人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

『文藝春秋』10月号

2015-09-26 07:30:00 | 読書

今月号の大特集は、「日本よ、中国を超克せよ--厄介な隣人の『真
実』が見えてきた」。

今注目のエマニュエル・トッド(ドットではない)が「幻想の大国を恐
れるな」を書いている。
E.トッドの肩書は、ここで「歴史人口学者」ということになっている。
要は、地政学、人口学を使って、国際情勢を分析したりしているようだ。
勉強が大好きな(?)ユダヤ系フランス人である。「フランス左派知
識人」?

○中国が桁外れの経済成長を続け、「このまま行けば世界トップの国
 になるかもしれない」などと言われていた時代から、「この国は非常
 に不安定で、問題の多い国家だ」と常に指摘してきた。

○私の専門分野である人口の問題--中国では現在、猛スピードで
 少子高齢化が進んでいる。まだ国家全体が豊かになっていないた
 め、年金をはじめとする社会保障制度の整備もできないまま、高齢
 化社会を迎えてしまった。これが近い将来、社会不安を増大させる。

○現時点では、中国には数え切れないほどのシナリオがあるが、断
 言できることは最良のシナリオ--安定成長が持続し、国内消費
 が増え、権力が安定し、腐敗も減っていく--こういう素晴らしい
 未来だけは考えられない。

「これからの日本に最も求められること」として、日本への提案、アド
バイスもしてくれている。ぜひ一読をおすすめしたい。なかなかおも
しろかった。


その他に、興味深かった記事は、
「誤報会見から1年 朝日新聞は先祖返りした」(田原総一朗×江川
紹子)
いずれも朝日新聞から委員会の委員を委嘱されている人の対談で
ある。二人に対談させた文藝春秋が朝日新聞から一本取った形だ
ろうか。

「『密約』オウム坂本事件死刑囚の告白」(武田頼政)
ノンフィクションだが、ミステリーを読むようだ。今年は地下鉄サリン
事件から20年にあたる。私は、当時半蔵門線の水天宮前で下車し、
会社のある新川まで15分弱ほど歩いていた。会社に着いてしばら
くすると、本郷3丁目から丸ノ内線で通勤しているKさんが目が痛い
と言いながら出社してきた。Kさんは会社の医務室の紹介で聖路加
病院へ出掛けていった。
ほとんど同時に、「地下鉄が大変なことになっているようだけど大丈
夫?」と自宅から電話があり、事件を知った。今と違って、会社のPC
でヤフーニュースを見られるわけでもなく、一日の仕事を終えて、帰
宅する時に、会社の地下1階の通用口で8歳ほど下のMくんが
「オウムの仕業ですかね?」
と話しかけてきたので、
「オウムって何?」
と答えた記憶がある。


その他にもおもしろそうな記事が満載だ。 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9/20 全国二期会サミットコ... | トップ | 9/22 合唱団「アニモKAWASAK... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事