。

本書であらためて確認したこと
1.<自宅で戦災に遭い>、大やけどをされた(なぜか、学校に宿直中かと思っ
  ていた。)
2.<孫のエリちゃんが3歳前にして亡くなったことがきっかけで>、聖アンデ
  レ教会で洗礼を受けた
3.『海軍主計大尉小泉信吉』は、当初私家本で300部出版され、小泉信三の死
  後になって初めて文藝春秋社から公に出版された




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