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お久しぶりです。ネタバレあります。

「ユメ十夜」 とりあえず豪華

2007-02-18 14:52:50 | 映画感想
(2007年2月18日 名演小劇場1 2006年・日 ヴィスタ dtsステレオ 110分)

文豪・夏目漱石の幻想短編集『夢十夜』を豪華にして多彩なスタッフ・キャスト陣で映画化したオムニバス・ムービー。

一本あたり約十分、ほぼオチ無しなので、それぞれ観終わった後に何とも言えない物足りなさが残りますが、どれも原作から自由に発想されて作られている分面白かった。原作は昔読んだ覚えがありますが、読んでおいた方が「こんな解釈もアリ」な楽しみ方ができるかもしれません。

そんなわけで、第一夜・実相寺昭雄と第二夜・市川崑は、丁寧に作られている分、物足りなかった。ヒゲ無しの松尾スズキは最後まで誰だか分からなかった。第三夜・清水崇のホラー風味、話の面白い第四夜、第五夜でやっと見られるようになったかな。第四夜では大倉孝二の顔が良い。

やっぱり後半戦、我慢に我慢を重ねた後の松尾スズキ監督、阿部サダヲ主演による第六夜が一番面白かった。
ナンセンスギャグ満載で運慶が仁王像の頭を彫る夢を描いている。「詳細キボンヌ」「あぼーん」など、皆に2ちゃん語を喋らせて、それらしい英語字幕を使ってるんですよね。よりによって何でこの人の夢なんだよ!と脱力してしまう大オチも良かった。

天野喜孝、河原真明の七夜は大画面で観られて良かった。
他の話と同じ製作費だと思えないほどクオリティ高し。とは言え、話はよくわからんが。3DCGなのにやわらかいタッチで、こんな感じでFFをやればいいのにと思った。秀島史香の声はいいなあ。英語もきれいで聴き取りやすかった。

山下敦弘の第八夜は「おしゃれ手帖」の長尾謙一郎が脚本なんですね。
監督と同じ愛知県出身で、大阪芸大の先輩にもあたるらしい。ナンセンス過ぎて全く意味が分からないけど、もう一度観たいと思うのはこれ。漱石が百年も前にこんな不条理なのを書いてたのか驚いたので、また原作を読みたくなった。

第九夜の西川美和は、夢から着想を得る点ではこの小説と共通してますね。
是枝監督と傾向が似てるのか、緒川たまきの足の撮り方が印象的。緒川と瀧とのコンビネーションはミスマッチでよかった。

山口雄大の第十夜は、漱石というよりも、漫☆画太郎ワールド完全実写化!でした。
やっぱこの監督は訳わかんなくて面白いわ。ほんじょさんも松山ケンイチも頑張ってたな!


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