人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

7/30 令和5年関西紀行(5) OB四連(長文)

2023-08-07 05:00:00 | 旅行

7月30日(日)午後、逆瀬川から西宮北口へ回り、兵庫県立芸術
文化センターへ。ここは昔阪急の本拠地西宮球場があったとこ
ろだ。佐渡裕が芸術監督をしている。
佐渡さんは、ほかに、ウィーン・トーンキュンストラー、新日本フィル、シエ
ナ・ウインドとまことに忙しい。


兵庫県立芸術文化センターは、西宮北口の南改札口から連絡通路
でつながっており、すぐだ。

いよいよ今回の旅行のメインの目的、OB四連(第24回東西四大
学OB合唱連盟演奏会)だ。
(2年置きの開催だが)2年前のOB四連はコロナのため中止にな
っている。

OB四連は、高齢ファンが多く、現役の四連とはまた違ったフン
イキだ。


<プログラム>
エール交歓
1.慶應ワグネル 「水のいのち」
 指揮:宮本益光 ピアノ:髙田恵子
2.クローバー 「まぼろしの薔薇」
 指揮:長谷川裕也 ピアノ:木下亜子
--休憩--
3.稲門グリー 「さすらう若人の歌」
 指揮:小林研一郎 ピアノ:大室晃子
4.新月会 「柳河風物詩」
 指揮:広瀬康夫
5.合同演奏 「月光とピエロ」
 指揮:広瀬康夫


当演奏会の曲は名曲ばかり。「さすらう若人の歌」(福永先生の
名編曲)は別として、あとの4曲は「日本の合唱作品100選」(→
こちら)に選ばれている。

合唱好きの人ならいずれも「一度ならず」聴いたことがあり、ま
た歌う人も同様に歌ったことがあるハズだ。
ちなみに私も当5曲のうち4曲は、現役時代、暗譜で歌っている。

各団体とも、<おそらく>、昨年の演奏会を終え、年明け頃から
半年以上、「ほぼ」自身のステージ一曲のために練習を重ねてき
たことだろう。

したがって、結論を急げば、各団体とも演奏に甲乙つけがたく、
悪かろうハズもない。

となると、興味は、「歌い慣れ」された曲がどのように新しくブ
ラッシュアップされ、演奏されるかにあるといえるだろう。

知った曲は、それだけ聴く方としてもむしろ緊張を強いられる。

「名曲」ばかりということもあり、呼べば集まる(?)、4団体の
うち3団体は100名を超えるオンステ人数となった。


以下はいつもながらつたないコメントにご容赦を・・・・・・

14時ジャスト。左右から約400人が登場。ワグネル以外は濃紺な
いし黒のブレザー。会場はザワザワ。「大変長らくお待たせ・・・
・・・」のアナウンス、ステージのライトアップとともに静まり、
大きな拍手となる。


       ( )内はプログラムエントリーメンバー数
エール交歓
・慶應ワグネル
 オーソドックスな「塾歌」でよかった。指揮者のおじぎも。
・クローバー
 きっちりした4拍子のイン・テンポ。最後は大きくrit.した。
・稲門グリー
 指揮棒を持っての指揮。「いざ声そろえて~」のcresc.がいい。
・関学グリー
 softな指揮ぶりからsoftな歌い方。「kwansei」のpにしびれる。
各団体とも人数が多いだけに「余裕」のあるエールだった。

このホールは初めてだが、客席で聴くと、響きすぎないというか、
ビンビンとは響いてこない印象だ。

4人がかりでピアノが中央に運ばれる。

1.慶應ワグネル 「水のいのち」(115人)
 指揮:宮本益光 ピアノ:髙田恵子
合唱団は下手入場。続いてピアニスト、指揮者が登場。宮本先生
はまことに神妙なおじぎ。

「昔話」をして恐縮だが、私が現役4年の時に木下保先生に振っていただいた曲
だ(ちょうど50年前。ワグネルにとって初めての『水のいのち』だった)。1曲
目「雨」、木下先生の最初の練習の第一声は衝撃だった。--「(1曲目は)君
たち『小ぬか雨』って知ってるかな。細かな細かな雨が音もなくネ。音楽用語で
いえばppでということで。それで行きたい」。
個人的な考えでは、1曲目「雨」からの歌い過ぎは禁物だ。ドラマの始まりとし
ての「序奏」的な位置づけと言えるかしらん。

