人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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藤沢男声合唱団定期演奏会(第22回)etc.

2011-07-18 05:00:00 | 音楽

7月8日(金) 11日(月)から3日間「夏休み」を取ることにした。いつもは「この仕事は
明日にするか」(アスタマニャーナ)で一日を終えるのだが、休暇前のこととて「今日で
きることを明日に延ばすな」とばかり、あわただしい一日となった。

ところで「今日できることは・・・・・・」はたしか英語のことわざにあったとインターネットで
調べたら、 "Don't put off till tomorrow what you can do today."と検索で
き、「そうだった!」となった。こういうちょっとした時にインターネットは便利だ。 


7月9日(土) 「東西四連」の感想を中心にブログ作り。いつものことながら推敲に推
敲を重ねるため、ほぼ一日をこれに費やす。

この日は松村努指揮湘南フィルハーモニー合唱団(160人)のヴェルディ「レクイエム」
演奏会。松村氏は三林輝夫さんのお弟子さんで、合唱指揮者として活躍している。大
変興味をそそられたが、演奏会が連チャンとなるために断念した。


7月10日(日) 藤沢男声合唱団の定期演奏会である。(法政アカデミー合唱団の50
周年演奏会と時間が重なってしまった。)

中央林間の「ヴィドフランス」で軽食を済ませ、午後1時過ぎに藤沢に着いた。開演の
3時までは時間もたっぷり。といって暑い中を歩き回る気にもならないので、駅前北口
のビルにあったジュンク堂書店に立ち寄る。この店は、関西系大型書店ジュンク堂の
神奈川県一号店である。初めて入った藤沢店だったが、文庫の品数が多かったり、
芸術のコーナーも充実、さすがに品揃えが豊富である。藤沢市は湘南地区最大の都
市である。

開演30分前に会場の藤沢市民会館に到着。藤沢市民会館の客席は、平成14
(2002)年9月ワグネルの特別演奏会以来だろうか。それは畑中先生の傘寿をお祝
いして、ワグネル現役、OB、藤沢男声が出演するものだった。

会場入り口ではフジ色のブレザーを着た合唱団の方々がお客さまを歓迎していた。
1000円の当日券を購入、プログラムをもらって2階にあがる。2階は想像以上の急
こう配で歩くのが怖いくらい。藤沢市民会館ホールは昭和43(1968)年建築で、設
計が同じなのかしらん、神奈川県民ホール大ホールと似ている。定員は1380席で
あるが、かなり埋まっていた。


<プログラム>
1.合唱団団歌「仲間たちよ歌おう」指揮;佐渡孝彦
2.「日本の民謡」より(松下耕作曲)指揮;吉川貴洋
--休憩--
3.「Cole Porter Song Book」(佐渡孝彦編曲)
   指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則、ソプラノ;腰越満美
--休憩--
4.「ジプシーの歌」(ドボルジャーク作曲、福永陽一郎編曲)
   指揮;畑中良輔、ピアノ;黒澤美雪、振付;渥見利奈、バレエ;TOMS FACTORY


3時にブザーがなり、開演前のアナウンスがあった。3時5分、2回目のブザー。会場
がシーンと静寂に包まれる。お客さまの質が高いのではないかしらん。

1.合唱団団歌「仲間たちよ歌おう」指揮;佐渡孝彦
緞帳があがり、佐渡さんのはつらつとした指揮でア・カペラの団歌が歌われた。オン
ステメンバーは75人ほど。その中には若い方も見受けられた。平均年齢は60歳?
演奏が終わると佐渡さんはセカンドに加わった。


2.「日本の民謡」より(松下耕作曲)指揮;吉川貴洋
団歌に続き、緞帳はあがったまま、黒の上下で吉川さんが登場した。吉川さんは指
揮棒を持たず、カラヤンばりに両手を使って、見事な指揮ぶりを見せた。日本民謡
から「北海本歌」、「会津磐梯山」、「五木の子守唄」、「八木節」が取り上げられた。
「会津磐梯山」は案に相違してゆっくりとした曲。いずれもなかなかこった編曲、ア・
カペラで難しそう。よく暗譜で歌えるものだと感想を持った。

