「蜩ノ記」に続き、葉室麟さんの「銀漢の賦」を読んだ。
昨年読んだ最後の小説である。
寛政期(江戸時代)、西国・月ヶ瀬藩の話。
郡方・日下部源五と家老・松浦将監は幼なじみであったが、
ある出来事を境に絶縁状態に。
50歳を過ぎ、ふたりの人生が再び交差するというもの。
第14回松本清張賞受賞作。
題名にある銀漢とは、
宋の蘇軾の「中秋月」という漢詩からの引用らしい。
「暮雲収め尽くして清寒溢れ
銀漢声無く玉盤を転ず
此の生、此の夜、長くは好からず
明月、明年、何れの処にて看ん」
(日暮れ方、雲が無くなり、さわやかな涼気が満ち、
銀河には玉の盆のような名月が音も無くのぼる。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久に続くわけではない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう。)
また、作中、将監が銀漢のことを次のように説明している。
「銀漢とは天の川のこと。銀は金銀の銀、漢は羅漢の漢。
天の川は漢詩では天漢、銀漢などの言葉で表される。
この場合の漢とは、男という意味ではなく、
漢江、すなわち大河のことだ。」
時代小説や歴史小説には勉強になる話が多く、
年を取ってくると、読む人が増えるというのも頷ける。
「花というものは自然に咲いておって
綺麗なものだと思いますが、
やはり葉は切らねばならぬものですか。」
「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を
持っているとお思いですか。人も花も同じです。
生まれ持ったものは尊いでしょうが、
それを美しくするためには自ずと切らなければ
ならないものがあります。
花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して
自分の心を美しくするのです。」
本作品は今月15日からNHKの木曜時代劇で
「風の峠~銀漢の賦」としてドラマ化された。
源吾役に中村雅俊さん、将監役に柴田恭兵さんが扮し、
源吾の一人娘・たつ役に吉田羊さんが出演する。
第1話を観たが、なかなか面白かったので、残り5話も観よう。
昨年読んだ小説は42冊。
読みたい作品はたくさんあったが、あまり読めなかった。
今年はもう少し本を読みたい。
【2014年に読んだ小説】
「徳川家康(第11巻~第21巻)」(山岡荘八)
「砂の王国(上・下巻)」(荻原浩)
「家守綺譚」(梨木香歩)
「僕の生きる道」(橋部敦子)
「虹の岬の喫茶店」(森沢明夫)
「この美しい一日の終わりに」(有吉玉音)
「白ゆき姫殺人事件」(湊かなえ)
「約束の海」(山崎豊子)
「春、戻る」(妹尾まいこ)
「三十光年の星たち(上・下巻)」(宮本輝)
「村上海賊の娘(上・下巻)」(和田竜)
「また会う日まで」(柴崎友香)
「ポニーテール」(重松清)
「翼」(白石一文)
「終わらざる夏(上・下巻)」(浅田次郎)
「逃走」(薬丸岳)
「昨日のカレー、明日のパン」(木皿泉)
「錦繍」(宮本輝)
「舟を編む」(三浦しをん)
「かわいそうだね」(綿矢りさ)
「勝手にふるえてろ」(綿矢りさ)
「マスカレード・ホテル」(東野圭吾)
「マスカレード・イヴ」(東野圭吾)
「蜩ノ記」(葉室 麟)
「小暮荘物語」(三浦しをん)
「花冠の志士 小説久坂玄瑞」(古川薫)
「死命」(薬丸岳)
「銀漢の賦」(葉室 麟)
昨年読んだ最後の小説である。
寛政期(江戸時代)、西国・月ヶ瀬藩の話。
郡方・日下部源五と家老・松浦将監は幼なじみであったが、
ある出来事を境に絶縁状態に。
50歳を過ぎ、ふたりの人生が再び交差するというもの。
第14回松本清張賞受賞作。
題名にある銀漢とは、
宋の蘇軾の「中秋月」という漢詩からの引用らしい。
「暮雲収め尽くして清寒溢れ
銀漢声無く玉盤を転ず
此の生、此の夜、長くは好からず
明月、明年、何れの処にて看ん」
(日暮れ方、雲が無くなり、さわやかな涼気が満ち、
銀河には玉の盆のような名月が音も無くのぼる。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久に続くわけではない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう。)
また、作中、将監が銀漢のことを次のように説明している。
「銀漢とは天の川のこと。銀は金銀の銀、漢は羅漢の漢。
天の川は漢詩では天漢、銀漢などの言葉で表される。
この場合の漢とは、男という意味ではなく、
漢江、すなわち大河のことだ。」
時代小説や歴史小説には勉強になる話が多く、
年を取ってくると、読む人が増えるというのも頷ける。
「花というものは自然に咲いておって
綺麗なものだと思いますが、
やはり葉は切らねばならぬものですか。」
「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を
持っているとお思いですか。人も花も同じです。
生まれ持ったものは尊いでしょうが、
それを美しくするためには自ずと切らなければ
ならないものがあります。
花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して
自分の心を美しくするのです。」
本作品は今月15日からNHKの木曜時代劇で
「風の峠~銀漢の賦」としてドラマ化された。
源吾役に中村雅俊さん、将監役に柴田恭兵さんが扮し、
源吾の一人娘・たつ役に吉田羊さんが出演する。
第1話を観たが、なかなか面白かったので、残り5話も観よう。
昨年読んだ小説は42冊。
読みたい作品はたくさんあったが、あまり読めなかった。
今年はもう少し本を読みたい。
【2014年に読んだ小説】
「徳川家康(第11巻~第21巻)」(山岡荘八)
「砂の王国(上・下巻)」(荻原浩)
「家守綺譚」(梨木香歩)
「僕の生きる道」(橋部敦子)
「虹の岬の喫茶店」(森沢明夫)
「この美しい一日の終わりに」(有吉玉音)
「白ゆき姫殺人事件」(湊かなえ)
「約束の海」(山崎豊子)
「春、戻る」(妹尾まいこ)
「三十光年の星たち(上・下巻)」(宮本輝)
「村上海賊の娘(上・下巻)」(和田竜)
「また会う日まで」(柴崎友香)
「ポニーテール」(重松清)
「翼」(白石一文)
「終わらざる夏(上・下巻)」(浅田次郎)
「逃走」(薬丸岳)
「昨日のカレー、明日のパン」(木皿泉)
「錦繍」(宮本輝)
「舟を編む」(三浦しをん)
「かわいそうだね」(綿矢りさ)
「勝手にふるえてろ」(綿矢りさ)
「マスカレード・ホテル」(東野圭吾)
「マスカレード・イヴ」(東野圭吾)
「蜩ノ記」(葉室 麟)
「小暮荘物語」(三浦しをん)
「花冠の志士 小説久坂玄瑞」(古川薫)
「死命」(薬丸岳)
「銀漢の賦」(葉室 麟)