本屋で新刊チェックしているときに見つけた、井川香四郎さんの「写真探偵開化帳 ホトガラ彦馬」。
タイトル買いしてしまいました…。
上野彦馬といったら、長崎の写真家で、坂本龍馬の写真を撮ったことで知れている人。
某坂本龍馬主人公の漫画でも登場したりしているヒトです。
私はそれで名前を知ったのですが…。
この話は、すでに維新後の東京が舞台で、新政府に呼び出された上野彦馬が
殺人事件を暴いていく…というおおざっぱに言えばそんな話なのですが。
幕末の薩長等倒幕側の権謀術数を意識している人には、なんだかもっと意味ありげな小説に感じます…
舞台はちょうど征韓論に敗れた西郷隆盛や江藤新平が鹿児島や佐賀に下野した後。
大久保利通は、うまい具合に不平士族の反乱として、不平分子をつぶそうと画策していたのか…。
そして最近は「ムー」でも特集になっていた、写真の残っていない西郷隆盛…。
暗殺を恐れて素顔をできる限り人前にさらさなかった…といわれているけれど、
実は西郷は途中で死んで入れ替わっていた…?(なんか大坂の陣で死んだ徳川家康みたいな感じだな…)
その西郷の写真を手に入れようと、政府側と思われるものが事件を起こしているのだと思うけど、
ちょっと最期がすっきり解決しない終わり方で、シリーズものみたいなので次回に期待したいです。
彦馬の人柄はとっても魅力的!です。
大久保利通や伊藤博文はちょっといわくありげです。
まだ定まらない警察機構と政府のこの先をまだまだ模索中の明治日本。
けっこうわくわくして読めました。
幕末だけでなく、明治初期もまだまだアタシを楽しませてくれるようです。
…ってか、こういう小説書いてくださる作家さんがいて、ホントありがたいです。
先日は古本屋で、山田風太郎さんが書いた川路利良警部モノの小説を発見しましたが、
こちらも面白そう…。