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あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
関連アイテムや書籍の読書記録も紹介中

阪急 十三駅とその周辺

2006-09-09 22:39:30 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

野田は大淀に住んでいるので、阪急電車の十三駅まで幸田を送ると言った。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p103)

教会からはJR吹田駅に戻らず、地下鉄と相互区間で乗り入れている阪急京都線の吹田駅から、十三(じゅうそう)に向かいます。吹田に住んでいる幸田さんも、阪急京都線を利用しているということです。




十三は、『神の火』でも主要舞台の一つになります。




日野はサウナに入りたいと言い、王さんに「土産」と言って博多明太子を一折渡した後、隣の十三サウナへ出かけていった。 (文庫版『神の火』下巻p58)

大将こと日野草介さん御用達(?)の十三サウナ。この写真の左側に、「王府」があるという設定です。
(高村さんがモデルにした本当のお店は、別の場所にあります。ご迷惑がかかってはいけないという「暗黙の了解」がファンの間にありまして、詳しい場所は伏せます。実は私も、行ったことがない)


以下の写真は、十三に本店のあるお店でお土産に買った「酒饅頭」。帰宅後、撮影したものです。




「さあ、腹ごしらえや!」と言って、持参してきた酒まんじゅうの包みを広げ、食い始めたのが四十分。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p181)

あるタカムラーさんから教えていただきました、酒饅頭のお店。ありがとうございます!
HPはこちらからどうぞ




大阪で一番の老舗の酒まんじゅうで、昨日野田の奥さんが買ったのだという。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p181)

私は「さけまんじゅう」と思っていたのだが、「さかまんじゅう」が正しいのだそうです。




「十個一箱で売っとるんや。そないようけ、二人でどないして食うねん言うたら、冷めても旨いからやって。ほんま、食えんことないな、これ」 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p181)

私が買ったのは、六個一箱。一人で十個は食べられません(←家族に食べさせなかったの・笑)
レンジで温めても、トースターで温めても、冷蔵庫で冷やして食べてもOK。でも温めた方が、やっぱり美味しいかな。一口かじったら、ほわんほわ~んと上品で柔らかな日本酒の香りが立ち上ってくるの。下戸の私でも全然気になりませんでした。

十三を訪れたら、お土産にぜひどうぞ! (酒饅頭を取り扱っていない店舗もありますのでご注意)


吹田カソリック教会

2006-09-07 00:31:54 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

「幸田さん、あそこへ行ってみようか……」
モモは、フェンスの向こうの尖塔を指した。幸田は首を横に振った。あそこは遠い。絶対的に遠い。過去でも現在でもない、彼岸のように遠い、という気がした。
「……いつか、行こう」
モモは静かに、だが、しっかりとささやいた。「いつか、行こう……」
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p271)

巨大なアサヒビールの工場の横をひたすら歩き、それと同距離の道もひたすら歩き、ついに到着、カソリック教会。(『黄金を抱いて翔べ』では、「カソリック」表記。実際は「カトリック」と表記されています)

『黄金~』信者(?)はもちろんのこと、幸田さんファン、モモさんファンは必ず訪れてみたい場所の筆頭に挙げる、カソリック教会。
「前に行ったもんね~」というあなた! 以下の写真をとくと見よ!

何と、改築されております。




レ、レ、レンガ~!? 以前の真っ白い建物は~!? (以前の教会の写真は、高村薫さんのファンの方のサイトで探してみてください。私、脱力と放心の二重奏で、リンク貼る気力ありません)
・・・しかし、電線が邪魔だいっ!




電話局の裏道へ出ると、教会の裏庭があった。柵はなく、緩い芝生の斜面があり、それを降りて礼拝堂へ回った。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p297)

こちらは角度を変えて。背後にある○TTは、当時のまま?




