歐亞茶房(ユーラシアのチャイハナ) <ЕВРАЗИЙСКАЯ ЧАЙХАНА> 

「チャイハナ」=中央ユーラシアの町や村の情報交換の場でもある茶店。それらの地域を含む旧ソ連圏各地の掲示板を翻訳。

鳩山夫人の奇言についての各地での報道と、それに対する反応(2)

2009-09-13 09:22:31 | ロシア関係

→(1)からのつづき

ついでにウクライナの新聞も見てみましょう。2009年9月2日付けの”フォークス”紙のロシア語版の記事です。コメントはほとんどロシア語ばかりですが、ウクライナでは、西部を除けば、ウクライナ人でも普段からロシア語で読み書きしている人が多いので、書き込んでる人間がウクライナ人かロシア人かは判断できなかったりします。

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「日本の次期首相夫人、宇宙人とともに金星に行ったと表明」
原題:Жена будущего премьера Японии заявила, что летала на Венеру с инопланетянами

http://focus.in.ua/foreign/61420?#comments

↑こんな写真が使われてたw

日本の次期首相、鳩山由起夫氏の夫人が外星人と接触していたことを明らかにした。ロイターの伝えるところによれば、鳩山幸氏は、“眠っている間に、私の魂は三角形のUFOと出会い、金星へと旅立ったのです。そこは大変美しく、本当に緑の惑星でした”と語ったという。鳩山由起夫氏は9月16日の党内選挙の後、首相に指名されるものと予想されている。


<ナロードのコメント>


論評ナロード1号
彼女は、とにかく、どんな手をつかっても夫と自分自身への注意を惹かないといけなかったんだよ!!!

※違うだろうw


論評ナロード2号
宇宙人は地球を征服しようとしてるんだ。手始めにキエフ(ウクライナの首都)、そして日本の全島を。


論評ナロード3号
よし、彼女をこの緑で美しい、地表の温度400度の惑星に送り出さないと….。


論評ナロード4号
うーん...ジャーンナ=アグザーロワにも今や心の姉妹ができたってことか?

※ ジャーンナ=ハサーノヴナ=アグザーロワ(1967~):ソ連~ロシアのロック歌手。過激なファッションと奇行で有名。名前から見てタタール系。


論評ナロード5号
えーと、みんな分かってないなあ。彼女も米国から送り込まれたんでしょ。次なる(カラー)革命のために。革命はもうすぐ日本でも起こるのよ。米国は何事に於いてもうちらの先を行ってるんだって。その中には外星人との接触も含まれるわけwww

※ 2000年代の前半に相次いで起こったウクライナの“オレンジ革命(笑)”やグルジアの“バラ革命(笑)”は、実際にはいずれも“革命”というよりは米欧(特に米国)の息のかかったNGO+政治家らの起こした“政変”のようなものだった。現に、その後の両国では“革命”で標榜されていたような社会の民主化はちっとも進まず、結局は米欧とコネを持つ新エリートがソ連時代以来の旧エリートに取って代わっただけではないかという話がある。

ちなみに、ウクライナという国は大まかにはウクライナ系住民が西部に、ロシア系住民が東部や南部のクリミア半島に集中しているが、後者の人々の中には政治的に親露派で、“オレンジ革命(笑)”のことを苦々しく思っている人が多い。この人も多分ロシア人。



論評ナロード6号
で、あんたはそれをどうやって確かめたの?


論評ナロード7号
鳩山さん、何を喫ってるんですか?


論評ナロード8号
まったく、ジャーナリストの奴らはしくじったな!彼女が金星に居た時、レオニード=チェルノヴェーツキーと会ったかどうか、聞き出すべきだったんじゃないか?