(1)「雨」で、客席からはほとんど見えない指揮により、前奏が始
まり、110人を超える合唱が6/8のイン・テンポに乗ってきた瞬間、
私は50年前の「小ぬか雨」を思い出し、みるみるうちにステージ
がにじんだ。イン・テンポの中でのパートの受け渡しがまことに
スムーズだ。

(2)「わだちの くぼみ」が丁寧な歌い出しだ。宮本先生は、先に
先にと左手のキューを出す。「(けれどもいちずないのちは)な
いのか」のdim.が(意外にもと言っては怒られるが)美しい。

(3)この曲から宮本先生が大きく動いてきた。指揮ぶりがお上手だ。
ホールトーンのせいもあるかもしれないが、大人数をバックのf
が力まないように聴こえる。「k」の子音も必要以上に立てすぎ
ない。ここでも「こがれ生きるもの」のdim.は全体として徐々に
消えていった。

(4)厚い(熱いではない)ハミングがすばらしい。中間部のピアノ
が繊細だ。合唱の弱声にも惹きつけられる。「(一人の)母を」
の発語にも一体感があり、「そっと岸辺に」の撥音もすばらしい
(ここは撥音を強調しすぎると違和感を感じてしまう)。
感動が自身の「想い」と重なる。

(5)前半の微妙なデュナーミクに惹きつけられる。後半、満を持し
ての「おお 海よ」からは、この曲を通してのクライマックスに、
大きな感動が押し寄せる(宮本先生もダイナミックな指揮。先生
はピアノ伴奏もきっちり振っている)。
「(空の高みへの)始まりなのだ」の後の休符はやや長く取った。
最後は「のぼれ のぼりゆけ おお」まで一直線、緊張感を切ら
さずに終わる。宮本先生は後奏も振り切った。

声楽科出身の宮本先生だけに、合唱全体としての「声」が作り上
げられていた。

私は拍手とともに、マスク越しにブラボーを3回叫んだ(ステー
ジには届かなかったかな?)。

私の隣の男性(関学OBと思しき?)がひとり小さな声で「参っ
たな~」とつぶやいていた(新月会の販売席だった)。


2.クローバー 「まぼろしの薔薇」(73人)
 指揮:長谷川裕也 ピアノ:木下亜子
合唱団が入場したところで、指揮者の譜面台を片付ける。合唱団
は譜面持ちが10人ほど。ピアノのフタはさほど大きく開けない。
長谷川さんの指揮は左手の使い方も上手く、合唱団へのデュナー
ミクも徹底している。歌詩=言葉が明瞭に歌われる。ピアノとの
バランスもいい。やや地味で玄人好みの曲だが、すばらしかった。

--休憩--

3.稲門グリー 「さすらう若人の歌」(107人)
 指揮:小林研一郎 ピアノ:大室晃子
演奏前にコバケン先生のトーク、「聴きどころ」のポイント紹介
が入る。「テキストは見ないで、私の説明だけを聴いてください」
(笑)。この曲(独語歌唱)を初めて聴く人には大きなサービス
だ。
コバケン先生/稲門グリーの同曲演奏は3月にも聴いているが、
ドイツ語がかなりドイツ語らしくなっていた。この曲は4曲中3曲
目に山が来る。演奏が終わるや、コバケン先生も親指を立てての
「満足」サイン。合唱団はパートごとにおじぎを行った。


4.新月会 「柳河風物詩」(116人)
 指揮:広瀬康夫
フォーメーションは、ステージ全体に広がらず、やや前寄りに固
まる。この曲はもはや新月会の「十八番(おはこ)」と言ってい
いだろう。ア・カペラステージだ。
(1)最初だけ下手のピアノで音採り。長身のソリストは明るめの発
声(やや気味緊張だった?)。「赤い毛糸でくくるのぢゃ」はか
なりゆっくり。大人数でありながら、「あれあの三味を」の言葉
さばきはさすが関学だ。
(3)pの出だし「柳河の」にゾクゾク。ここでも「消えた」の言葉
さばき、「三味線」の発語が美しい。
(4)「かきつばた」から続けて終曲へ。「花道の下」で若干長めに
pauseし、「水ぐるま」のfでスパッと締めくくった。
ここはブラボーが出やすいところ。案の定。