聖母子像。




ガラス窓は以前より大きくなったようで、磨ガラスがステンドグラスに変わっていた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p297)

礼拝堂内に入って撮影した、新しいステンドグラスの写真。電気はついてなく、窓から入る明かりのみだったので、この薄暗さが醸し出す雰囲気は、幸田さんとモモさんが教会に入った時と同じくらいかな・・・と思ったりして。

ステンドグラス、うわーん、これじゃわからない! ホントはもっと綺麗なのに! 真ん中に「麦」、その廻りに「ブドウ」。
「聖書ですね」とminoringさん。「麦→パン」 「ブドウ→ブドウ酒」がモチーフになっているのですね。

・・・地どり写真をアップする前に「とんでもない新事実を知って、衝撃受けました」と記したのが、この教会のことでした・・・。


JR吹田駅前周辺

2006-09-06 23:31:52 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

突然、幸田は広場の噴水の縁に座っているモモを見た。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p78)

自転車がジャマじゃ~! モモさんがどこに座ってるか、分からんやろ~!(←落ち着きなさい)

・・・というわけで、御堂筋線天王寺駅から梅田駅へと一気に北上し、JR大阪駅でmarimoさんとお別れ。ここからはminoringさんと二人旅です。
JR京都線に乗って、JR吹田(すいた)駅に到着。『黄金を抱いて翔べ』の主要舞台の一つです。

一枚目の写真は、吹田駅南口にある噴水・・・とはいえ、水を湛えただけのもの(苦笑)
自転車さえなければ、モモさんが腰掛けている姿がはっきりくっきり想像できるのに・・・!




線路の向こう側の旭通り商店街に、「丸吹」という豆腐屋があるが、モモは五年来そこでアルバイトをしていた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p50)

噴水のあるところから西へ向かうと、旭通り商店街があります。「丸吹」はありません。これを機に、お豆腐屋さん復活してくれないかな~?





タクシーを止めるのは、いつもJR吹田駅北口から外環状を出たところで、アサヒビールの工場前と決めていた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p18)

こちらは吹田駅北口にある、アサヒビールの吹田工場。むっちゃ大きいよ! ポイント絞りきれないので、あまり写真が撮れず。





モモのアパートは、幸田の窓とアサヒビールの煙突を結ぶ線上にあった。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p49)

『レディ・ジョーカー』のビール会社のモデルは、キリンビールと言われておりますが、アサヒビールもモデルにしたんじゃないかなあ・・・と、ふと思いました。


天王寺高校

2006-09-05 23:35:05 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

学区で一番いい天王寺高校へ進学した雄一郎は、髪をいつも短く刈り、清々とした詰襟姿だった。
 (文庫版『照柿』上巻p288)

そんなあなたを心から見てみたかった、と思いましたよ、私は。

矢田駅に戻って、再び近鉄電車で河堀口(こぼれぐち)駅で下車。歩いて5分弱の天王寺高校へ向かいます。
この暑い真昼の真っ只中、学校の外をぐるりと一周。大きな学校だなあ、と実感できました。

日曜ですが、運動場では野球の試合。体育館でも、バレーボールかバスケットボールの練習をしているようです。
今年は創立110年だそうで、校舎にもそのことを示した横断幕がありました。
だけど合田さんは、途中で東京へ転校してしまったので、卒業はしてません。

自転車通学OKのようなので、矢田駅から電車で4駅ではありますが、合田さんはきっと自転車通学してたはず。それでも20~30分は、かかったんじゃないかなあ?
自転車通学の場合は、↓こちらの裏門から入ったのでしょうね。




「あんたは大阪随一の進学校で勉強一筋。達夫は放蕩一筋、か」
「そんな言い方はやめてほしい。俺は達夫のような才能がないから勉強しただけだ」
 (文庫版『照柿』下巻p281)

・・・つまり美術オンチってことてすか、合田さん?


