宇宙図2018: https://www.mext.go.jp/stw/common/pdf/series/diagram/uchuzu2018-ja_A3.pdf
によれば「地球から見て半径148億光年あたりの場所」が光速で地球から遠ざかりつつあります。(宇宙図では水色の円:注1)
この場所から外側は確かに地球に対する相対速度が光速を超えているのです。
しかし図の説明では
『空間自体の膨張による相対速度が光速を超えても光速度不変の原理=宇宙の最高速度は光速である=特殊相対論の結論、とは矛盾しない』
と言い切っています。
さてそれで、この水色の線に至るまでの銀河から発せられる光は光速で地球に届きますが、ドップラーシフトで赤方偏移:https://archive.fo/XHghv :を示します。
つまり「空間が膨張して銀河が離れていく」のですが「物理的には相対速度が定義できる」のです。
さて、そうであればこの図の水色の円の右側にある銀河と左側にある銀河とは、地球から見れば相対速度がほぼ2Cで離れていく、とガリレイ変換では計算できます。
しかし相対論の速度加算式を使いますと、右側の銀河が左側の銀河をみた時には相対速度は1Cよりも小さな値になります。
しかしながら距離が148億光年離れると、空間の離れる速度が光速を超えますので、この「相対論の速度の加算式は宇宙では使えない」という事になります。
つまりこの場合はガリレイ変換の計算が正しい、という事になるのです。
さて同様に相対速度を使ってお目当ての銀河の時間の遅れを計算できるのか、といえばこれも出来ません。
どれだけ早い速度で地球から遠ざかっていても、その銀河の時間は遅れないのです。
相対速度が定義できるのに「何故、時間の遅れが計算できない=時間は遅れない」のでしょうか?
そのように問えば「空間の膨張による相対速度は特殊相対論の扱う相対速度ではない」というのが答えになりそうです。
さあそうなりますと「この宇宙には2つの相対速度がある」という事になります。
一つはもちろん「特殊相対論が扱う相対速度」であり、「時間が遅れ」「物が縮む」のです。
そうしてもう一つの相対速度では「時間は遅れず」「物も縮みません」。
それでこの場合は特殊相対論=ローレンツ変換では扱えず、ガリレイ変換が正解を与えます。
しかしながら「いずれの相対速度においてもドップラーシフトは同じように起こる」のです。
さて以上の事については、「大変に興味深い事である」とは思われませんか?
注1:ちなみに地球から見た時にこの水色の光速限界線の少し内側にCMBパターン(宇宙背景放射パターン)が見えている事になります。
そうしてそのCMBパターンの向う側はただ黒いだけの空間(?)が広がっているように見える、という事になります。