
昨日、手配師の男が《センター》と言ったのは、あいりん労働センターのことだ。 (文庫版『神の火』上巻p54)
この周辺はたいした理由ではありませんが、ちょっとした事情がありまして、あまり写真撮影してません。うむむ、阪堺線(愛称・チンチン電車、さらに略してチン電)を撮り忘れたのはイタイ。
ああそれに、まさか「浪華会館」がなくなっていたなんて・・・!(がっくり)
記事タイトルは、この界隈を通っている路線名とその駅名です。JRが約2~3本(方面は同じでも、名前の違う路線があるため、曖昧にぼかします)、私鉄の南海が約2~3本(同上の理由)、地下鉄2本、路面電車1本です。
『神の火』 『わが手に拳銃を』 『照柿』 『李歐』 に出てくる、お馴染みの場所です。
国立文楽劇場の最寄り駅・地下鉄日本橋駅に戻り、今度は堺筋線に乗って、動物園前駅に向かいます。
(東京は「にほんばし」だと、minoringさんが教えてくれました。大阪は「にっぽんばし」です。大阪で、例えばタクシーに乗った時に「日本一(にっぽんいち)」と行き先を言ってみましょう。「日本橋一丁目」に連れて行ってくれます)
一枚目の写真の労働センターは、『神の火』では、日野の大将と良ちゃんがここへ行って、仕事を貰ってました。
『照柿』では、達夫さんが父のお通夜の会場にタクシーで通り過ぎたシーンや、子供の頃の回想シーンなどで。

タクシーは凱旋門のような南海の高架をくぐったところで止まった。 (文庫版『照柿』上巻p232)
これは一枚目の写真と、ほぼ同じ位置から向きを変えて撮った写真。隣接していると言っても、過言ではない。
「凱旋門のような」という表現は、下巻にも出ています。(文庫版『照柿』下巻p293)
パリに行ったことはなく、実物も見たことありませんので、何とも言えません。同行のmarimoさん、minoringさんも然り。
だけど、文章を照らし合わせたのと、実物を見た限りでは、「ここしかないですよね」 「高さと大きさが凱旋門くらいあるってこと?」 「でもまあ、何とか凱旋門に見えないこともないですよね」・・・と納得(?)
イメージ壊れた(?)皆さん、ご了承を。
南海の高架を通り抜け、ぐるっと北側へ回り、JR新今宮駅の北側を歩いて、ちょっとビックリ。新今宮駅のホームからは見えないようになっているので分からなかったのですが、今もちゃんと(?)野外生活者の方たちがたくさん住んでいるのだ・・・。いきなり、『わが手に拳銃を』の昭和の時代にタイムスリップした感覚を味わう。
フェスティバル・ゲート付近に着いて、「飛田新地、どうします?」 「行くのはやめましょう」 とあっさり決定。
ここはひとつ、飛田新地は男性の高村薫ファンの方に行っていただかないと。純粋な気持ちを抱ける男性の方のみ、地どりなさって下さい(苦笑)

「あっちへ行こう」と雄一郎を引っ張ってジャンジャン横丁から国鉄のガード下をくぐるのだ。 (文庫版『照柿』上巻p252)
少年時代の達夫さんと合田さんが、出てきたとおぼしき場所が、この写真。撮影した場所の背後を、JR(当時はもちろん国鉄)が走っています。
この後、左側にちらっと写っている階段を降りて、ジャンジャン横丁を通り抜けました。TVや雑誌などで紹介されたのか、ずらっと列を作っているお店もありました。
約10年前のNHK朝の連続ドラマ「ふたりっ子」でもお馴染みの場所ですね。marimoさんも観てらしたそうで、しばし話に花が咲きました。
この後は、天王寺公園に向かいます。
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