大和川沿い、住道矢田周辺

2006-09-05 23:17:20 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

夜明け前の街を自転車で走り回りながら、土手の上を走る近鉄電車の始発電車の明かりを仰ぎ、自分は父のようにはならない、スーツを着て電車で通勤する職業につくんだと自分に言い聞かせた。
 (文庫版『マークスの山』上巻p216)

そんなあなたを見ずにすんで、つくづく良かったと思いますよ、私は。

というわけで、住道矢田、並びに大和川沿いに到着。10分どころか、15分はたっぷり歩きましたね。

一枚目の写真、逆光になってますが、近鉄電車が松原市に入ったところです。この電車の形からすると、吉野へ向かう特急ですね。
こういう景色を、新聞配達していた中学生の合田さんは、毎日見ていたのかと思うと・・・昭和の古き良き時代の名残りとでも言いましょうか、何だかタイムスリップしたような気分です。
だって、建物はともかく、以下の写真の風景は、全て合田さんが見てきたものと同じなんだもの!
川面を渡るねっとりした風、電車の走る音。遊んでいる子供たちの歓声以外、あまり物音がしない日曜日の昼時。
(だって「新婚さんいらっしゃい!」の放映時間中に、住道矢田に到着したんだもの~)




向こうは松原市。写っているのは「大和川青少年運動広場」というもの。




上流の方向。写っている橋は、松原線の「瓜破(うりわり)大橋」です。




そこから数十メートル先の大和川沿いを走る阪和貨物線の踏切を、男が一人渡ってゆくのが近所の住人に目撃された。 (文庫版『照柿』下巻p295)

実はこちらは「住道矢田3丁目」。「住道矢田4丁目」方面の写真は、次のもの。




分かりにくいかもしれませんが、その貨物線の線路沿いで、遊んでいる少年たち。こんなふうに合田さんと達夫さんも遊んだのかな・・・と、しばしノスタルジックでメランコリックな思いにふける私たちなのでした。


近鉄南大阪線 矢田駅

2006-09-03 17:07:12 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

地下鉄や私鉄をだらだらと乗り継いで矢田に辿り着いたあげくの行動だった。
 (文庫版『照柿』上巻p225)

近鉄阿部野橋駅から普通列車で約10分。矢田駅に到着です。達夫さんと合田さんの生まれ故郷・住道矢田(すんじやた)の最寄り駅。(とは言っても、住道矢田までは徒歩で10分程度はかかります)

少年時代の合田雄一郎くんも、ヴァイオリンを習いに阿倍野に出る時は、この駅を利用したんでしょう。ヴァイオリンと楽譜を入れたバックを手に、ちょっと仏頂面でホームに立っている少年の姿を、想像してしまいます。
(何で「仏頂面」って? いや、何となくその方が合田さんらしいかな、と・笑)




矢田駅を通過し、阿部野橋へ向かう近鉄電車。これは準急ですね。




準急通過後のホーム。

『照柿』では、実際に矢田駅、住道矢田に行ったのは、達夫さんだけなんですよね。合田さんは行っていない。

実際にはそれを探すこともせず、矢田駅前からそのまま住宅街のほうへ歩き出した。 (文庫版『照柿』上巻p224)

続いて目指すは、住道矢田。

そういえば、矢田駅を降りたところに不○家のお店があって、「ああペコさん、かわいそうに・・・。台詞、減っちゃったし、お蘭に見せ場、奪われたし」と、しばしペコさんの話題になってしまったのは、住道矢田から戻った時でしたっけね?


天王寺動物園 大阪市立美術館 (天王寺公園内)

2006-09-03 16:38:39 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

まず阿倍野で電車を降り、天王寺公園をぶらぶらし、外の鉄柵ごしに動物園を眺めながら、新世界に入る。
 (文庫版『照柿』上巻p252)

私たちは、この逆のルートを辿っています。
ジャンジャン横丁を抜けて右に曲がるとすぐに、「天王寺動物園」「大阪市立美術館」などを擁する「天王寺公園」があります。
天王寺公園の写真は、「天王寺公園・1」 「天王寺公園・2」 「天王寺公園・3」 「天王寺公園・4」 で、どうぞ♪
(うわ~、手抜き!)

