(2005年10月13日 MOVIX三好にて)
「黄泉がえり」のスタッフが再び結集した、生きていく希望と魂を揺さぶる感動作。
いくらファンタジーとはいえ、驚くほど乱暴な展開、あまりにご都合主義満載で、「脚本家が3人もいて、なおかつ塩田が監督しているのにこれか!」と、観ている間はあっけに取られる時間が多かったような気がするのですが、観終わった後に何故だかジーンと来るものがあった。
これは、ストレートに「生きろ」というメッセージが打ち出されいて、いま現在生きている人を包み込むようなじんわりと、いつまでも残る感じがあったからだと思う。
そして疾走感。ご都合主義も乱暴さも、みな、この映画の持つ疾走感につながっている。
この作品では、「誰かを救いたい」という気持ちがそれぞれの主人公を動かしています。
そもそも、その気持ちが20年前の世界に行かせてますからね。タイムスリップを説明する時のようなSF理論よりもまず、感情が優先されていて、SFを観るような心構えではズッコケてしまいますが。
塩田明彦監督の映画って、リアリティや前後のつながりよりも目的に向かって走っている感じを優先させているような気がします。前作の「カナリア」なんていきなり主人公の少年が銀髪に変身して覚醒しちゃったし。
これが正しいのか正しくないのかは観ている人の受け取り方ですが、僕はこのやり方もアリだと思う。
それにしても、伊藤英明も大人になったものだな。「ぼくの魔法使い」で最終的にパパになったとはいえ、意外と父性を感じる演技もイケると思った。
伊藤英明の20年前を演じている富岡涼くんは、来年GW公開の「小さき勇者たち~GAMERA~」で僕と共演してるのですが、ホントこの子は巧い。さっき書いた伊藤英明とのシーンの父性を感じる温かい感じはひょっとしたらこの子の受けの演技の良さお陰かもしれんな。
この作品、ほとんどがこの2人とミムラの話になっていて、時間配分的にはクドカンと勝地涼と倍賞千恵子が添え物程度になってしまってるのだけど、意外とこれらも印象に残る。描き方が巧いんだろうな。「黄泉がえり」だと極楽山本のエピソードが良かったもんね。
何と言っても良かったのは、クドカンのパート。扱われている時間はほんの5分程度なのだけど、それまでにキチンと伏線があったから印象は5分以上。
クドカンの繊細さもいいけど、やっぱり十八代目勘三郎だよねえ。ほんのちょこっとだけしか出てないけど、全てをさらっていく存在感は凄いと思う。
宣伝されているような感動作を期待すると、肩透かしを食らうかもしれないですが、意外と悪くない作品になっています。
「黄泉がえり」のスタッフが再び結集した、生きていく希望と魂を揺さぶる感動作。
いくらファンタジーとはいえ、驚くほど乱暴な展開、あまりにご都合主義満載で、「脚本家が3人もいて、なおかつ塩田が監督しているのにこれか!」と、観ている間はあっけに取られる時間が多かったような気がするのですが、観終わった後に何故だかジーンと来るものがあった。
これは、ストレートに「生きろ」というメッセージが打ち出されいて、いま現在生きている人を包み込むようなじんわりと、いつまでも残る感じがあったからだと思う。
そして疾走感。ご都合主義も乱暴さも、みな、この映画の持つ疾走感につながっている。
この作品では、「誰かを救いたい」という気持ちがそれぞれの主人公を動かしています。
そもそも、その気持ちが20年前の世界に行かせてますからね。タイムスリップを説明する時のようなSF理論よりもまず、感情が優先されていて、SFを観るような心構えではズッコケてしまいますが。
塩田明彦監督の映画って、リアリティや前後のつながりよりも目的に向かって走っている感じを優先させているような気がします。前作の「カナリア」なんていきなり主人公の少年が銀髪に変身して覚醒しちゃったし。
これが正しいのか正しくないのかは観ている人の受け取り方ですが、僕はこのやり方もアリだと思う。
それにしても、伊藤英明も大人になったものだな。「ぼくの魔法使い」で最終的にパパになったとはいえ、意外と父性を感じる演技もイケると思った。
伊藤英明の20年前を演じている富岡涼くんは、来年GW公開の「小さき勇者たち~GAMERA~」で僕と共演してるのですが、ホントこの子は巧い。さっき書いた伊藤英明とのシーンの父性を感じる温かい感じはひょっとしたらこの子の受けの演技の良さお陰かもしれんな。
この作品、ほとんどがこの2人とミムラの話になっていて、時間配分的にはクドカンと勝地涼と倍賞千恵子が添え物程度になってしまってるのだけど、意外とこれらも印象に残る。描き方が巧いんだろうな。「黄泉がえり」だと極楽山本のエピソードが良かったもんね。
何と言っても良かったのは、クドカンのパート。扱われている時間はほんの5分程度なのだけど、それまでにキチンと伏線があったから印象は5分以上。
クドカンの繊細さもいいけど、やっぱり十八代目勘三郎だよねえ。ほんのちょこっとだけしか出てないけど、全てをさらっていく存在感は凄いと思う。
宣伝されているような感動作を期待すると、肩透かしを食らうかもしれないですが、意外と悪くない作品になっています。