5.合同演奏 「月光とピエロ」
 指揮:広瀬康夫
左右から交差方式で約400人が入場。広瀬氏もほぼ同時に登場。
最初だけピアノで音採り。
(1)二つ振りでテンポが速めだ。「二つ振り」の心は、粘らないレ
ガート?
(2)「月の様なるお白粉の 顔が涙を流すなり」は1回目も2回目も
ノンブレスだ。「真実なみだを」はさすが400人が鳴っていた。
(4)4小節ごとのブレス。普通以上に打点の丸い指揮ぶりだ。厚み
のある大合唱がすばらしい。
(5)前曲のcoda「泣き笑ひ」で一瞬の間から終曲へ。最後の「ピエ
ロー」は大きくフェルマータした。

大拍手の中、ものの1分ほどで、アンコールの「Ride the Chariot」。
ソリストはワグネルから稲門まで、各団体ひとりずつ、次々に登
場。猛暑にふさわしい速いテンポで切り上げた。



遅ればせながら、早速CDを申し込む。
ハイレベルな演奏を聴きに来てよかった。



プログラム(表紙)


12:08 逆瀬川駅改札


12:11


12:13 逆瀬川駅(以下同じ)


12:16


12:19 西宮北口行


12:19


12:20 お隣の小林(おばやし)駅


12:29 まもなく終点西宮北口


12:31


12:31


12:34


12:35


12:38 南改札


12:38


12:39 改札を出て右へ


12:39 右手にスポーツクラブを見て


12:40


12:41 あれがそうかな?


12:42


12:42


12:44


12:44


12:44


12:52 

友人がエビスバーでやってますというので、お店の人の電話案内
で行こうとしたが迷子になり、ギブアップ。


12:52


12:53


12:56


12:57 全然方向違い?


13:03 元へ戻る。


13:04 再び兵庫県立芸術文化センターのエントランスへ


13:07


13:07 だいぶ集まってきている。


13:08


13:08 こちらは「神戸女学院小ホール」


13:08 阪急中ホール


13:09


13:09


13:09


13:10


13:11


13:11


13:12


13:14 開場


13:15


13:16


13:17


13:17


13:17


13:18 山台は9段!


13:19 私の席はこのあたり 希望どおりの通路側に感謝!


13:21 関学、新月会のCD、DVD販売中


13:22 ドリンクコーナー


13:22


13:40 記念撮影


13:40


13:44


13:45


13:53 まもなく開演


13:53


15:07 休憩


15:08


15:08 800円は高すぎる!(笑)


15:11


15:21 逆光でした。


15:21


15:22


15:23


15:23


16:36 合同演奏を終えて


16:37 お開き


16:37

ホールのロビーで、先輩のH、T、Y、K氏とバッタリ(合同演
奏にはオンステしなかった?)。
「どうもお疲れ様でした」
と最敬礼。
会社の先輩でもあるHさんは
「またやろうよ」
と握手。


16:38


16:39


16:39


16:40


16:41


16:41 西宮北口改札へ 「打ち上げパーティー」は失礼。


 -------------------------------

○今日、8月7日は司馬遼太郎の誕生日。まさしく生誕100年!


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 7/30 令和5年関西紀行(4)... | トップ | 7/30 令和5年関西紀行(6)... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (関学OBのMより)
2023-08-07 10:09:49
各団の寸評ありがとうさんでした。「ブラボー」の話にフォーカスすると、某団の先生指揮者?には「おっかけ」が来ており、他にも「さくら?」がいたみたいで、、、ワテはステージ袖にいましたが、ちょっとうるさかったかな(笑)某団の方には失礼、ほなです。
返信する
Unknown (katsura1125)
2023-08-07 10:27:27
関学OBのMさま、早速のコメント有難うございます。
「おっかけ」となりますと、どの団にもおられますね~。新月会の「おっかけ」さん(たしか巳年?)とはお会いしなかったです。
そういえば、4年前にオンステしていた、新月会、クローバーの同期の顔が見えませんでした。きっとお元気とは思いますが(あちらも同じことを思ってる?)。
返信する

コメントを投稿

旅行」カテゴリの最新記事