写真は、天王寺動物園の入口。夏休み最後の日曜日ということもあってか、家族連れがたくさん来てました。
ここも、『神の火』 『わが手に拳銃を』 『照柿』 『李歐』 に出てくる、お馴染みの場所ですね。

島田先生と良ちゃんが最後の語らいをした場所。
子供時代の達夫さんと合田さんが遊んだ場所。
同じく子供時代の一彰が、母親に連れられて来た場所。

それなのに、私たちは動物園の中には入園してません(笑)
内部の詳しい様子は、みなわさんのブログのこちらの記事 が、最もよろしいかと思われますので、どうぞ♪

うぬぬ、いつかは良ちゃんが、「僕は鳥が好きです」 (文庫版『神の火』上巻p278) と言った、ペリカンを見るぞ~!




「起きたのが遅かった。市立美術館に行って、隣の植物園へ行って、ビールを一杯呑んで、それから新幹線に乗った」 (文庫版『照柿』下巻p54)

続いて、大阪市立美術館。
これも1年ほど前に撮影した、「大阪市立美術館」 がありますので、併せてどうぞ♪

写真は、天王寺動物園から市立美術館に向かう通りで撮影。
左側に見えるテントは、言わずもがなの野外生活者の方々のもの。新今宮・天王寺のこの界隈を見たり歩いたりすると、大げさかもしれませんが、「日本の抱えている矛盾」がはっきりと実感できますね。誰かさんがお念仏のように唱えている「美しい国」という言葉が、まやかしだと分かります。たとえこれらの現実を「見て」はいても、「認識」はしていないんだろうなあ、と。

ちょっと余談が過ぎました。
天王寺公園は有料なんですが、中に入らなければ無料で通り抜けできるルートを、このたび初めて知りました。
今回はそれを利用して、天王寺まで歩きました。柵やフェンスを通して、「あれが達夫さんの行き着け場所の一つ、植物園」 「あの辺りの植え込みで、『わが手~』の一彰が、まるで虫の鳴き声のように、「リ、リ、リ、リー!」とリ・オウを探したんです」・・・と、ガイドすることも忘れません。


この辺から、太陽が雲に隠れたり、また出てきたりの繰り返し。東の空に、雨雲らしき黒い雲がモクモクと湧き出てきています。

「天王寺公園」を後にして、続いて 天王寺と阿倍野を結ぶ陸橋へ。 ここで島田先生と良ちゃんの最後の別れが繰り広げられた場所ですね。(但し、新版『神の火』の方です。旧版『神の火』では、場所が違いました)


そろそろ疲労もピーク。喉の渇きで気付きにくいですが、おなかもすいてきました。天王寺で昼食と休憩を取りましょう。


JR新今宮駅、南海新今宮駅、地下鉄動物園前駅、阪堺線南霞町駅界隈

2006-09-02 23:06:45 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

昨日、手配師の男が《センター》と言ったのは、あいりん労働センターのことだ。
 (文庫版『神の火』上巻p54)


この周辺はたいした理由ではありませんが、ちょっとした事情がありまして、あまり写真撮影してません。うむむ、阪堺線(愛称・チンチン電車、さらに略してチン電)を撮り忘れたのはイタイ。
ああそれに、まさか「浪華会館」がなくなっていたなんて・・・!(がっくり)

記事タイトルは、この界隈を通っている路線名とその駅名です。JRが約2~3本(方面は同じでも、名前の違う路線があるため、曖昧にぼかします)、私鉄の南海が約2~3本(同上の理由)、地下鉄2本、路面電車1本です。
『神の火』 『わが手に拳銃を』 『照柿』 『李歐』 に出てくる、お馴染みの場所です。

国立文楽劇場の最寄り駅・地下鉄日本橋駅に戻り、今度は堺筋線に乗って、動物園前駅に向かいます。
(東京は「にほんばし」だと、minoringさんが教えてくれました。大阪は「にっぽんばし」です。大阪で、例えばタクシーに乗った時に「日本一(にっぽんいち)」と行き先を言ってみましょう。「日本橋一丁目」に連れて行ってくれます)

一枚目の写真の労働センターは、『神の火』では、日野の大将と良ちゃんがここへ行って、仕事を貰ってました。
『照柿』では、達夫さんが父のお通夜の会場にタクシーで通り過ぎたシーンや、子供の頃の回想シーンなどで。




