宮本輝さんの小説「水のかたち(上・下)」を読んだ。
あとがきで宮本さんが書かれているが、
本作品のテーマは善き人たちとのつながり。
宮本さんの作品は皆好きであるが、
本作品は1・2番にあたる作品であった。
主人公は、門前仲町に住む50歳の主婦・能勢志乃子。
かつては骨董屋であった、「かささぎ堂」という喫茶店で、
志乃子が154年前の文机を貰うところから物語は始まる。
この志乃子さん自身がもっとも善き人なのであるが、
登場してくる人たちがまた善き人たちなのである。
志乃子さんの夫・琢己さん、智春、啓次郎、茜の3兄弟。
かささぎ堂の店主・笠木恵津。
志乃子の姉であり、海雛の店主・宮津美乃。
志乃子の母、伯父・三好与一郎。
与一郎の知人であり、コンサル会社社長の井澤繁佑。
京都の陶器修理師・香川道忠、
京都の喫茶店「バンビ」のオーナー・小鹿進。
志乃子住むマンションの1階にある、
財津ホーム社長の財津厚郎、事務員の早苗。
志乃子の友人であり、ジャズシンガーの木本沙知代。
そして、終戦直後に朝鮮から決死の帰国を図った、
横尾文之助、その妻・喜菜子、娘の菊子。
善き人とは、何か。宮本さんはこう言っている。
「他者の痛みや悩みを我がことのように感じ、
なんとか力になってあげようと行動を起こす人」
「人を騙して儲けようとか、
人間社会のルールに反して平気でいられるとか、
弱い者をいじめ、強い者にへつらうとか、
そういうこととは無縁の人たち」
現代の日本では、こういう人が減ってきていると思う。
古き良き日本社会を見た気がする。宮本さんの作品の特徴であるが、
読んでいて共感したり、自分もこうしてみようと思うことがある。
志乃子が伯父・与一郎に「心は巧みなる画師の如し」といわれる。
不幸なことや悲しいことは思い描かず、
楽しいこと、嬉しいこと、幸福なことを、常に心に思い描いていると、
いつかそれが現実になるということである。
自分もそうやって、日々暮らしていこうと思った。
また、志乃子の母が志乃子にこういうことを言う。
「人間の幸福というものは、
他の人と比べてどうのこうの考えるべきではない」
「罪悪感てのは、その人間の芯の部分をひどく痛めつけるのよ。
病気の元よ。(中略)だから、あとになって
少しでも罪悪感が残るようなことはしないほうが良い」。
素直な人は伸びるという話の中で、素直な人をこう説明している。
「人に言われた通りにする。自分を善人に仕立てあげようとしない。
自然に素直で、自然に謙虚で、自然に礼儀正しい。」
また、教育の大切さについて、夫・辰巳がこういっている。
「人間に生まれたから人間になるのではない。
人間になるための教育を受けなければ、人間にはなれないのだ。」
たくさん良い話がちりばめられ、とても素晴らしい作品であった。
是非、多くの人に読んでもらいたい作品である。
今日のおまけ。
おちぇ、何やっているの?
お外に出たい、おちぇ。
カーテンの向こうは、こんな感じ。
まだ暑いからね。涼しい時間になってからね。
やることなすこと、可愛いおちぇ。
あとがきで宮本さんが書かれているが、
本作品のテーマは善き人たちとのつながり。
宮本さんの作品は皆好きであるが、
本作品は1・2番にあたる作品であった。
主人公は、門前仲町に住む50歳の主婦・能勢志乃子。
かつては骨董屋であった、「かささぎ堂」という喫茶店で、
志乃子が154年前の文机を貰うところから物語は始まる。
この志乃子さん自身がもっとも善き人なのであるが、
登場してくる人たちがまた善き人たちなのである。
志乃子さんの夫・琢己さん、智春、啓次郎、茜の3兄弟。
かささぎ堂の店主・笠木恵津。
志乃子の姉であり、海雛の店主・宮津美乃。
志乃子の母、伯父・三好与一郎。
与一郎の知人であり、コンサル会社社長の井澤繁佑。
京都の陶器修理師・香川道忠、
京都の喫茶店「バンビ」のオーナー・小鹿進。
志乃子住むマンションの1階にある、
財津ホーム社長の財津厚郎、事務員の早苗。
志乃子の友人であり、ジャズシンガーの木本沙知代。
そして、終戦直後に朝鮮から決死の帰国を図った、
横尾文之助、その妻・喜菜子、娘の菊子。
善き人とは、何か。宮本さんはこう言っている。
「他者の痛みや悩みを我がことのように感じ、
なんとか力になってあげようと行動を起こす人」
「人を騙して儲けようとか、
人間社会のルールに反して平気でいられるとか、
弱い者をいじめ、強い者にへつらうとか、
そういうこととは無縁の人たち」
現代の日本では、こういう人が減ってきていると思う。
古き良き日本社会を見た気がする。宮本さんの作品の特徴であるが、
読んでいて共感したり、自分もこうしてみようと思うことがある。
志乃子が伯父・与一郎に「心は巧みなる画師の如し」といわれる。
不幸なことや悲しいことは思い描かず、
楽しいこと、嬉しいこと、幸福なことを、常に心に思い描いていると、
いつかそれが現実になるということである。
自分もそうやって、日々暮らしていこうと思った。
また、志乃子の母が志乃子にこういうことを言う。
「人間の幸福というものは、
他の人と比べてどうのこうの考えるべきではない」
「罪悪感てのは、その人間の芯の部分をひどく痛めつけるのよ。
病気の元よ。(中略)だから、あとになって
少しでも罪悪感が残るようなことはしないほうが良い」。
素直な人は伸びるという話の中で、素直な人をこう説明している。
「人に言われた通りにする。自分を善人に仕立てあげようとしない。
自然に素直で、自然に謙虚で、自然に礼儀正しい。」
また、教育の大切さについて、夫・辰巳がこういっている。
「人間に生まれたから人間になるのではない。
人間になるための教育を受けなければ、人間にはなれないのだ。」
たくさん良い話がちりばめられ、とても素晴らしい作品であった。
是非、多くの人に読んでもらいたい作品である。
今日のおまけ。
おちぇ、何やっているの?
お外に出たい、おちぇ。
カーテンの向こうは、こんな感じ。
まだ暑いからね。涼しい時間になってからね。
やることなすこと、可愛いおちぇ。