たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「地獄でなぜ悪い」

2013-09-28 21:52:15 | 映画感想
(2013年9月28日 TOHOシネマズ津島 2012年・日 シネスコ 128分)

ヤクザの組長・武藤は、獄中にいる最愛の妻・しずえの夢を叶えようと躍起になっていた。それは娘のミツコを主演に映画を製作するというもの。しかし、肝心のミツコは男と逃亡してしまい、映画が出来ないまま、いよいよしずえの出所まで残り数日となってしまう。そこで武藤は、手下のヤクザたちを使って自主映画を作ることを決断する。


ゆらゆら帝国が流れてたからだけではなく、まるで「愛のむきだし」の頃に回帰したかのような青春アクション映画。
そして、映画についての映画ですね。映画愛がハンパない。
そもそも、主人公が自主映画集団で、ファック・ボンバーズの名前は実際に園さんが名乗っていた集団との事。

最近の園さんの映画にあった世に対する皮肉、怒りは鳴りを潜め、ただひたすら面白いだけの映画に仕上がっている。
面白いだけでなぜ悪いんだと、地獄でなぜ悪いと。もう見たまんまですが、映画の現場は血みどろの戦場。
映画の持つ麻薬性、イベント感、疾走感、狂気の映画愛が全編にほとばしる。

「仁義なき戦い」「県警対組織暴力」「キル・ビル」などの映画パロディがふんだんに盛り込まれ、話もめちゃくちゃなようでいて、スタッフ集め、資金集め、機材集め、監督の決定とキチッとプロセスを踏んで映画を作っていて、何と言うか、映画に対して真摯だと思う。
「何だよ、死んでもフィックスかよ」はいいセリフだなあ…。

長谷川博己がフィルムと録音テープを持って疾走するラスト、カットの声がかかって、入れ子構造でこれもまた映画なんだと叫ぶ。



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