10分間の休憩後、藤沢市長が登場、5分間ほど挨拶があった。さすがにスピーチが
お上手だ。


3.「Cole Porter Song Book」(佐渡孝彦編曲)
   指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則、ソプラノ;腰越満美
緞帳があがってもステージは暗い。合唱団の後方、ステージ正面スクリーンにタップ
ダンスシーンの映画(米国の映画?)が映し出された。"Begin the Beguine"が始
まった。ステージが明るくなる。藤沢男声の皆さんは黒の上下礼服。長身佐藤先生は
黒ズボンに白ブレザー。前田さんは黒の上下。ピアノ伴奏がすばらしい。コール・ポー
ターの魂が前田さんに乗り移ったかのようだ。前田さんは合唱伴奏者として引っ張り
だこ。いつ練習をなさるのかしらん。

2"I Love Paris"ではステージ上手から白のドレス姿で腰越さんが堂々と歌いなが
ら登場、歌いながら団員の胸にある花を積んで歩いた。3"You're the Top"。コロ
シアム、ルーブル博物館、ミッキーマウス、ピサの斜塔、マハトマ・ガンジーなどの歌
詞に合わせて、正面スクリーンにその写真がスライドされた。よくもその写真を集め
たものだ!歌詞と写真のタイミングがピッタリ、とこの企画にびっくりした。★を5つさ
しあげたい。

4"So in Love"は緩やかな曲。5曲目"Night & Day"で再び下手から腰越さんが
登場。途中、白のブレザーに着替えたメンバー二人が人形相手にダンスし、大拍手
となった。終曲"Ev'ry  Time We Say Goodbye"では途中下手より腰越さんが
登場、アゴーギクある棒とともに一体感をもってフィナーレとなった。おもしろかった。


休憩後、緞帳のおりた下手に畑中先生が登場。片手をいすにかけ、立って「ジプシ
ーの歌」について5分ほど解説された。「ドボルジャークというと皆さん何をご存知で
しょうか?パンパパンパパンパかな。ちょっと音程悪いですネ」に会場爆笑。反応が
はやかった。「きけよトライアングル」について、「こ~んなにも澄んだトライアングル
の音」の「こ~んなにも」という言い方、表情、いかにも感性あふれる畑中節が健在
だった。「それではドボルジャークを始めましょう!」

4.「ジプシーの歌」(ドボルジャーク作曲、福永陽一郎編曲)
   指揮;畑中良輔、ピアノ;黒澤美雪、振付;渥見利奈、バレエ;TOMS FACTORY
緞帳があがると下手にピアノと指揮台。畑中先生は指揮台の支えにつかまりながら
の立っての指揮。歌詩は独語版である。いきなり本当に見事なソロとともに1「わが歌
ひびけ」がスタート。広いステージではすばらしいバレエが繰り広げられた。2「きけよ
トライアングル」では団員二人によるトライアングルが効いている。フレージングのこ
だわり方がいかにも畑中先生だ。

3「森はしずかに」では 男声合唱の ppp の美しさにひきつけられた。4有名な「わが
母の教えたまいし歌」ではメロディーのよさもさることながら「年老いた母がおれに歌
を教えた時に、しょっちゅう、まつ毛に涙をためていた」という歌詩にステージがにじん
だ。(涙もろいのは歳のせいかしらん?)

5「弦を整えて」ではバレエとともに音楽が生き生き。終曲「鷹は自由に」タンバリン、ト
ライアングル、バレエに情熱的な棒で盛り上がった。演奏前は正直いって、失礼なが
らこの曲は藤沢男声には難曲ではないかしらんと思っていたが、老壮青一体となっ
ての熱演だった。


アンコールでは指揮台を中央に移し、「悲哀感は若い人たちには出てこないと思うん
です」(畑中先生)と清水脩の「秋のピエロ」が歌われた。「ア」は畑中先生好みの大
人の「ア」。デックンした「ア」と言い換えてもいいかしらん。曲は「みすぎよすぎのぜひ
もなく」の「ぜひもなく」をマルカートで強調した「秋のピエロ」だった。途中からTopは
シャープ気味だったが、最高音は見事に実声で張っていた。ちなみに今年は堀口大
学(學)没後30年である。