レオニード=ミハーイロヴィチ=チェルノヴェーツキー(1951~)=現在のキエフ市長にして、ウクライナ・キリスト教民主党の党首。公の場で“飼い猫と一緒に宇宙に行くつもりだ”と口走るなど奇行が多く、“宇宙のリョーニャ(レオニードの愛称)”の渾名を持つ。

↓参考1:記者会見で踊るチェルノヴェーツキー



↓参考2:宇宙服を着せられたチェルノヴェーツキーの風刺写真



論評ナロード9号

キチガイがいるのはウクライナだけじゃないってことか。

※多分、チェルノヴェーツキーのことを言っている。


論評ナロード10号
みんな、行間を読むんだ。鳩山幸さんは(金星ではなく)キエフにいて、チェルノヴェーツキーと会ってたってことなんだよ。


論評ナロード11号
この人の言うてはること聞いとったらな、何や胸の痛うなるくらい誰かさんのこと思いだすんやけどwww。

※ここだけウクライナ語で、原文は“Її висловлювання, до болі мені когось нагадують :)))”。直訳したら“彼女の発言は、胸が痛くなるほど私に誰かを思い起こさせる”くらいの意味になると思われるが、間違ってるかも。

なお、ここでの“誰かさん”はチェルノヴェーツキーのことを指すと思われる。



論評ナロード12号
みんな宇宙人のせいだって分かったでしょ。全ての不幸は彼らのせい!!!国家予算を使い込んでいるのも彼ら。決して議院や政府、大統領じゃなくて。私たちをゾンビ化(洗脳して無気力化)してるのも彼ら。マスコミじゃない。もし私が仕事に行きたくないときは、上司にはこう言うの。緑の小人たちに出くわして、彼らから連れ去られたってね!!!


論評ナロード13号
>11号
友達が出てきたようだね、猫ちゃん???すぐ一緒にヴィスカス(キャットフードのメーカー名)でも食べるのかな?

※11号と12号がアイコンに猫の写真を使っていて、かつ女性名だったのでこういうことを書いているらしい。ちょっとキモい。


論評ナロード14号
この明確な意志を持った連中が地球を征服するなんて...恐ろしいことだな。チェルノヴェーツキー.だ...この日本人女性は。


論評ナロード15号
いいぞ、日本人!俺たちも革命を起こさないとな。奴らはもう自分らのカミサンを金星に送り込んでいる。首相自身はどこに飛ぶのか、興味があるところだがな。あの星は夜ごと太陽の周りを周ってるものだと思ってたが..まさか人が住んでるとは!!!!俺たちは皆、NATOびいきのロシア人とセヴァストーポリについて文句を言っている。豪勢に暮らす必要が誰にあるかってんだ。

※セヴァストーポリはウクライナの南部、クリミア半島にあるロシア黒海艦隊の拠点。クリミア半島の住民もロシア人が過半数を占めるため、近年ロシアとウクライナの間で係争地となりつつある。それにしても、この人の言ってること(特に後半)はいまいちよく分からない。

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........まあ、どこの新聞もトンデモ発言を誉めるでも貶すでもなく、淡々とそのトンデモさを伝えているような感じですね。で、読者の側も単なる電波として受け取っているという.....。


 


鳩山夫人の奇言についての各地での報道と、それに対する反応(1)

2009-09-13 07:13:10 | ロシア関係

最近知ったのですが、何だか鳩山夫人のアレな発言が騒ぎになっているようですね。

2009年9月6日付けの毎日新聞の報道は以下の通り。

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鳩山幸さん:外国メディア 奇抜さ注目も変化象徴と好意的
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090906k0000m040055000c.html

鳩山由紀夫民主党代表の妻幸(みゆき)さん(66)の「金星に行った」「トム・クルーズは前世で日本人だった」といった発言が海外メディアに注目されている。奇抜さを強調する記事も多いが、4日付の英タイムズ紙は「日本が『自分らしさ』を大切にする社会に変わりつつある」と好意的に論評した。

