たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「ミラクルバナナ」試写会

2005-10-20 23:07:20 | 映画感想
「白い船」の錦織良成監督の新作は、バナナの木からできる紙がもたらす奇跡を描く感動作。今日は芸術創造センターへ試写会に行ってきました。ほぼ満席!

全国的には来年春公開なのですが、名古屋・岐阜などの中部地方では10月29日から先行公開になります。
29日、30日にかけて舞台挨拶もあるので是非是非。

何故名古屋か?と言うと、バナナの木でできた紙で作った学研の絵本「ミラクルバナナ」を読んだ監督が、バナナから紙を作る過程に惹かれて、そのプロジェクトを立ち上げた名古屋市立大学大学院教授らから取材し、物語を作り出し、ロケも名古屋・美濃で行われたということもあったので。

これは、誰もが素直に楽しむことのできる、いい映画です。
小さな映画ながら、出演者が充実しているし、スケールも大きく、テーマがしっかりしているので「日本映画なんて・・・ましてや名古屋・・」と敬遠している人にも自信を持ってオススメできます。
特に監督の前作「白い船」が好きな人は必ず気に入ると思う。

前作を観ていない人はまず、誰かとめぐり逢えるとか、誰かが亡くなるとかで得る大きな感動よりも、日常で起こりうるちょっとした感動を求める映画があることに戸惑うかもしれないですが、その感動へ至る過程が丁寧に描かれているし、何よりも、スタッフ・キャストが、貧困にあえぐハイチで体験した時の思いが込められているので、自分がめったに行けない国の人々から何かを得る事ができるだろうと思います。

自分らが何気なく過ごしているニッポンの日常の中でも、ちょっと気付けば、楽しい、面白いことがいろんなところに転がってるだろうしね。

舞台挨拶では監督と、主演の小山田サユリさん、音楽の角松敏生さんが来場されました。
残念ながら撮影禁止でしたが・・・。

小山田サユリさん可愛かった~。映画の中では実年齢よりも若い(っておい)24歳の大使館派遣員を難なく演じておられますが、実際舞台に上がった彼女を見ると大人っぽい。
今回は可愛い役だけど「心中エレジー」や「オー・ド・ヴィ」だと全く逆の(精神的に)激しい役柄を演じてますからねえ。女優さんってすごいです。

撮影の裏話。
物語の大部分を占める外国ロケは、混乱の続くハイチでは難しいということで、よく似た場所のあるドミニカ共和国で行われたそうです。
それでも、いくらドミニカとはいえ、スラム街などは夜になると危険地帯と化してしまい、1回だけ、撮影が遅れてしまった時に警察官40人から護衛をしてもらいながらホテルに帰ったそうな。

前作に続き音楽担当の角松さんはよく喋ってた!
少ない曲数でずっと音楽が流れていたように思わせるテクニック、映画のカットの尺に合わせて音楽を製作するなどの苦労話を聞かせてくれましたが、途中からものすごい話が難しくなってきたので司会の人もちょっと困っていた。

監督曰く、この映画について一言でまとめると「ハイチの人から何かを教えてもらおう」という映画だそうです。うん、確かに映画を観たあとは自分がちょっとだけ優しくなったような気がします。そして、今夜はハイチに思いをめぐらしてみようかという気持ちになります。

あと、これは試写会はもちろん普通の映画館でもなかなかないことなのですが、上映後に拍手が起こっていました。おかげで気持ちよく会場を後にしましたよ。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですか~! (のら)
2005-10-22 11:40:02
来週、黒沢さんのライブがあるので

試写会は応募やめておいたんですが

気になってたんですよね。試写会で拍手が

起こるなんて!いい作品だったのですね。



角松さんって以前FMの番組もやってましたが

話が結構辛口で面白いんですよね~~。
返信する
角松さん (たまやん)
2005-10-22 20:02:42
映画としての出来はともかく、監督や役者さんが一生懸命になって作ったのが伝わってくる映画なので、お客さんの心に響いたのだと思います。



名古屋や美濃の風景も所々に出てくるので親しみが沸く映画でもあるし。



昔よく音楽系の雑誌を読んでたので、角松さんの毒舌はよく存じておりました。当日も、監督とお互いの悪口を言ってたけど、まあ、人柄はいいんだろうな~と思いましたよ。
返信する