続いて登場の佐藤先生は石川啄木の「やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに」に信長さんが作曲したもの。大きなデュナーミクが印象的だった。
吉川さんでは「シベリウスの『フィンランディア』をお送りします」に自然発生的な拍手
が起きた。一番を原語、二番を日本語で歌われたアンコールでは、大きな音楽がよ
く流れていた。二番の「望みにあふれる国」という歌詩が心まで響いた。

それにしてもこの定期演奏会、全ステージの暗譜に拍手を送りたい。




藤沢駅前の小田急


藤沢駅


藤沢市民会館





大ホール2階より


演奏終了後 会場前でのストーム





当日のプログラム


     *     *     *     *     *


7月13日(水) パスポートが6月に期限切れとなったので猛暑の中川崎のパスポー
トセンターへ申請に行く。
川崎のパスポートセンターには10年前に行ったことがあるはずだが、どんなところか
まったく記憶にない。インターネット地図を印刷し、持って出かけたが、川崎駅の出口
を間違え、反対方向へ歩いてしまった。暑さボケだろうか、本当のボケか心配になる。
申請手続きにとまどいながらも30分ほどで済ませることができた。当日を含め6日後
にできあがるので、21日以降には取得できる。



パスポートセンターのあるソリッドスクエア

 
川崎パスポートセンター


川崎駅西口のラゾーナ川崎プラザ 再開発でできたようだ 
以前は東芝の工場だったかしらん


7月14日(木) 休暇明けの出勤である。『朝イチでメールは読むな』という本がある
が、たまっていたメールを朝イチから開封していくのに2時間かかった。

昼休みにちょっとしたオペラファンと談笑。コジマって何だっけ?コジマはリストの奥
さんで途中からワーグナーに走ったんじゃなかったかな?そのためにワーグナーと
リストの仲が悪くなったらしい、といいかげんな話をする。--正確な知識は想像以
上に少ない。


7月16日(土) ブログ作りに精を出す。午後2時半、NHKプレミアムTVのドキュメン
タリー「日本と戦った日系人」が大変おもしろかった。「二つの祖国」ハリー・K・フクハ
ラという大正9年生まれの日系2世の物語だった。むろんフクハラ本人が登場する。
個人的な感想では、今年のTV番組ベスト5に入るだろう。再々放送を望みたい。
(オリジナルは2006年の放送?)


7月17日(日) 室温31.5℃。身体が慣れてきたのか、サウナよりは涼しい。BS世
界のドキュメンタリー「ケネディ家 宿命の子どもたち」(再)を観る。私の中学時代、
J.F.ケネディは、有名な大統領就任演説とともに米国の輝かしさの象徴だった。J.F.
ケネディは、当時大変若いと思っていたが、日本流にいえば大正6年生まれで、私
の父の1歳上だった。あの子どもたちはどうなったのだろう。(調べれば分かることだ
が・・・・・・。)

夕方、夕涼みがてら近所の図書館へ。
ハワード・カーター『ツタンカーメン発掘記』(ちくま学芸文庫)を借りる。
以前書いたかしらん、昭和40(1965)年、私の通っていた中学校から京都市美術館
へ「ツタンカーメン展」を観に行った。その時、黄金のマスクに感激した私は小冊子の
隅から隅まで読んだ。(ちなみにその前年にはミロのビーナスが来ている。)
ツタンカーメンの墓を発掘、発見したのがイギリス人ハワード・カーターその人である。




東京・メキシコ五輪サッカー代表の森孝慈氏が亡くなった。5月には主将だった八重
樫氏も亡くなっている。まだまだお若いのに残念だ。ご冥福をお祈りする。


7月18日(月・祝) 3連休最終日。今日は新日本フィルの定期。ワーグナーの『トリス
タンとイゾルデ』(演奏会形式)である。(この感想は25日(月)に掲載予定。)

FIFA女子ワールドカップサッカー 日本VS米国 前半終わって0:0。

『文芸春秋』7月号(先月号)
特集は「大研究 悔いなき死 鮮やかに生きるための心得」だったが、個人的には
「時代を創った女③東洋の魔女河西昌枝『ニッポンはなぜ逆境に強いか』」(吉井妙子)
「日本人が英語で相手を言い負かす方法」(鈴木孝夫)
「病院で嫌われない患者になる方法」看護師座談会
がおもしろかった。


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