ドイツ大衆紙ビルトは4日付の最終面トップで「日本の新ファーストレディー『私は宇宙人に金星に連れて行かれた』」との見出しで発言を紹介。英インディペンデント紙は「ミシェル・オバマ(米大統領夫人)やカーラ・ブルーニ(仏大統領夫人)は人気を奪われそうだ」と報じた。

著書やテレビの発言から奇抜な部分を抜き出したものだが、英タイムズの社説は「日本は、仕事中毒の男と酌するだけの女と(欧米諸国に)みられがちな不可解な国でないことを示す手助けになる」と解説した。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラ英語版も5日「世界の指導者並みに注目される、平均的でないファーストレディー」と紹介し、発言が「個性的でいい」と国民に肯定的に受け入れられていると伝えた。 

「金星」発言は08年出版された対談集「私が出あった世にも不思議な出来事」(学習研究社)に収録されている。幸さんは対談で「眠っている間に、魂が三角形のUFOに乗って金星に行って来たと思っています」と体験を紹介した。 また、09年5月に放映されたテレビ東京の対談番組「美女放談」で「言ったもの勝ちですから適当に聞いといて」と断り、米俳優トム・クルーズ氏について「私は前世で彼が日本人だったというのを知っているんです。私は彼と一緒だった」と語っていた。

【ベルリン小谷守彦、カイロ和田浩明】

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......いや、“三角形のUFOに魂を運ばれた”、“トム・クルーズの全世が日本人”って...“自分らしさ”とか“奇抜”とかそういうレベルをはるかに超えてるではありませんか。ほとんど“ムー”の世界です。

しかし、この騒ぎになってるキテレツな発言というのは、てっきりインタビューか何かで飛び出したのかと思ってたのですが、実は著書が元になってたんですね。一体どんな本なんだ?アマゾンで検索してみたら、こんなの↓が出てきました。

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私が出あった世にも不思議な出来事 (単行本) 鳩山 幸, 池田 明子

http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%81%E3%81%8C%E5%87%BA%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%B8%96%E3%81%AB%E3%82%82%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E5%87%BA%E6%9D%A5%E4%BA%8B-%E9%B3%A9%E5%B1%B1-%E5%B9%B8/dp/4054038026


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いろいろな体験談に感心したり驚いたり。。。,
2008/12/21 By ジャスミン (新潟県)

ムーという雑誌にこのような著名人の皆さんの不思議体験が掲載されていたとは知らず、同時に、聞き手の一人の鳩山幸さんがスピリチュアルな本をお出しになっていることも知りませんでしたので、本を手にとった時点でちょっと驚いたのですが、内容も、単に不思議とか怖い体験だけではなく、とても含蓄のある、ためになるお話もありましたので、読後の印象はまったく違ったものとなりました。


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”ムー”みたいも何も、そのまんま”ムー”に連載してたんじゃないか!

ギャフン。

まあ、オカルトだ何だといってもあくまでこれは奥さんの話なわけです。いかに彼女が電波なことを言おうが、鳩山氏当人が本業をまともにやってくれればこちらには別に文句はありません。

ただですね、毎日に書かれているように"海外で好意的に伝えられている”というのは本当なのでしょうか?記事では英”タイムズ”紙がやたらと引用されているのですが、あの意地悪で有名な英国人の言うことを壁面どおりに受け取っていいのかね。
元の記事を読んだ限り、単なる”皮肉+社交辞令”のような.......。

とりあえず、記事には出てこなかった”海外”の反応をいくつか見てみましょう。

まずは、2009年9月4日付けのトルコの”サバフ”紙の記事とそれに対するコメントです。

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「“宇宙人が私を金星に連れ去った”ファースト・レディの奇妙な主張」

原題:"Uzaylılar beni Venüs'e kaçırdı "First Lady'den garip iddia!