タクシーは凱旋門のような南海の高架をくぐったところで止まった。 (文庫版『照柿』上巻p232)

これは一枚目の写真と、ほぼ同じ位置から向きを変えて撮った写真。隣接していると言っても、過言ではない。
「凱旋門のような」という表現は、下巻にも出ています。(文庫版『照柿』下巻p293)
パリに行ったことはなく、実物も見たことありませんので、何とも言えません。同行のmarimoさん、minoringさんも然り。
だけど、文章を照らし合わせたのと、実物を見た限りでは、「ここしかないですよね」 「高さと大きさが凱旋門くらいあるってこと?」 「でもまあ、何とか凱旋門に見えないこともないですよね」・・・と納得(?)
イメージ壊れた(?)皆さん、ご了承を。

南海の高架を通り抜け、ぐるっと北側へ回り、JR新今宮駅の北側を歩いて、ちょっとビックリ。新今宮駅のホームからは見えないようになっているので分からなかったのですが、今もちゃんと(?)野外生活者の方たちがたくさん住んでいるのだ・・・。いきなり、『わが手に拳銃を』の昭和の時代にタイムスリップした感覚を味わう。

フェスティバル・ゲート付近に着いて、「飛田新地、どうします?」 「行くのはやめましょう」 とあっさり決定。
ここはひとつ、飛田新地は男性の高村薫ファンの方に行っていただかないと。純粋な気持ちを抱ける男性の方のみ、地どりなさって下さい(苦笑)




「あっちへ行こう」と雄一郎を引っ張ってジャンジャン横丁から国鉄のガード下をくぐるのだ。 (文庫版『照柿』上巻p252)

少年時代の達夫さんと合田さんが、出てきたとおぼしき場所が、この写真。撮影した場所の背後を、JR(当時はもちろん国鉄)が走っています。

この後、左側にちらっと写っている階段を降りて、ジャンジャン横丁を通り抜けました。TVや雑誌などで紹介されたのか、ずらっと列を作っているお店もありました。
約10年前のNHK朝の連続ドラマ「ふたりっ子」でもお馴染みの場所ですね。marimoさんも観てらしたそうで、しばし話に花が咲きました。

この後は、天王寺公園に向かいます。


国立文楽劇場

2006-09-01 22:44:46 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

「私、時間があれば国立文楽劇場へ行きたかったんです。では、お先に」
 (単行本版『照柿』p144、文庫版『照柿』上巻p222)

お蘭こと森義孝ファンの皆さん、お待たせしました。国立文楽劇場です。今さらガイドの必要はありませんね。

文庫版で増減の激しかったお蘭の言動ですが、この台詞は残っていたので「良かった・・・」と心から思いましたよ。
合田さんを煙に巻いたこの台詞は、結構好きだったりします(笑)



「ところで昨日、文楽劇場には行ったの」
「ええ」とだけ森は言い、何を見たのかも言わなかった。
 (単行本版『照柿』p218)

お蘭が行ったとされるこの夏の時期は、「初心者や社会人向けの文楽入門」の演目が、良く上演されています。
もしもお蘭が行ったとしたら、夜の部に間に合っているはず。

国立文楽劇場は、とにかく大きい! どこを撮ろうとしても、その全貌は分からないでしょう(←こらこら)
遠くから撮ろうとしても、劇場の前に高速道路があるので、とても無理。



minoringさんは千葉県からご参加いただきましたので、ここぞとばかり、お蘭に関する情報を聞こうとする私。

「お蘭の住んでいる(西)船橋から警視庁まで通うのって、遠くないんですか~?」 (「西船橋」は単行本『マークスの山』に書いてあります。ところが、文庫版『マークスの山』には「西」がありません)
だって東京都内と千葉県だから、かなり距離があるように思えるでしょ? 関西の人間には、その感覚や距離感が分かりませんからね。未だに群○県と栃○県の、どちらが茨城県と隣接しているのか、分かりません(笑)

