たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「リダクテッド 真実の価値」

2008-11-09 18:00:49 | 映画感想
(2008年11月9日 名演小劇場2 2007年・米=加 ヴィスタ SRD 90分)

2006年、イラク。サマラ米軍駐屯地。カメラで仲間たちを撮るサラサールは、ビデオ・ダイアリーを撮影し、映画学校に入学しようと目論んでいた。しかし彼は検問所の担当のため迫力ある映像が撮れず、不満気味。そんなある日、一台の車が減速の指示を無視して検問所へと迫ってくる…。

ブライアン・デ・パルマの新作は、初めてフェイクドキュメンタリーの手法を駆使した、衝撃の事件の真実に迫るドラマ。イラク戦争で実際に起きた婦女暴行事件を基にしたフィクション。

もともと映画と言うのは嘘で出来ているもので、反対に真実はテレビのニュースの中にあるものだった。しかし、マイケル・ムーアのドキュメンタリー然り、スパイク・リーのブラックムービー然り、テレビを始めとしたメディアは真実を隠している、ならば我々は映画で暴くしかないと逆転の現象が起こっている。嘘でもって嘘を制すってのがこの映画の面白さかな。

兵士が「ハリウッド映画ほどの迫力はない」と断っておきながら撮り始めたビデオ、イラク国営のニュース、映像投稿サイト、フランスのドキュメンタリーなど、様々な角度から一つの真実を導いていくのが面白い試み。

デ・パルマらしさは薄いけど、セピア調の画面が突然カラーに変化しニュース画面になったり、突然の爆破で観客を驚かせたりと少なからずともテクニックを駆使していました。でも、撮り方が上手過ぎて、素人っぽさが損なわれていたのはご愛嬌。

おぞましい事実に対して、平然とついた嘘がまかり通って、真実を知る者はいつまでも苦しめられるんですよね。最後の方は観ていてやるせなかったです。


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