http://www.haberturk.com/haber.asp?id=170482&cat=180&dt=2009/09/04

今週、日本では鳩山由起夫氏が首相に選ばれた。それに伴い、夫人の鳩山幸氏も新たな“ファースト・レディ”となったのだ。この62歳の“ファースト・レディ”が昨年出版した「私が出あった世にも不思議な出来事」という名の本が、にわかに国中で話題の的となっている。何故なら、“ファースト・レディ”はその著書において“体が眠ってる間に、魂は三角形のUFOで金星に行ったんです。とっても緑で、美しい場所でした。”と述べつつ、宇宙人が自らを連れ去ったと主張しているからだ。

かつて、女優であった頃に首相の人生のコーチに転じた鳩山幸氏は、夫の着る服を選ぶだけでなく、その髪までも切っているという。


<ハルクのコメント>

論評ハルク1号
大好きだ、日本人。


論評ハルク2号
目が細いと、間違ったものが見えるんだな。


論評ハルク3号
日本人恐るべし。


論評ハルク4号
寝る前に重いものを食ってはいけない。


論評ハルク5号
寝る前に一体何を飲んでるんだ?www


論評ハルク6号
私は毎晩ヘイベリ(=ヘイベリ島。マルマラ海に浮かぶ小島で、イスタンブル市民の避暑地)で月光の中を散歩したものだった……

※古いトルコ歌曲、“私たちは毎晩ヘイベリで月光の中を散歩したものだった”をもじっている。


論評ハルク7号

俺も月に行ったことがある。

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何か既に鳩山氏が総理大臣になってますが、こういうのはトルコのメディアではよくあることです。気にしないでください。しかし、どの新聞も同じような記事を載せてましたが、コメントがついてるのはこの”サバフ”紙のものだけでした。コメント自体も何だかなげやりで、読者の関心はいかにも低そうな感じです。

では、ロシアはどうでしょうか?ポータルサイト”Mail.ru"の質問版には早速スレが立てられていました。

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<教えて!ナロード>

「彼女は何を食ってるんだ?w」
原題:Она что ест?+
http://otvet.mail.ru/question/29043485/

日本の次期首相の夫人が、宇宙人と会って一緒に金星に行ったと主張している。外星人たちが鳩山幸氏を旅へと連れ出したのは、20年ほど前のことだ。彼女自身が眠っている間、その魂は宇宙船で飛んでいた、と昨年出版された著書で説明。幸氏は、“金星はとても緑の、すばらしい”場所だと語る。

ロイターが著作を引用するところによれば、その隣の星へ行った後、目を覚ました彼女は当時の夫に全てを語った。でも、彼はずっと夢を見ていたのだと決め付け、信じなかったという。 現在の夫にして将来の首相である鳩山由起夫氏は、恐らく幸紙の信じる宇宙旅行に大きな理解を以て接したのだろう。



<ナロードの答え>


回答ナロード1号
質問が正しくないな。“彼女は何を喫ってるんだ???”の方が面白い。


回答ナロード2号
精神科に行ったほうがいいんじゃ....。


回答ナロード3号
酔っ払いのおばちゃんだな.....


回答ナロード4号
質の悪い寿司にあたったんだろ。よくあることだw。


回答ナロード5号
彼女が何を食べたかは分からないけど、お金のためにこういうことをしたかったわけじゃないんじゃないかな。


回答ナロード6号
病的な幻想だと、俺は思うんだが。


回答ナロード7号
何で彼女は、旦那さんが真面目に取り合ってるかどうか確かめなかったの?ていうか、彼も既に“元夫”になってるとか?www


回答ナロード8号
俺が思うに、この夫は、恐らく本当に彼女を信じてたんじゃないか?社会的に高い位置にある人物であるがゆえに、メディアの前では言わなかったというだけで。もし彼が全世界に対して、“こんなのは全てタワゴトだ”と言ったとしても.....彼らはきっと何かを知ってるんじゃない?www

※そうでないことを祈りたいw。
<ナロード・ベストアンサー>

日本では、エリート用の不思議なキノコのようなものが栽培されているらしい。

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→(2)に続く