「地下鉄で船橋から警視庁のある駅まで、一本で行けるんですよ。だから思ったよりも、お蘭は通勤は楽かもしれません。但し警視庁へ行く場合の話ですが」
とは、minoringさんのご回答。
そうか、所轄署で捜査本部が設けられたら、場所によっては船橋へ帰るのは遅くなることもありえますものね。
八王子に捜査本部が設けられた今回の事件、お蘭は帰宅は相当遅かったことでしょう。たまに合田さんの後を尾行しているし(笑)

ちなみに、意外と知られていないと思われるのが、『黄金を抱いて翔べ』の北川浩二・北川春樹の兄弟も、船橋出身です。


以下は、ちょっとだけ写真を縮小したものを、ランダムに貼り付けてみました。

          


                       


          

「ところで昨日、文楽劇場には行ったのか」と話を逸らすと、今度は森が聞こえなかったふりをした。 (文庫版『照柿』上巻p325)

・・・お蘭はやはり、国立文楽劇場に行っていないのか・・・?


地下鉄御堂筋線 難波駅

2006-09-01 21:57:27 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

夜、野田と飲んだ帰り、地下鉄なんば駅で天王寺行きの最終電車に飛び込んだミエちゃんは、あっという間の即死だった。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p234~235)

次の地どりは、国立文楽劇場。地下鉄御堂筋線難波駅で、千日前線に乗り換えます。
このホームも、そんな地どり場所のひとつ。私たちがたまたま乗ったのも、天王寺行きでした。
この写真は、天王寺・あびこ・なかもず方面へ向かうホームです。御堂筋線は10両編成なので、ホームの端から端までが長い! だから収まりきれてません。
しかも人気のないホームの端から撮影したので、暗い(苦笑)


 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「このホームにミエちゃんが飛び込んで、野田さんがギャーとわめいてうろたえたんですよ~」

・・・通りすがりの人どころか、ホームに立っている駅員さんにも聞かせられない内容ですね・・・。

「難波」は、大阪の巨大ターミナルの一つ。3本の地下鉄、2本の私鉄、1本のJR線が入っています。

「地下鉄御堂筋線難波駅」は、他の作品にも出てきます。

           


梅田ターミナルから通い慣れたキタ新地には向かわず、地下鉄御堂筋線に乗り換えて、難波という駅で降りた。
御堂筋線はかつて、母と一緒に天王寺動物園に行くときに乗った路線で、動物園の少し手前の「難波」とか「心斎橋」といった駅の名前に貼りついていた特別に華やいだ空気は、子供の記憶にも強く残った。
 (『李歐』p147)

最初の引用、こっちにしとけばよかったかな?(笑)

だんだんページが重くなってきましたね・・・。表示に時間かかりますが、ご了承を。

曾根崎署・2

2006-09-01 00:44:14 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典
成果はなく、「塩を撒け、塩を」と野次る声に送られて署を出たのは夕方だった。 (文庫版『照柿』上巻p219)

記事タイトルが「曾根崎署・2」なのは、以前撮影した、「曾根崎署・1」があるからです。この記事も見る価値あり(笑)

私たちも地下鉄御堂筋線を利用して、淀屋橋駅から梅田駅へ。合田さんとお蘭の二人が人ごみに巻き込まれながら出てきた梅田駅の改札口を出て、地下街を通って曾根崎署へ向かいます。
(梅田駅の写真はなし。だってすごい人ごみなんですもん)

合田さんとお蘭は地下から曾根崎署に入りましたが、現在は入ることはできません。待ち合わせ場所としては今も有効に機能しているようですが、地下の入口だったところには、ミニパトが展示されてました。
(これも写真なし)

 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「きっとここから、合田さんとお蘭が出てきたんですよ~」




「曾根崎警察」を「そねざきけいさつ」とひらがな表記するだけで、印象が変わる気がします。




曾根崎署の玄関を出たらすぐに見つかる、電話ボックス。今さらガイドの説明は必要ありませんね。

府警の電話を借りるのも嫌で、雄一郎はそのまま森を従えて地上に出、御堂筋沿いの電話ボックスに入った。 (文庫版『照柿』p219)


