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池上彰『そうだったのか!朝鮮半島』etc.  朝鮮戦争70年 時事放談

2020-04-14 05:00:00 | 近現代史

今年は朝鮮戦争70周年だ。

朝鮮戦争(当時は「朝鮮動乱」)は、1950年6月25日、武力統一を
目指した北朝鮮の韓国侵攻により始まった。
北朝鮮は、当時から盛んに「先に韓国が挑発し、攻撃してきた」と
「宣伝」。

池上彰『そうだったのか!朝鮮半島』は、戦後朝鮮史というか、朝
鮮戦争を含め、戦後の朝鮮半島の動きについて、2014(H26)年ま
でがまとめられている。

現在の日韓基本条約についても、ざっと勉強できる。


池上彰『そうだったのか!朝鮮半島』
(集英社文庫、2019/10。単行本2014/11に加筆修正)


朝鮮戦争について、今までに読んだ本を整理すると・・・・・・
(本当は100冊は読まないと話にならないかな?)。

A.V.トルクノフ『朝鮮戦争の謎と真実』
朝鮮戦争直前の金日成、スターリン、毛沢東の具体的なやり取り
(会談記録、機密電報等)を、ソ連の崩壊によってオープンにした
書。

(本書より年表抜粋)
1948
8/15 大韓民国が成立
9/9 朝鮮民主主義人民共和国が成立
12/25 ソ連軍、北朝鮮から撤退

1949
2/22 金日成ら北朝鮮代表団訪ソ
3/5 スターリン・金日成会談(モスクワ)--南朝鮮情勢について
6/29 米軍、韓国から撤退完了
10/1 中華人民共和国成立
10/2 ソ連中華人民共和国と国交樹立(中華民国と断交)
10/6 北朝鮮、中国と国交樹立
12/16 毛沢東、訪ソ(~50/2/17)

1950
1/12 アチソン米国務長官「韓国、台湾除外の防衛線」発表
1/17 金日成がシトゥイコフソ連大使に対南攻撃許可を要請
1/20 中国人民解放軍の朝鮮人部隊14,000人を北朝鮮に編入
2/14 中ソ友好同盟相互援助条約(モスクワ)
2/17 毛沢東、ソ連から帰国
3/30 金日成、訪ソ(~4/25)
 スターリン・金日成会談--スターリンは金日成に、ソ連に頼る
 べきではない、アジア情勢に通じている毛沢東に頼るべきだ。
5/13 金日成と朴憲永、訪中(~16)
6/25 北朝鮮軍、38度線突破。
6/27 トルーマン米大統領、海・空軍の韓国出撃、第七艦隊の台湾
  海峡派遣命令
7/7 ソ連欠席の国連安保理、国連軍の派遣決議
7/8 GHQ、警察予備隊創設を指令 
8/20 北朝鮮軍、釜山橋頭保を除く90%以上を支配下に
9/15 国連軍、仁川上陸。北朝鮮軍退却。
9/28 国連軍、ソウル奪回。
10/1 スターリン、中国に援軍派遣を求める。
10/3 韓国軍・国連軍、38度線を突破し、さらに北進。
10/8 毛沢東、中国人民志願軍の編成を命令
10/13 中国人民志願軍の朝鮮出動を決定。彭徳懐司令官。


A.V.トルクノフ『朝鮮戦争の謎と真実』
(草思社、2001/11。原題『謎の戦争--朝鮮戦争1950~53』、2000)


秦郁彦『昭和史の謎を追う』
第37、38章「朝鮮戦争と日本--40年続いた先攻論争など」がお
もしろい。一部を引用すると、
 (朝鮮戦争は)「くっきりと朝鮮戦争の開戦における北朝鮮の
 主体性とソ連の逡巡の上の支持、中国の積極的支持という三者
 の立場を伝えているように読める」とする和田春樹の結論
 (『思想』1990年10月号)に筆者も同感だ。


(間違った)韓国の先攻論を主張していた人の意図と責任や如何。
もう亡くなられたかな。


秦郁彦『昭和史の謎を追う』(文春文庫、1999/12。単行本1993/3)
本書はまことにいい本だ。★×5。


林建彦『北朝鮮と南朝鮮』
今日も価値ある本。図書館で借りられるだろう。増補新版あり。
 スターリンは、「米国は介入しまい」という毛沢東の助言によ
 って、金日成の武力解放計画の実行に同意を与えるが、慎重な
 スターリンは金日成の南進の準備がいよいよ進むと、ソ連の軍
 事顧問団を全員召還した。(本書より)


林建彦『北朝鮮と南朝鮮』(サイマル出版会、1971/10)


神谷不二『朝鮮戦争--米中対決の原形』
朝鮮戦争にかかわる大変な「労作」にして名著。まことにオーソ
ドックスな北の先攻論だが、昭和41(1966)年当時は左翼という
か容共勢力というか思い込みの強いグループから大いに非難され
た。--当時としては勇気ある書?
開戦の決定者について、
 平壌のいかなる決定も、事実上モスクワとの事前協議なくして
 行われたとは解しにくい。1950年6月の開戦決定も、おそらく
 はソ連の助言ないし勧告を得た上での決定であろう。つまり、
 北朝鮮がリードをとった形で、実質的には共同決定に近いもの
 ではなかったかと推定されるのである。(本書より)

上記「推定」は、当時としても常識的であり、今から見てもほとん
ど正しかったと言えるかしらん。
非難した人ははたして神谷に謝罪したのかしらんというより、自ら
の誤りを公にしたのかな。


神谷不二『朝鮮戦争』(中公文庫、1990/3。単行本1966)

こちらもご参考までに。
こちら
こちら

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ところで韓国の総選挙が明日の投票に迫った。文大統領の与党優
勢だと伝えられているが・・・・・・。
どちらに転んでも、日本はこれ以上譲ることはない。


立民党の支持率が3.7%(前月7.7%)と急落。
「なるほど!」というプラスの批判や提言なら評価すべきだろう
が、「星野源」関連でも蓮舫氏のように「つまらないこと」に目
くじらを立てているようでは、多く90%以上評価できないという
ものだろう。
(いつもいうように、私は自民党の党員でも支持者でもないが)。


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