電話機の色が緑なので、もしかしてもしかしたら、当時のままの電話機かもしれない?
だけど、合田さんが入った電話ボックスは、ここじゃないかもしれない・・・? 携帯電話が普及した現在に比べて、電話ボックスの数は激減してますしね。
でも、たまたま署を出たところに電話ボックスがあるんですから、多少強引でもこじつけでも、「合田さんが入った電話ボックスはここ!」ということにしておきましょう(笑)

この後、合田さんはお蘭を追い払おうとするわけですが、お蘭の方が一枚上手でしたね。
さて、お蘭は国立文楽劇場へ行ったのか!?


住田銀行・2

2006-09-01 00:42:33 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

高架の向こうに見える石の塊も、そうした銀行の一つだということは知っていた。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p9)

中之島地どり、最後はやはりここ! ですね。

記事タイトルが「住田銀行・2」なのは、以前撮影した、「住田銀行・1」があるからです。この記事は見る価値あり(←自分で言うな)

錦橋の花壇に腰掛けた幸田さんが、銀行を見たとしたら、こんな角度で見えるのかな?




こちらは銀行西側。写真撮影してませんが、この前に駐車場があります。そこに偽造した「北野組」のトラックを置いてました。

幸田は左腕でロープを掴み、コンクリートの縁に乗せていた足を蹴った。虚空へジャンプした足が、再び建物の外壁に当たった。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p347)

 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「ここから金塊(の入ったバッグ)が落とされ、幸田さんも落ちたんですよ~。幸田さんを北川さんが拾って、トラック乗せて、淀屋橋方面(つまり東方向)へ向かってガーッ! と突っ切って逃げたんですよ~」

・・・通りすがりの人が(以下同文)
というより、もっとマシな説明したらどうなのか。




こちらは銀行南側。シャッター下りてますが、ここが地下へ繋がる駐車場の出入口です。

野田は、コンピューター・サービス会社の名を横書きした白いカローラのヴァンで、住田銀行本店地下駐車場へ入った。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p301)

 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「ここから野田さんが入っていったんですよ~」

やっとまともな説明出来た(?)




こちらが銀行東側正面玄関。重要文化財クラスの、いい建物ですよね。
これを撮影中、ハプニング発生! いきなりマイクで注意受けてしまいました(苦笑) 日曜なのに・・・! 「ええ~!? どこから見てるの~!?」とうろたえつつも、すたこらさっさと立ち去る私たち。

以下、ちょっと内緒話。
本店ということもあってか、平日の業務時間中、銀行内外にいるガードマンの数が、ものすごく多い。「ここに勤めている銀行員さんやガードマンさんたちは、きっと『黄金を抱いて翔べ』を必読するように言われてるんじゃないかな~」と今まで冗談半分で言ってたんですが、今回のハプニングのせいで、冗談半分どころか、信憑性が増してきたような気がします・・・。
内緒話、終わり。

当然ながら、『黄金を抱いて翔べ』 では「住田」ですが、他作品では「住友」になっています。

歩いているうちに、島田は対岸の土佐堀通りを眺め、住友本店や阪神高速の高架の見慣れた風景が、自分にとって特別に身近なものであったことを考えた。 (文庫版『神の火』上巻p99)

さて私たちも、まだまだ見どころのある中之島を後にし、次の地どり場所・・・大阪は東梅田の曾根崎署に向かいます。


錦橋・2

2006-08-31 00:18:37 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

見ているのは、肥後橋から十メートルも離れていない、東隣の錦橋だった。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p130)


記事タイトルが「錦橋・2」なのは、以前撮影した、「錦橋・1」があるからです。つまらんので、見なくても結構です(笑)


 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「この錦橋の花壇で、幸田さんは偵察の時に寝ていたんですよ~。ここから住田銀行も見ていたんですよ~。起きたら腰掛けて、ジイちゃんが掃除しているのを見ていたんですよ~」

・・・通りすがりの人が聞いても、多分、分からないだろうなあ。

これは肥後橋から見た錦橋。こうして見ると、今まで見てきた橋よりも、結構凝った造りの橋ですね。




幸田は大抵、歩行者専用の錦橋の花壇の縁に座っていた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p122)

その花壇が、これ。分かりにくいでしょうが、前後に2つ並んでいるんですよ。左側に、銀行がちょっと見えてますね。

しかし、よくぞまあこんなところで寝られたもんだ。
「よっぽど寝相が良くないと、寝返りうったら転げ落ちるか、あるいは土まみれですね」と言ったら、お二方も微苦笑。


幸田は突然、花壇から掴み取った一かたまりの土くれを手に握り締めていた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p123)

無意識にジイちゃんに土を投げようとした幸田さん。それを止めたモモさん。緊迫の一瞬。





12月とは思えないくらいの厳寒だった、昨年の冬のカルチャーセンターで高村さんの特別講義の後、住田銀行・肥後橋・錦橋を簡単に地どり。その時の錦橋は、スプレーなどで落書きされていて、写真を撮るのも躊躇したくらい、汚かった。
しかし今回は綺麗になっていたので、良かった、良かった♪


肥後橋とその周辺

2006-08-30 23:54:15 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

モモは、肥後橋のたもとの植え込みの陰にしゃがんでいた。
 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p130)


 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「この肥後橋にある植え込みにモモさんが隠れて、国ちゃんとミエちゃんを見てたんですよ~。モモさんがお兄さんを殺しているところを、国ちゃんに見られたことに、モモさんが気付いたんですよ~」

・・・またまた通りすがりの人が聞いたら(以下同文)




一度、幸田の目を探すように振り向き、それから一人で肥後橋を渡り始めた。 (文庫版『黄金を抱いて翔べ』p130)


ところで、植え込みですが・・・。見た限りでは、モモさんの身体全部は隠れませんね。モモさん、幸田さんより小さいはずだけど(幸田さんは身長175~176センチ、体重60キロ)。よっぽど小さくならないと、国ちゃんとミエちゃんに気付かれそう? しかし角度によっては、錦橋から見えにくいかもしれませんね。





こちらは錦橋から撮影した肥後橋。距離はかなり近い。錦橋からだと、植え込みがどこにあるのか分かりませんね(笑)





これは肥後橋と朝日新聞社。どうやら改装中?
昨年の冬、ここのカルチャーセンターで高村さんの特別講義が開かれました。marimoさんも、いらしてたんですよね!
・・・そういやレポートの続き、忘れてるわ・・・。


江口商事株式会社・1

2006-08-30 00:15:25 | 写真で見る高村薫登場アイテム小事典

そこにかかっている小さな古びた看板には、《江口商事株式會社》と書かれているはずだ。
 (文庫版『神の火』上巻p100)


 ガイド(=私のことだ)の説明。(当然、ネタバレあり)
「この建物が、江口さんの会社・江口商事のモデルになった建物だと言われてるんですよ~。3Fがぷらとん書房ですね~。あの窓(のどれか)から、江口さんが島田先生に手招きしたんですよ~」

・・・やっと通りすがりの人が聞いても、怪訝に思われずにすみそうな話が出来たような・・・。

これは路地側から撮影したもの。川面側からは、またいつの日か撮影します(苦笑)

戦前のままの石造りの外壁と窓を持ち、三階建ての窓の全部が土佐堀川に面して、まるでベネツィアの水上家屋のようだった。 (文庫版『神の火』上巻p99~100)

なかなか味のある建物で、雰囲気がいかにも江口さんとマッチしている気がします。
時間があれば、一階のお店でお食事してみたいですね。

ところで、旧版『神の火』では、どんなふうに表現されていたんだろうか。後ほど調べてみましょう。

***

【2006.8.30 追記】
上記二つの引用、旧版『神の火』 ではどちらもp70になりますが、前者は変わらず。
後者は、二つの文章になっていました。

戦前のままの石造りの外壁と窓を持っていた。三階建ての窓の全部が土佐堀川に面して、まるでベネツィアの水上家屋のように見える。 (旧版『神の火』p70)